いずれも当時のカラーリングに現代的なアレンジが加えられる
さて、今年はマクラーレンF1がル・マン24時間レースにて優勝を飾ってから25周年という節目の年です。
そのためマクラーレン、および当時のレーシングカーであるF1GTRを制作したランザンテは様々な「ル・マン優勝25周年記念」に関するプロモーションを展開中。
マクラーレンは優勝車である上野クリニック59号を模した「720ル・マン・スペシャルエディション(Le Mans Special Edition)」を限定発売したのは記憶に新しいところですね。
さらにランザンテは「600LT(クーペ)」「600LTスパイダー」「765LT(クーペ)」「765LTスパイダー」「セナ」「セナGTR」を対象に、これらを上野クリニック仕様にコンバートする、という計画も公表しています。
当時のカラーリングを採用するために様々な許可を取得
そして今回マクラーレンが発表したのが「セナGTR LM」のスペシャルモデル5台で、これらは1995年当時のル・マンに参戦したF1GTRをモチーフにした固有のカラーリングを持つことが特徴です。
今回再現されたのは1995年のル・マンにて1位、3位、4位、5位、そして13位を獲得したマクラーレンF1GTRのカラーリング。
これらはすべてマクラーレンのパーソナリゼーション部門であるMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)によってカスタムされ、ペイントにかかったのはそれぞれ「のべ800時間」。
もちろん、これらを再現するにあたってはガルフやハロッズなど当時のメインスポンサーに許可を得ており、ル・マン24時間レースのオーガナイザー(Automobile Club de l’Ouest=ACO)にも承認を得ている、とのこと。
そしてやはり主役は当時優勝を飾った上野クリニック号(このクルマには語るべきドラマがある)。
このカラーリングを再現したセナGTR LMは「GTR LM 825/1」と命名されており、かのウエノ・グレーが現代風に解釈されています(当時は明確に二色のグレーが塗り分けられていたが、このモデルにはグラデーションが用いられている)。
そして次はセナGTR LM 825/6。
これは「ハロッズカー」として知られ、レースでは優勝する勢いで走っていたものの、トランスミッションの問題によって3位に甘んじることに(それがレースでもある)。
このカラーリングも大変人気があり、マクラーレンは今回「ソーラーイエロー」「ヘリテージグリーン」にて再現しています。
そして次は4位に入ったF1GTRを模したセナGTR LM 852/1。
これは見ての通りガルフカラーに彩られた仕様を持っています。
ホイールも当時と同じオレンジ、そしてリアフェンダーには(ハロッズ号とともに)アイルトン・セナのサインが入れられています。
なお、いずれも当時と完全に同じというわけではなく、当時のスポンサー名が「リシャール・ミル」等、現在のマクラーレンとのパートナー企業に置き換えられるほか、カラーやグラフィックにもアレンジが加えられているようですね。
そして次はセナGTR LM 825/7”ジャカルディ(Jacardi)”。
当時のスポンサーであったエルフのロゴが再現されています。
最後はセナGTR LM 825/5。
今回の5台の中で「もっとも塗装に時間がかかった」のがこの個体だとされています。
すでにこれら5台のオーナーは決定済み
これらのセナGTR LMについてはすでにオーナーが決まっており、フランスやイギリス、アメリカのオーナーの元へとこれから運ばれるそうですが、車体に表示されている国旗がそれらのオーナーの国籍なのでしょうね。
なお、当時ル・マン24時間に出走したマクラーレンF1GTRは(上野クリニック号含め)合計7台で、上野クリニック号以外のカラーリングはこんな感じ。