1925年の「ファントムⅠ」から数えておよそ92年の歴史を持つロールスロイス・ファントムがついに最新世代へとフルモデルチェンジ。
現行ファントムは2003年の登場なので、じつに14年の歳月を経ての新型登場(これで8世代目)、ということになりますね。
外観はまさに「キープコンセプト」ですが、ヘッドライト内部など細部が改められ、そこへ用いられる技術ももちろん最新のものに。
プラットフォームは完全新設計でオールアルミ製となり、ロールスロイスいわく「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」。
これは今後発表されてゆくロールスロイス(カリナンにも)採用されてゆくとされ、「魔法のじゅうたん」と言われてきた乗り心地にさらに磨きをかけることになります。
横から見るとほぼ先代を踏襲したデザインであることがわかりますが、フロントの押し出しがやや強くなったようにも。
空気抵抗何するものぞ、というロールスロイスの考え方が感じられる部分ですね(他のメーカーとはまったく違う)。
エンジンは6.75リッターV12を継続使用しますが、もちろんその内容は大きくアップデートされておりツインターボによって563馬力を発生。
0-100キロ加速は5.3秒とされていますが、このタイムは997世代のポルシェ911タルガ4、現行のポルシェ・マカンSと同等、もしくは速い数字であり、ファントムの巨体を考えると「異常な速さ」であることもわかります。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアが5リンク式。
カメラによって前方の道路状況を把握し、その車高やサスペンション(エアサス)の硬さを調整する機能を持っており、これはメルセデス・ベンツ、アウディも採用してきている最新技術ですね。
加えてこれも最近流行となる「4輪操舵」を備え、巨体を操りやすいように配慮。
ロールスロイスによると「完全に外界と切り離された世界」を実現するのがゴールだと言い、それは騒音や振動はもちろんのこと、段差やうねりなど路面に起因する、もしくはコーナリング中の車体の挙動といったことにも及びます(使用される遮音材は全部で130キロ)。
なお、ドアの開閉は「自動」。
室内外両方からの操作が可能で、ドアハンドルにタッチするだけでドアの開閉ができるようですね(ドーンにはボタン式の自動開閉機構が装備)。
内装においては最高級のレザーやウッドが使用されるのはもちろんですが、ゴールドや貝といった素材を使用したカスタムが出来るのも一つの特徴。
基本的には「オーダーメイド」となるかと思われ、オーナーの要望にあわせて「基本的にどんな仕様でも」対応できるようですね。
速さやドライバビリティを追求する他メーカーとは全く異なる次元で車を捉えているのがロールスロイスで、しかし最高レベルの性能や安全性を備えるのは疑う余地のないところ。
加えてその高級さは比類なく、フロントグリルのデザインモチーフが「パルテノン神殿」というところからしてすでに別格。
ロールスロイス・ファントムのオーナーさんは「路上に出たら、回りにいるどんな車にも勝る」車に乗っているという優越感を得られることになり、この上ない満足感を提供してくれる車、と言えそうですね。
ロールスロイス「HVは妥協。自動運転については、我々の顧客はすでに”運転手”を持つことで実現している」
ロールスロイスオーナーの平均年齢は45歳。なおBMWは50歳、ベンツは51歳、ベントレーは56歳
ロールスロイス「自動車業界に敵はない。たとえベントレーであってもだ」。なお毎年サプライズを用意とのこと