>マクラーレン(McLaren)

「マクラーレン650Sル・マン」50台限定のうち49台はグレー、しかしこの1台のみイエロー。その背景にはこんな理由があった

2021/12/19

「マクラーレン650Sル・マン」50台限定のうち49台はグレー、しかしこの1台のみイエロー。その背景にはこんな理由があった

| 本来はすべてサルテ・グレーのはずが「この一台のみ」マクラーレンが特別にイエローにペイントすることを許可 |

今後価値を上げることになりそうな一台が中古市場に登場

さて、生産わずか50台という希少なマクラーレン650Sル・マンが中古市場に登場。

650Sル・マンというのは聞き慣れないモデルですが、これは1995年のル・マン24時間レースで優勝したことを記念して発売された限定車で、製造を担当したのはもちろん同社のパーソナリゼーション部門であるマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)。

ただ、興味深いのは50台のうち49台が(ル・マン24時間が開催されるサーキットをモチーフにした)サルテ・グレーにペイントされており、今回紹介するただ一台のみがソーラー・イエローにペイントされているということ。

McLaren-650S-Le-Mans-2

その経緯には特別な背景があった

そしてなぜこの個体のみがソーラー・イエローにペイントされたのかということについて、マクラーレン自身は「50台全て」をサルテ・グレーにペイントしようと考えたものの、一人のオーナーが「自分の友人のマクラーレンF1 GTRと同じソーラー・イエローにペイントして欲しい」とマクラーレンへと頼むことに。

McLaren-650S-Le-Mans-1

おそらく、そのF1 GTRのオーナーはマクラーレンにとってVIPオーナーであったのだと思われ、その力添えもあって「マクラーレンが特別に許可をした」と紹介されています。

McLaren-650S-Le-Mans-6

マクラーレンのロードカー、とくにハードコアバージョンというと「シュノーケル」「フロントフェンダー上のルーバー」「ロングテール」といったレシピを持ちますが、この650Sル・マンにもその面影を感じることができ、まずこちらはシュノーケル。

ただし現在のマクラーレンに用いられるシュノーケルに比較するとかなり小ぶりでおとなしいようですね。

McLaren-650S-Le-Mans-3

こちらは600LTにオプション設定されるシュノーケル。

そしてこちらのフェンダーのルーバーも同じく、「ちょっと控えめ」。

McLaren-650S-Le-Mans-16

600LTだとこんな感じです。

L1040944

リアウイングも今見ると「けっこう小ぶり(650LTだともうちょっと大きい)」。

この650Sル・マン発売からそれほど時間は経過していないものの、その間にマクラーレンはずいぶんと各部を進化させ、そしてその原点とも言える存在がこの650Sル・マンなのかもしれません。

McLaren-650S-Le-Mans-18

そのほかの特別装備だと大型カーボンファイバー製リアディフューザー、各種ル・マンバッジ、カーボンファイバー製スプリッター、カーボンファイバー製サイドスカート、専用5スポーク軽量アルミホイール、そしてブレーキキャリパーはソーラーイエロー。

エンジンについては650Sの他のバージョンと同様に、最高出力641ps、最大トルク500lb-ft(678Nm)を発生する3.8リッターV8ツインターボを搭載しています。

McLaren-650S-Le-Mans-7

マクラーレン650Sル・マンのインテリアはこうなっている

そしてこちらはマクラーレン650Sル・マンの内装。

McLaren-650S-Le-Mans-4

基本的にはブラックレザーとアルカンターラとの組み合わせで、コンフォートシート、メリディアン製オーディオシステムが装着されていますが、やはりこちらも今見ると「ここからマクラーレンは始まったんだな」という印象(正確にはMP4-12Cからですが)を受け、好ましいシンプルさを持っている、とも感じます。

McLaren-650S-Le-Mans-14

こちらは限定モデルであることを表すバッジ。

McLaren-650S-Le-Mans-9

この「ソーラー・イエロー」のモチーフはハロッズカー

なお、このソーラー・イエローは個人の所有するマクラーレンF1 GTRにインスピレーションを受けたことは上で述べたとおりですが、そのマクラーレンF1 GTRとはル・マン24時間レースで3位に入賞した51号車、通称「ハロッズカー」。

【動画】マクラーレンF1の知られざる秘密7つ!ル・マン優勝車「F1 GTR 上野クリニック(59号車)」、日本人初のル・マン優勝ドライバーはこうして誕生した

| 事実は小説よりも奇なり | マクラーレンF1といえばスーパーカー界のレジェンドでもありますが、今回「マクラーレンF1の知られざる7つの秘密」という動画が公開に。この中ではいくつかの個体にまつわる数 ...

続きを見る

マクラーレンはこの1995年のル・マン24時間に出場し、そして入賞した車両を非常に重要視しており、もしこのうちの51号車のオーナー、そしてその友人の頼みであれば「絶対に断ることはできない」ということもわかります。

ちなみにこのハロッズカーは優勝まであと一歩だったそうですが、トランスミッションのトラブルによって3位に甘んじてしまい、それでも昨年にはその功績をたたえたオマージュモデルが作られています。

塗装にかかるのは1台800時間!マクラーレンが1995年のル・マン出走車を再現した「セナGTR LM」特別仕様車5台を公開

いずれも当時のカラーリングに現代的なアレンジが加えられる さて、今年はマクラーレンF1がル・マン24時間レースにて優勝を飾ってから25周年という節目の年です。そのためマクラーレン、および当時のレーシン ...

続きを見る

参照:Piston Heads

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->マクラーレン(McLaren)
-, , , ,