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マクラーレンは1億5000万ポンドの融資を得るも「まだまだ資金が必要」。倒産の危機は依然目の前にあり、販売台数は前年の1/3以下となる見込み

2020/07/12

| まさかマクラーレンがこんな事態に陥ろうとは |

さて、資金難に陥ったと報じられたマクラーレン。

マクラーレンはF1はじめモータースポーツにおいてリッチな歴史を持つメーカーであり、本社には多数のF1マシン等レーシングカーを保有しているため、まずはそれらを担保に入れて資金を確保しようとした、と報じられています。

ただしそこで問題が生じることになり、「すでにそれらのレーシングカーは2017年に債権を発行した際に証券化されており、担保としての役割を果たさない」として却下されるたわけですね。

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一時は破産の可能性も

そういった経緯もあってマクラーレンは資金の調達先を新たに探す必要が出てきて、7月17日までに2億8000万ポンドを調達できなければ破産する可能性もあると報じられていたものの、マンスール・オジェはじめ株主たちが資金繰りに奔走した結果、バーレーン国立銀行が1億5000万ポンドの融資を行うことに合意し、いったんは破産のリスクを回避できた、と報じられています。

ただ、必要とされていた2億8000万ポンドまでは程遠い現状であり、まだまだ資金が必要な状態に変わりはなく、状況次第では今回融資を受けたお金も底をついてしまうのかもしれません。

なぜマクラーレンは急に金欠に?

マクラーレンはここ数年、非常に速いペースで成長しており、アストンマーティンやランボルギーニを販売数にて抜かんばかりの勢いだったものの、コロナウイルスを機に一気に販売が減少し、F1の開催も一時的にキャンセルされたためにモータースポーツ経由での収入も断たれることに。

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一方、同じスーパーカーメーカーでもあるフェラーリやランボルギーニはさほど落ち込んでいないとも報じられ、新型車の発表やイベントを開催する余裕もあり、もちろん従業員を解雇したという話もナシ。

反面マクラーレンやアストンマーティンは大きく販売が落ち込んでおり、いったいなぜここまで差がついたんだろうなと疑問に思うわけですが、マクラーレングループの収入は84%が市販車販売、12%がF1、4%がテクノロジー部門からだとされており、2019年の4,662台から2020年では1,500台にまで落ち込むであろうとされる販売下落が直接的に影響しているのだと考えられます。

なお、フェラーリやランボルギーニは販売のほぼ100%が「受注販売」であり、コロナウイルスが猛威をふるおうとも「その前に受注していたクルマを生産して納車するだけなので」販売台数が減るわけではなく、しかし今後の懸念は「これからの受注」。

ただし現時点では(聞く範囲だと)受注に陰りもなく、よって通年での販売台数は結果的にほとんど昨年と変わらない可能性も(工場は五週間ほど停止していたので、その分の生産は失ってしまう)。

ちなみに日本におけるマクラーレンの販売は2020年前半(1ー6月)で前年比56%、それに対してフェラーリは130.2%、ランボルギーニは112.9%。※現在のところ、フェラーリは日本において、この1年でもっとも成長した輸入車メーカー

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この数字を見ても、フェラーリとランボルギーニは「これまで受注したぶんを粛々と納車するだけで成長が確保できる」ということがわかりますが、マクラーレンの減りっぷり(日本だけではなく世界も)を見るに、マクラーレンのこれまでの販売台数は「見込みで生産して、それを売っていた」ぶんがかなり多かったということになりそう。

なお、この傾向はアストンマーティンも同様であり、あまりに成長を急ぎすぎた(株主に対する責任を果たそうとした)がためなのかもしれません。

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