| ウルスはランボルギーニの中でも極めて特殊な立ち位置にある |
状況によってはもっと早くウルスPHEVが発表される可能性があるかもしれない
さて、ランボルギーニは先日、アヴェンタドール後継モデルとなるV12スーパーカーの概要を発表しており、さらにウラカン後継モデルが2024年後半に発表されることにも言及していますが、今回はウルスのPHEVモデルが2024年(時期は不明)に登場することについても確認しています。
なお、ランボルギーニ・ウルスは現在V8ツインターボのみをパワーソースとしており、「ウルス・ペルフォルマンテ」「ウルスS」ともに666馬力を発生し、おそらくウルスPHEVでは(車体を共有する)ポルシェ・カイエン同様のハイブリッドシステムを積むものと考えて良さそうです。
ランボルギーニはパワートレインの「モデル間共有」を行わない
ちなみにですが、ランボルギーニはそのラインアップ間での共有をあまり行わない会社で、車体はもちろんのこと、エンジン、そしてトランスミッションは「アヴェンタドール、ウラカン、ウルス」ではそれぞれ全く別のもの。
ただしLB744と呼ばれるアヴェンタドール後継モデルではV12+PHEV、トランスミッションには新開発の8速DCTが使用され、この8速DCTはウラカン後継モデルと見られるスーパーカーに使用されることが確認されています。
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つまりアヴェンタドール後継モデルとウラカン後継モデルとではトランスミッションを共有するということになりますが、ウラカン後継モデルではV8ツインターボを採用するというので、もしかするとこれは「ウルスと共通」となる可能性も見えてきます。※ガヤルド、ウラカンはアウディR8と多くを共有することでコストを下げてきたが、もし次期R8が存在しないのであれば別の方法でコストを下げる必要があり、それがブランド内でのコンポーネント共有なのかも
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さらにランボルギーニは、各モデル間でのデザインについても共通性を持たせる方向へと動いているように思われるので、次世代モデルにおいてはちょっと流れが(今とは)異なることになりそうですね。
ウルスPHEVはどんなクルマに?
ただ、現時点でちょっとわからないのがウラカン後継、ウルス後継モデルに積まれるハイブリッドシステム。
アヴェンタドール後継ではフロントに2モーター、リア(エンジンとトランスミッションとの間)にシングルモーターという3モーターレイアウトを持ちますが、ウラカン後継モデルに同じレイアウトを採用するとコストがかかるばかりか性能的な(アヴェンタドール後継モデルとの)差が小さくなり、よってウラカン後継モデルではまた別のハイブリッドシステムを採用してくるのかもしれません。
そして現時点ではウルスPHEVのハイブリッドシステムについても不明ではあるものの、おそらくは(上述の通り)カイエン(ターボS E)ハイブリッドと同様だと考えてよく、となるとトランスミッション内にエレクトリックモーターを仕込んだものとなりそう。
ちなみにカイエン・ターボS Eハイブリッドに組み込まれるエレクトリックモーターは136馬力を発生し、バッテリー容量は17.9kWhで、これらの重量は車両装着状態で350kgだと言われます。
ウルスにこれを搭載するとなると、エレクトリックモーターの出力を向上させること、バッテリー容量を向上させることも考えられますが、もし「このまま」積んだとしても666馬力+136馬力=802馬力を発生することになり(ガソリンエンジンとエレクトリックモーターのピークパワー発生状況が異なるため、これを下回る可能性もある)、SUVとしてはもっとも高い出力を発生させる部類となりそうですね。※重量やエレクトリックパワーのトルクを考慮すると、タイヤの寿命がかなり短そう
なお、ウルスはハイブリッド化されたのち、2029年には後継モデルへとスイッチすると言われ、この際には「ピュアエレクトリック化」されるとも。
ランボルギーニはスーパースポーツについてはガソリンエンジンを搭載し続けるかもしれませんが、ウルスの場合は「日常的に乗るクルマ」であり、ガソリンエンジンにこだわる必要もなく、その大きく重い車体を考慮に入れると内燃機関よりもエレクトリックパワートレインのほうがマッチしているとも考えられます(ランボルギーニにおけるウルスの販売比率はかなり高く、ウルスをピュアエレクトリック化すればランボルギーニ全体のCO2排出量が大きく下がる)。
そしてちょっと気になるのは「ウルスの名を継続するかどうか」であり、まずランボルギーニは同じ名称を用いてモデルチェンジを行うことはなく(カウンタックは唯一の例外である)、よって大ヒット作であるウルスもその名を捨て、後継モデルでは新しいモデル名が与えられることになりそうですね。
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参照:Road and Track