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環境団体が「お金持ちが乗る大型SUV」に対するネガティブキャンペーンを強化。ボクはこれを「富裕層に対する憎悪を煽り、支持者を集めるための」目論見だと考える

2023/10/27

メルセデス・ベンツ

| 人は、自分が持っていないものを持っている人を容易に憎む |

環境団体は人々の心理を操作することに(非常に)長けている

さて、現在世界中で人気なのがSUVではありますが、欧州に関しては少し雰囲気が異なっており、「大きなSUVは環境負荷が高すぎる」ということから敬遠される傾向が強く、同じSUVでもコンパクトクラスが選ばれる傾向が強いと言われます。

実際のところ、ガソリン車だけではなくEVであっても大型SUVを狙ってタイヤの空気を抜くという過激な環境団体も存在し、とにかく「不要に大きなモノ」が嫌われるのが昨今の欧州なのかもしれません。

今度はSUVのタイヤの空気を抜く環境団体が登場。今年だけで1万台以上、2日間で900台の空気を抜いたと宣言し、世界中に支持者を増やしているもよう
今度はSUVのタイヤの空気を抜く迷惑な環境団体が登場。今年だけで1万台以上、2日間で900台の空気を抜いたと宣言し、広く「SUVのエア抜き」を呼びかける

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最新のガソリン車よりも、10年前のガソリン車のほうが環境汚染度が低い

そこで今回「最新のガソリン車よりも、10年前のガソリン車のほうが環境汚染度が低い」という持論を展開しているのは環境団体「ポッシブル」。

その理論について解説してみると、まずイングランドにおいては、「所得上位20%の層は、他の80%の層の自動車所有者よりも、汚染度の高い車を所有している可能性が81%高い」としています。

この「汚染度の高いクルマ」とは、車両が大きく、製造時や走行時に環境負荷が大きなクルマを指しており、つまりお金持ちは大きなクルマを持っていると指摘しているわけですね。

この統計についてはおおよそ現実を表している可能性が高く、実際に「欧州では、AMGの4台に1台がG63」であるという統計もあるので、お金持ちが大型SUVを好むことは間違いなさそうです。

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メルセデス・ベンツ
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そしてこれは上で挙げた「欧州では小型SUVが好まれる」というのとは相反する結果となってしまいますが、実際にお金持ちも大型SUVやスポーツカーに乗っていながらも、「周囲の目が気になる」と考える人が多いという統計もあるようで、大型SUVに乗る人々も実際には「小型SUVに乗るべきである」と考えているのかもしれません(他人に配慮せねばならない時は小型SUVに乗っているのかも知れない)。

要は感情捜査による支持集めだとも考えられる

さらに今回の調査では「英国において、新車のSUVの75%が都市部に住む人々によって登録されている」ことが明らかになっていて、つまりはSUVを必要としない人々がSUVを購入していることについても言及しており、ポッシブルが言うには「2013年にはセダンやハッチバック、ステーションワゴンを購入していた人々が、今や大型SUVを購入している」。

これがつまり「10年前のクルマよりも今のクルマのほうが環境汚染度が高い」としている根拠であり、ポッシブルが「環境に悪い」と断じているのは単にクルマの大きさを指していて(10年前のクルマと現代のクルマとのCO2排出量の差には言及していないようだ)、「お金持ちが必要もないのに大型SUVを乗り回し、環境を汚染している」というイメージ操作を行っているようにも思えます。

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もちろんこれは、そう思わせることで(お金持ちに対する怒りを喚起し)多くの人々の支持を集めることを意図しての行動だとは思われますが、多くの環境団体がそうであるように、ちょっとお粗末な理論なのかも知れません。

ただ、ポッシブルはじめいくつかの環境団体の言う「SUV=悪」が根付きつつあることもまた事実であり、実際に環境に対して好ましくない影響を及ぼすSUVも少なくはなく、世の中の認識として大型SUV乗ることが「あまりよろしくない」ということになりつつあるのは間違いのないことだと思われます。

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参照:International Energy Agency, Possible, The Guardian

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