
| このロボットからクルマを買いたいかどうかは別として、話題になるのは間違いない |
このロボット「モーニン」は実際にチェリーのディーラーにて稼働中、1体およそ900万円
「クルマを買いに行ったら、ロボットに接客された」──そんな未来が現実になる日も近いかもしれません。
今回なんと中国の自動車メーカー、チェリー(Chery)が、まさかの“人型ロボット販売員 Mornine(モーニン)”を公開するとことに。
ちなみにチェリーは「空飛ぶクルマ」の飛行実験を行うなど”未来派”としても知られる自動車メーカーではありますが、今回は他社よりも「一足先に」行ってしまったのだとも考えられます。
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▶ 「モーニン」の見た目が話題を独占?!
このMornine、長い髪、誇張されたバストやヒップなど、なぜか「人間らしさ(?)」を強調した外見ですが、ネット上では「なんか間違えた感がすごい」などと話題に。
ロボットというより「コスプレ感」の強いデザインには”開発チームの趣味が反映されすぎているのでは”という声もありますが、このモーニン、もともとは奇瑞汽車がプロモーションに活用していたバーチャルキャラクターだそうで、その人気が高じて「現実」になったというわけですね。
▶ モーニンは何ができるのか?
そしてチェリーによれば、モーニンは以下の機能を持つ、とのこと。
- 歩行可能(ただし動画を見るに、あまりスムーズではない)
- 会話可能(質問にAIが対応)
- ドリンクの提供
- 車両スペックなどの説明が可能
- 試乗のアシスト
なお、AIには話題の「DeepSeek(ディープシーク)技術が搭載され、クルマの装備や仕様を説明できる“営業担当”として設計されています。
ちなみに価格は約6万ドル(約900万円)だそうで、すでにマレーシアのディーラーで1体が稼働中であることが報じられていますが、こんな感じで試乗の案内も可能であり、「私についてきてください」。
その後はキーを渡し・・・。
試乗に関する注意や説明も。
▶ チェリーの本気度:ロボットが“本業”に?
驚くことに、チェリーの国際部門トップは「Aimoga(アイモガ)ロボット事業こそが未来」と明言しており、つまり将来的にはクルマ販売は副業で、ロボットが主力ビジネス(人形、そしてペット型含めて民生用としても販売)になるという計画を明らかにしており、これはテスラCEO、イーロン・マスク氏が語った内容とよく似ていますね。
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▶ 自動車業界全体で進む「人型ロボット化」
なお、現在は自動車業界にてロボットの導入が全般的に進んでいて、「他社の開発したロボットを導入する」例もあれば自社でロボットを開発しそれを販売して利益をあげようとする例も。
現時点では以下が代表的な例として報じられています。
- メルセデス・ベンツ:ベルリン工場でヒューマノイドを導入中
- ヒョンデ:Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)を買収し、米国工場で展開予定
- テスラやホンダも同様に、コスト削減の切り札としてロボットを導入
- BYDも自社工場内にヒューマノイドロボットを導入
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▶ まとめ:「面白いけど…ロボットからクルマを買いたくなるかは別問題?」
ロボットがクルマを売る時代が本当に来るのか?
たしかに若年層やテック好きな層にはウケるかもしれませんが、「このロボットからクルマを買いたいか?」という点には疑問の声も。
とはいえ、AI時代に突入した今、“ロボ営業マン”が当たり前になる日も近いのかもしれません(ロボットという形ではなくとも、セールス業務はAIアシスタンスに取って代わられる可能性が高い)。
AIロボ「モーニン」がチェリーのディーラーにてセールスを行う動画はこちら
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参照:OMODA&JAECOO Nederland(Youtube)