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これがマクラーレンF1の正当な後継!F1設計者本人による「ゴードン・マレー」T.50発表!V12搭載ながらも重量は980kg、そしてMTのみ

2020/08/05

| このスペックを実現するのは簡単なことではない |

かのマクラーレンF1の設計者、ゴードン・マレーが期待のニューモデル、「T.50」を発表。

発売元は自身の運営する「ゴードン・マレー・オートモーティブ」からとなっています。

やはりそのスタイルはマクラーレンF1を想起させるもので、フロントフードやセンターシートレイアウト、ルーフからリアにかけての背骨(キール)などはその最たる例。

なお、現在マクラーレンはマクラーレンにて「F1の精神を受け継いだ」スピードテールを発売しているものの、ゴードン・マレーは「自分以外ではF1の後継を作れない」として今回のT.50開発そして発売に踏み切っています。

マクラーレンF1設計者、ゴードン・マレーが「自分以外のだれもF1のようなクルマを作れない。だから自分で後継モデルを作る」。V12、MTで1000キロ以下

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ゴードン・マレー・オートモーティブT.50はこんなクルマ

まずはT.50のスペックからですが、搭載されるエンジンはイギリスのレーシングエンジンビルダー、コスワースによる4リッターV12。

重要なのはこのV12が「自然吸気」ということで、許容回転数は12,100回転、そして出力は654HP。

そしてさらに重要なのが「車体重量980kg」。

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この980kgというのは軽量で知られるマツダ・ロードスター(990~1060kg)やアルピーヌA110(1110kg)よりも軽く、カーボンモノコックを採用するアルファロメオ4C(895kg)、ロータス・エキシージ(935kg)に迫る勢い。

ただしこのT.50はそれらの倍以上の排気量を持つエンジンを積み、豪華な内装そして「ひとつシートが多い」3シーターレイアウトを持っており、この軽さがどれだけ現実離れしてるかがわかります。

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デザイン的には「マクラーレンF1(下の画像は”LM”)」との共通点が多く、短いノーズ、コンパクトなフロントフード、相対的に大きなヘッドライト、バタフライドア、バブル形状のキャビン、サイドウインドウ形状、ルーフ上のシュノーケルなど、F1同様の意匠が見受けられます。

これは当時のマクラーレンF1がすでに「現代の技術水準、デザインレベルから見ても完成の域にあった」ことを意味すると同時に、ゴードン・マレーがF1に対していかに強い想いを抱いていたかもわかる事象。

車体構造はシャシー、ボディパネルまで含めてカーボンファイバーにて構成され、ゴードン・マレー・オートモーティブによると、「モノコックとボディパネルをあわせても150kgしかない」とのこと。

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ちなみに4リッターV12エンジン本体は80.5kgしかなく、これは日産GT-R(R32)に積まれていたRB26DETTの255kgと比較すると驚くべき数字です(設計された時代が異なるということを考慮に入れても)。

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そして注目はリアの「ファン」。

これは送り出す風をもって推進力に変えるわけではなく、「床下のエアを吸い出してグラウンドエフェクトを得る」ため。

この直径40センチのファンは48Vエレクトリックモーターによって最高7,000回転にも達し、アクティブリアディフューザー/リアスポイラーと連動して、通常走行時には50%、ブレーキング時には100%ダウンフォースを増加させる、とアナウンスされています。

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ゴードン・マレーはかつてF1マシン、ブラバム「BT46B」を設計しており、これにも同様のファンが装着されていて、当時はかなりの威力を発揮していますが、F1の常として「一瞬で禁止」となった幻のデバイス。

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それをゴードン・マレー氏が自らリバイバルしたということになりますが、当時と異なるのは「床下だけ」からエアを吸い上げるのではなく、「車体上部からも」エアを吸って排出し、ドラッグを引き下げる効果も併せ持つこと。

これによって「ストリームラインモード」ではドラッグを10%引き下げて加速性能を向上させる、と報じられています。

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ゴードン・マレー・オートモーティブT.50の車体サイズは全長4,352ミリだとされ、マクラーレンF1の4,287ミリよりもちょっと長いくらい。

ポルシェ718ケイマン(4気筒ターボをミッドマウント)の4,379ミリ、V10エンジンをミッドマウントするランボルギーニ・ウラカンEVOの4,520ミリに比較してもかなり短く、さらに「車体後部にファン」を持つことを考えると、いかに短いかもわかりますね。

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ゴードン・マレー・オートモーティブT.50のインテリアはこうなっている

そしてこちらがT.50のインテリア。

もちろん「センターシート」レイアウトを持つ3シーターで、これは当然ながらロールセンターの適正化を図ったもの。

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トランスミッションは6速「マニュアル」のみ。

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ペダルはチタン製で、肉抜きが施されていかにも軽そう。

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最近のハイパーカーにしては珍しく、スイッチ類は「モニター経由のタッチ式」ではなく物理スイッチ(モニター式のほうが重量を軽くできるが、これにも理由があるのだと思われる)。

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ゴードン・マレー・オートモーティブT.50の価格は236万ポンド(邦貨換算で3億2620万円)に設定されており、納車は2022年1月から開始予定。

ブガッティ・シロンよりはちょっとだけ安価な設定ではあるものの非常に高価であることにはかわりはなく、しかしこれだけのこだわり、そしてスペックを見ると十分にその価値はある、と言えそうです。

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