>ロールスロイス(Rolls-Royce)

ロールス・ロイスが「世界でもっとも高級なSUV」、カリナンをシリーズIIにアップデート。そのスタイリングは「照明を仕込んだ高層ビル」をイメージ【動画】

ロールス・ロイスが「世界でもっとも高級なSUV」、カリナンをシリーズIIにアップデート。そのスタイリングは「照明を仕込んだ高層ビル」をイメージ【動画】

Image:Rolls-Royce

| おそらくロールス・ロイスは中国の富裕層にターゲットを絞った改良を行ったものと思われる |

「未来」「威厳」が感じられる新しい外観はなかなかに魅力的である

さて、世界で最も豪華なSUV、ロールス・ロイス・カリナンがシリーズIIへとアップデート(カリナンという名は世界最大のダイヤモンドに与えられた名称である)。

今回のアップデートでは大きく外装が変更されていますが、これはロールス・ロイスのデザイナーが交代したことに起因しているものと思われます(もともとカリナンをデザインしたジャイルズ・テイラー氏は中国・紅旗へと移り、その後にはブガッティ・ヴェイロンをデザインしたジョゼフ・カバン氏を獲得しているが、同氏も辞任しているため、現在は別のデザイナーが起用されているものと考えられる)。

rolls-royce-cullinan (3)
Rolls-Royce

ロールスロイスがブガッティ・ヴェイロンのデザイナーを獲得。今後は新任デザイナーの風貌のようにラフでワイルドなイメージにシフトか

これまで、ロールスロイスはこういった風貌の人物を前に出したことはない ロールスロイスが「新しいデザイン部門のボス」としてジョゼフ・カバーニュ(ヨゼフ・カバン / Jozef Kabaň)が就任した、と ...

続きを見る

ロールス・ロイスはデザイン上のリスクも辞さない

なお、現在ロールス・ロイスはBMWグループに属しており、そのBMWは過激なデザインを行うことで知られていて、意図的に物議を醸すデザインを提供することで「話題にならなければ負け」とまで言い切っていますが、どうやらその思想はロールス・ロイスにまで波及しているようで、一見した印象では「これまでの伝統を大きく打ち破る」デザインを採用しているようにも思えます。

rolls-royce-cullinan (4)
Rolls-Royce

BMWの巨大グリルは話題作りのための炎上商法だった!「発売されて、議論の対象にならないようであれば我々の負けです。議論によって新しい顧客を呼び込めるのです」
BMWの巨大グリルは話題作りのための炎上商法だった!「発売されて、論争の対象にならないようであれば我々の負けです。議論によって新しい顧客を呼び込めるのです」

| たしかにBMWのいうことは一理ある。知ってもらわなければなにもはじまらない | 炎上だろうがなんだろうが、知ってもらえれば残る人はちゃんと残る さて、BMWは「Mブランド2番めとなる専売モデル」と ...

続きを見る

ただ、ロールス・ロイスはその「伝統と格式」という(ぼくらが抱く)イメージをよそに、ロールス・ロイス自身が「伝統を破壊することで前に進んできた」と述べている通り、常識やそれまでの歩みにとらわれないチャレンジを多々行っており、それこそがロールス・ロイス流なのかもしれません。

rolls-royce-cullinan (2)
Rolls-Royce

新しいカリナン・シリーズIIのデザインを見てみると、ヘッドライトが改良されLED デイタイム ランニング ライトが拡張されていることがわかり、引き伸ばされたDRLはバンパーの下方へと向かいます。

さらに、フロントバンパーはより「平べったい面」にて構成されるようになり、コンパクトになったヘッドライト本体と相まって独特の印象を与えるようですね。

なお、このフロントは(ロールス・ロイスによれば)「大都市の、イルミネーションによって飾られた高層ビル」をイメージしており、実際にグリル内にはイルミネーションも仕込まれているため、もはやクルマを超越した存在にまで昇華したといってもいいのかも(もともと、ロールス・ロイスはそのパーソナリゼーション含め、建築物からインスピレーションを得ることが多い)。

P90549008_highRes_rolls-royce-cullinan
Rolls-Royce

ロールス・ロイス・カリナン・シリーズIIでは「ブラックバッジ」が最初から登場

そして興味深いのは、ハイパワー(600馬力)そしてダークなエクステリアディティールを持つ「ブラックバッジ」が当初からラインナップされていることで(これまではシリーズ中盤にて投入されていた)、これまでどおりスピリット オブ エクスタシー含むブライトワークを「ダーク仕上げ」へと変更できるほか、驚くべきことにグリルを「完全にブラック」へと変更することも可能です。

P90549051_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

なお、ロールス・ロイスを最初に「真っ黒」にしたのはジョン・レノンだそうで、しかしその際にロールス・ロイスは「ほかはすべてブラックにペイントするが、フロントグリルだけはブラックへと変更することを許可できない」と伝えたとされ、こういった経緯があるだけに今回の「グリルもブラック」はかなり意外。

