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VWが11月に重要会議を開催し、そこで「ブガッティ、ランボルギーニ、ドゥカティ」の未来を検討との報道。将来性がなければ売却の可能性も

2020/10/01

| ただ、それらを売るとフォルクスワーゲングループ全体の価値は一気に下がってしまう |

さて、ロイター通信によれば、「フォルクスワーゲングループの重役からの情報」だとして、11月に開催される会議にて、同グループが所有するランボルギーニ、ブガッティ、ドゥカティについて、そのあり方を見直すことになる、とのこと。

ここでフォルクスワーゲングループは「グループ全体の価値を、現在の2倍である25兆円に引き上げる」ための計画について議論するとされ、そこで出てくるのが「ランボルギーニ、ブガッティ、ドゥカティの活用方法」であり、これらブランドがその計画に貢献するのか、足を引っ張るのかを問うということになりそうです。※以前は「2.5倍計画」と報じられている

フォルクスワーゲンはこれら3ブランドを売却する?

フォルクスワーゲンは、1998年にブガッティの商標権を取得し、1999年にランボルギーニを傘下に収めていますが、これらは当時フォルクスワーゲングループの会長職にあった故フェルディナント・ピエヒ氏の意向であったとされています。

同氏は「ハイパワーなクルマ」を好む傾向にあり、そのためにこれらのブランド獲得に動いたのだと思われ、しかし絶対的な権力を誇った同氏亡き今、残ったフォルクスワーゲングループの役員たちが「どうするよ・・・」とそれらブランドの扱いに戸惑っているというのが現状なのかもしれませんね。

なお、つい先日、ブガッティがリマックに売却されるという話が出ていますが、これも今回の話とは大きく関係がありそうです。

フォルクワーゲングループはけしてこれらブランドを「売りたい」わけではない?

そして重要なのが、11月のミーティングにおいて、これら3ブランドを売るかどうかを話し合うのではなく、「VWグループの価値を高める」ことについて協議する、ということ。

つまり、ランボルギーニ、ブガッティ、ドゥカティが「フォルクスワーゲンブランドの価値向上に寄与するのであれば」これらに逆に大規模投資を行ってさらに成長させるという可能性も考慮される、とも報じられています。

ランボルギーニは2019年に8,205台、ブガッティは82台、ドゥカティは52,000台を販売していますが、数字上、そして利益上のインパクトはフォルクスワーゲングルプにとって大きくなく、しかしそのブランド価値は非常に高く、これらを活用して何かができないかということが焦点になりそうですね。

フォルクスワーゲングループは「エレクトリック」一色

なお、フォルクスワーゲングループのメインである「VW、アウディ、ポルシェ」は見ての通りエレクトリック化一直線。

反面ランボルギーニ、ブガッティは大排気量ガソリンエンジンをそのコアとしており、グループの方針とは真っ向から反します。

ただ、これらブランドをグループの方向性にマッチさせることができれば大きな飛躍を望むことができ、かつこれから「自動車の販売台数がどんどん減ってゆく」中で、高単価高利益を実現できるランボルギーニそしてブガッティは非常に利用価値が大きい、とも考えられます(数を売ることで利益を稼ぐというフォルクスワーゲンのビジネスモデルが、これからは通用しなくなる)。

そして、異なる考え方を融合させる「界面活性剤」がリマックだとも考えられ、であればフォルクスワーゲンがリマックを買収すれば万事Okなんじゃないかと思ったり。

参考までに、ランボルギーニとドゥカティはこれまでにも何度か売却の話題が出ていて、ランボルギーニについて、フォルクスワーゲンは「売り物ではない」とこのウワサを一蹴し、ドゥカティについては実際に売却相手を探すも、VWの利益が(ディーゼル不正事件のインパクトから)改善したために「売る必要がなくなった」として売却を撤回。

それぞれのブランドにはそれぞれの役割を

フォルクスワーゲングループCEO、ハーバート・ディエス氏は今回の件についてなんらかの明言を避けているものの、「今、我々の業界は構造的な変革が要求されている。それはエレクトリック化であり、コネクティビティであり、デジタル化でもある。そして、その変化に対応すべく、すべてのブランドには新たなる役割を与えることになり、そのため常に可能性を模索している」。

つまり、これからの自動車は「これまでの自動車」とは全く異なる要件が求められているということになり、そこでどうランボルギーニ、ブガッティ、ドゥカティが立ち回れるか、ということなのだと思われます。

なお、これからの自動車は、これからの自動車とは別モノになるということは、それまで築いてきた技術的アドバンテージが消失するということになり、しかしそこで重要となるのは「ブランドバリュー」。

自動車の多くが「シェア」される公共の乗り物となり、個人で自動車を購入する人が少数になって、かつ(個人向けのクルマが)高価な嗜好品となってしまえば、そこで価値を発揮するのもまたブランドバリュー。

となるとランボルギーニやブガッティの優位性が「むしろ生きてくる」可能性もあり、フォルクスワーゲングループに対しては、これらブランドを手元においておくことを望みたいと思います。

参照:Reuters

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