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ベントレーが2023年の販売実績を公開。全体で11%減少し、特に中国では18%減。ついに中国販売に依存した成長モデルに陰りが見えはじめる

ベントレーが2023年の販売実績を公開。全体で11%減少し、特に中国では18%減。ついに中国販売に依存した成長モデルに陰りが見えはじめる

| ベントレーのみではなく多くの自動車メーカーにおいて中国市場の減少や伸び悩みが見られる |

おそらくこれは「回避することができない」トレンドでもある

さて、ベントレーが2023年の販売実績を公表し、「2022年比で11%減少し13,560台を販売し、過去3番めの販売台数であった」と発表。

ざっと概要を見てみると、「これまで以上にパーソナライゼーションを選択する顧客が増加して2022年比で+43%」「 外部要因により一部の市場で需要が弱まり、地域の業績はまちまちに」「ベンテイガはもっとも売れたモデルとして総販売台数の44%を占める」「英国市場では約1/3がハイブリッドであった」とのこと。

販売台数は減少するも「高収益化」を達成

そこで詳細を見てゆくと、2023年では顧客の3/4が(それだけでも460億とおりのバリエーションを持つ、ベントレーの標準オプションの範囲を超える)マリナー部門でのカスタムを選択しており、これは「マリナーの利用が過去最高であった」とされた2022年に比較してもさらに+43%という数字です。

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加えて、選択されるグレードは「アズール」「S」「スピード」といった付加価値の高いモデルに集中し、これらの割合は2022年の30%から70%にまで増え、つまりベントレーの顧客はより高級かつ高性能なモデルを求め、パーソナライゼーションへの関心とそこに投じる費用が上昇しているということを意味します。

参考までに、ベンテイガEWB(エクステンデッド・ホイールベース)はベンテイガの注文のうち1/3を占めるというので、ベントレーがますます「高級品」として捉えられるようになったこともわかりますね。

2023 sales - 1

2023年におけるベントレーのモデル・地域別販売構成はこうなっている

そして2023年におけるモデル別販売構成を見てみると、上述の通りベンテイガが44%、コンチネンタルGTとコンチネンタルGTコンバーチブルは31%、残る25%がフライングスパー。

販売地域ではアジア太平洋地域は5%増、中東、インド、アフリカは2%増となったものの、他地域ではすべて販売が減少し、北米では−9%、中国・香港・マカオは−18%、そしてイギリスでも−18%、ヨーロッパ全体だと−15%。

地域別の構成だとアジア太平洋地域が16%、中東、インド、アフリカは7%、北米は28%、中国・香港・マカオは22%、イギリスは9%、ヨーロッパ全体だと18%。

つまりは構成比にて大きな割合を占める北米、中国、欧州での販売減少が「ワールドワイドでの−11%」という結果を招いたのだとも考えられますが、多くの自動車メーカー/ ブランドが比較的好調な販売を記録している中でこの販売減少は「異例」に映るかもしれません。

1

ただしほかの自動車メーカーが公開した内容を見てみると、ベントレーと同じように中国市場での販売が縮小していることがわかり、これは「いままで中国市場の成長に依存してきた成長モデル」が崩れ去ろうとしていることを意味します。

たとえばこの現象が「普及価格帯の自動車メーカー特有の状況」であれば「中国の自動車メーカーの(中国内での)シエアが高くなっているために外国の自動車メーカーの販売が侵食されている」と推測できますが、ベントレーやロールス・ロイス、ポルシェといった、中国の自動車メーカーでは代替できないブランドであっても販売が伸び悩んでおり、よって中国全体における購買力が下がり、2024年はもしかすると「かなり苦しい」状況に陥る自動車メーカーが出てくるのかもしれません。

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2023年の販売実績を踏まえ、ベントレーモーターズの会長兼最高経営責任者(CEO)、エイドリアン・ホールマーク氏は以下のようにコメントしています。

高級品市場は、2023年下半期に世界中で見られた厳しい市場状況の影響を免れることができませんでしたが、それにも関わらず、当社は史上3番目に高い実績を確保し、強力なバックオーダーとともに2024年を迎えることができました。これに基づいて当社の販売品質ははるかに向上し、より高価値のデリバティブ商品が大幅に増加し、オーダーメイドのパーソナライゼーションに対する需要が大幅に増加しました。

市場およびモデル別の世界的な需要は引き続き旺盛で、当社のハイブリッドモデルに対する高い関心があり、今年はさらに多くのモデルの投入が続くため、当社は今後1年間について慎重ながらも楽観的な見通しを保っています。

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参照:Bentley

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