P90549056_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

「ブラックバッジ」を選ぶと、スピリット オブ エクスタシーや・・・。

P90549044_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

テールパイプ、各種トリムなどがこんな感じでブラックに。

P90549049_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

ロールスロイスは「はみ出し者、先見者、反逆者」のための車だった!ロールス自らがその歴史を語り、ブラックバッジは「破壊者だ」と語る
ロールスロイスは「はみ出し者、先見者、反逆者」のための車だった!ロールス自らがその歴史を語り、ブラックバッジは「破壊者だ」と語る

| てっきりロールスロイスは「人生アガリ」の人が乗る保守的なクルマだと思っていたが | どうりでロールスロイスの顧客の平均年齢が若いわけだ さて、ロールスロイスが「ブラックバッジ」シリーズを積極的に展 ...

続きを見る

新型ロールス・ロイス・カリナン・シリーズIIのインテリアはこうなっている

そしてこちらはカリナン・シリーズIIのインテリアですが、エクステリアに比較するとその変更の範囲は極めて小さく、しかしアナログクロックの下にスピリット オブ エクスタシーが隠されるなど、細かい変更がなされています。

rolls-royce-cullinan (5)
Rolls-Royce

なお、もともとロールス・ロイスは「100%がオーダーメイド」であり、標準仕様というものがないといえばないので、一般的なクルマのように「トリムの素材が変わった」というようなアナウンスをする必要がないのかもしれません(公開されている仕様は”一つの例”にしかすぎない)。

rolls-royce-cullinan (9)
Rolls-Royce

こちらはカリナン・シリーズII ブラックバッジのインテリアですが、この仕様に採用されるダッシュボード上のカーボンファイバートリムには少なくとも6回のラッカー塗装が施され、 23個のピースを1つずつ手作業で磨き鏡面仕上げを施すため、完成までに21日かかる、とアナウンスされています。

P90549055_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

そしてこのシートは、220万ものステッチと17kmにもおよぶ長さの糸を使用して装飾がなされた新しい”デュアリティ・ツイル レザー”。

P90549052_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

拡大するとこう。

ちなみにですが、このレザー表皮には、「0.8ミリメートルと1.2ミリメートルの穴を107,000個設けることができる(つまりパーフォレイト仕様)」のだそう。

P90549046_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

こちらはクロックの下に追加されたスピリット オブ エクスタシー。

P90549042_highRes_rolls-royce-black-ba
Rolls-Royce

標準のカリナンとブラックバッジはどちらも、”由緒ある”ツインターボ6.75リッター12気筒エンジンを搭載していますが、ロールス・ロイスは2030年までに完全に電動化するという目標を(今のところ)保持しているため、このV12エンジンもまた「かりそめの客」ということになりそうです。

新型ロールス・ロイス・カリナン「シリーズII」を紹介する動画はこちら

あわせて読みたい、ロールス・ロイス関連投稿

中国の最高級車、紅旗HS9が「快適性」においてベントレー、そして価格差8倍のロールス・ロイスに挑む。その結果はボクが想像していたのと完全に真逆となってビックリ【動画】
中国の最高級車、紅旗HS9が「快適性」においてベントレー、そして価格差8倍のロールス・ロイスに挑む。その結果はボクが想像していたのと完全に真逆となってビックリ【動画】

| 正直、動画を見てもこれが真実だとは信じることが難しい | 本当にこの乗り心地を実現しているのであれば、ぜひ一度乗ってみたいものである さて、中国でもっとも高級な自動車ブランドといえば「紅旗(Hon ...

続きを見る

ロールス・ロイスが中国市場向けとして「現地の特別注文オフィスで受注した」最初の3台を公開。中国市場の特性でもある「個性的な」カスタムが施される
ロールス・ロイスが中国市場向けとして「現地の特別注文オフィスで受注した」最初の3台を公開。中国市場の特性でもある「個性的な」カスタムが施される

Rolls-Royce | おそらくはロールス・ロイス初となる「ホワイトリボンタイヤ」へのオマージュとなる仕様も | 中国市場は(上下があるものの)ロールス・ロイスにとっては非常に重要なマーケットであ ...

続きを見る

ロールス・ロイスが最新ビスポークモデル「アルカディア・ドロップテイル」公開。徹底的にホワイトと自然にこだわりアルカディア=神話上の理想郷を実現
ロールス・ロイスが最新ビスポークモデル「アルカディア・ドロップテイル」公開。徹底的にホワイトと自然にこだわりアルカディア=神話上の理想郷を実現

Rolls-Royce | 構想から実現までには4年を要し、ロールス・ロイスはまず「顧客を知ること」からスタート | そしてオーナーの理想を実現するためにあらゆる手段を模索する さて、ロールス・ロイス ...

続きを見る

参照:Rolls-Royce

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ロールスロイス(Rolls-Royce)
-, , , , ,