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マクラーレンがロッキード・マーティンの先鋭部隊「スカンクワークス」との提携を発表!その設計手法を取り入れ、将来のマクラーレンは戦闘機のようなデザインに?

マクラーレンがロッキード・マーティンの先鋭部隊「スカンクワークス」との提携を発表!その設計手法を取り入れ、将来のマクラーレンは戦闘機のようなデザインに?

| マクラーレンはそろそろ市販車部門においては「モータースポーツ」とは別の道を模索してもいいんじゃないかと思う |

今後の展開を考えると、今のうちにブランドシフトを行い、ライバルとの差別化を図る時期かも

さて、マクラーレンが航空機や宇宙船の開発・製造を行うロッキード・マーティンとの提携を発表。

スーパーカーやスポーツカー業界では「戦闘機モチーフ」「航空機モチーフ」のデザインが行われることは珍しくはなく、ランボルギーニだと「レヴェントン」にてイタリア空軍とのコラボレーションを行い、その後のウラカン・アヴィオでもやはり空軍とのパートナーシップ契約がそのデザインに生かされたほか、アヴェンタドールSVJのディティールがF-22をモチーフにしたということも明かされています。

こういった例のほか、航空業界との提携だと、ランボルギーニとボーイング(カーボン技術の共同開発が目的)、アウディとエアバス(空飛ぶクルマの開発)といった例がありますが、「戦闘機を作る」会社との協業は極めて珍しいかもしれません。

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マクラーレンはロッキード・マーティンとの提携で一体何を?

そこで今回の「マクラーレンとロッキード・マーティンとの提携」についてですが、マクラーレンの目的としては、ロッキード・マーティン社のスカンク・ワークス部門との技術提携により、その未来的な設計手法を新型車の開発に活用すること。

ロッキード・マーティンは(民間機を開発・製造する)ボーイングやエアバスとは異なり、軍用機(戦闘機や輸送機)、ミサイルなどの軍隊向け、スペースシャトルなど国家機関向けの製品に特化していることが特徴であり、そしてその中においてもスカンクワークスとは少数精鋭の「ロッキード・マーティン先進開発計画(=Lockheed Martin's Advanced Development Programs)」部門を指しています。※SR-71ブラックバード(1966年)、F-117ナイトホーク(1983年)、F-35ライトニングII(2006年)などを開発したことで知られる

McLaren-Lockheed-Martin (2)

マクラーレンによると「スカンクワークスの使用している先駆的なソフトウェアは、従来の設計手法よりも正確かつ迅速に高速システムのパラメータを設定する」と語っており、これだけだと一体何のことかわからないものの、スカンクワークスの設計手法が「自動車設計の世界でどのように活用でき、商業的なメリットを及ぼすか」をテストすることになるのだそう。

これが成功すれば、マクラーレンは将来的に「戦闘機のような」エアロダイナミクスを備えるスーパーカーを作ることができるようになるのかもしれませんし、ロッキード・マーティンからすると、そういった設計用ソフトを民間向けに販売したり、研究開発を受託することができるようになるのかもしれません。

McLaren-Lockheed-Martin (3)

マクラーレンのスーパーカーは将来的に「戦闘機のような」外観に?

ちなみにブラックのマクラーレン・アルトゥーラと一緒に写っているのは、スカンクワークスによる極超音速航空機「ダークスター」で、これは映画「トップガン マーヴェリック」に登場したことで一躍有名に。

マクラーレンの新しいモデルが「戦闘機のような」外観になるのかどうかは不明ではあるものの、他社との差別化、そしてマーケティング上のメリットを考えると、いっそこの方向に特化するのもアリなんじゃないかと考えたりします。

そうなるとマクラーレン本来の”モータースポーツ”というDNAとはまったく離れてしまうものの、モータースポーツ自体も今後どうなるかわからず、かつマクラーレンは(現在)F1にてずば抜けた成績をあげているわけでもなく、ほかのモータースポーツ競技においても特段の強みを発揮しているわけではないので、それに固執するよりは、ここでいったん方向転換を図ったほうが長期的に見てプラスになる可能性もあるのかもしれません(とくに、スポーツカー最大の市場である北米では、こういったミリタリーに関連した製品は受け入れられやすい可能性があり、スーパーカーやハイパーカーと”戦闘機”の相性もいい。そしてモータースポーツに興味のないスーパーカーオーナーも増えている)。

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マクラーレン・オートモーティブの最高技術責任者であるダレン・ゴダード氏は「私たちは、この提携がより長く、より深い協力関係の始まりとなり、長期的に私たちの顧客のためになることを願っています」と述べていますが、ぼくとしてもこの提携がうまくゆくこと、そしてマクラーレンの新しい活路を開くことを願うばかりです。

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