| 電気自動車だけではなく、空飛ぶクルマにおいても中国がマーケットリーダーになるのかも |
中国は市場そして企業ともに恐るべき爆発力を持っている
さて、現在いくつかの自動車メーカーが目指しているのが「空」。
これまでにはトヨタ、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、ヒョンデ、吉利汽車が「空」への進出を表明し、アウディはその挑戦後に撤退の意思を示しています。
そして今回中国のチェリー(奇瑞汽車)が、中国安徽省にて自社が開催した「チェリーグローバルイノベーションカンファレンス」にて、「ランド・アンド・エア・ビークル」なる飛行車のプロトタイプを披露し、約80kmのテスト飛行に成功したと宣言することに。
チェリー「ランド・アンド・エア・ビークル」はこんな構造を持っている
そこでこのランド・アンド・エア・ビークルを見てみると、いわば「三体ハイブリッドウイング飛行車」とも言うべき存在で、ステアリングホイールやアクセルペダルを持たず、”航空機モジュール”、”インテリジェントコックピットモジュール”、”インテリジェントシャーシモジュール”の三つの部分で構成されています。
この「空飛ぶクルマ」は、自律飛行と自律走行モードを切り替えることができ、都市部での短距離通勤を目的として交通渋滞の問題を軽減することができるというのがチェリーの主張で、飛行モードでは、垂直に離着陸することが可能なため「滑走路が不要」なことも大きな利点です。
そこで一体どんな感じで機能するのかというと、まずこちらは”インテリジェントコックピットモジュール”、”インテリジェントシャーシモジュール”が合体した状態で、普通のクルマのように走行が可能。
そして待機している”航空機モジュール”へとバックしたのちに”インテリジェントコックピットモジュール”をこれを固定し・・・。
”航空機モジュール”と”インテリジェントコックピットモジュール”のみが飛行するというシステムです。
上述の通りこれらは「プロトタイプ」なので詳細については言及されていないものの、これまでに発表された情報を総合すると「チェリーS2maスケーラブルインテリジェント”マーズ”アーキテクチャ」を使用し乗員は2名、飛行高度は1000m未満、最大飛行速度は120km/h、飛行時間は約40分。
考え方としてはアウディとエアバス、イタルデザインが提唱した「Pop.Up」と同様の考え方ということになりそうです。
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そしてこの「ランド・アンド・エア・ビークル」は、少し前にシャオペンが公開した「エアロHT」とは異なり、おそらくは民生用ではなく公共交通機関あるいはシェアモビリティとしての提供になるかと思われますが、中国ではこういった空飛ぶクルマに対する(消費者ではなくビジネス上の)関心が高まっているとされ、このチェリー、そしてシャオペン、吉利汽車のほか、GAC(広州汽車)、SAIC(上海汽車)も空飛ぶクルマの試作とデモ飛行を行っており、「チャイナスピード」によって思ったよりも早くこの実用化がなされる可能性もありそうですね。※とくに吉利汽車は成都の低高度交通管理サービスプラットフォームとして初のテストを実施し、都市内での低高度有人移動検証飛行を成功させている
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よって電気自動車同様、中国がこの分野でも「最先端」となりうる可能性がありますが、依然として安全性の懸念は残されており、正直なところ「乗るか」と言われれば「遠慮しときます・・・」となりそうです。
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参照:CarNewsChina(Youtube)