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ブガッティはボディパネルやパーツの精度の測定に0.005ミリ単位で計測できる3Dスキャナを使用している!「問題があれば究明し、同じミスは犯しません」

ブガッティはボディパネルやパーツの精度の測定に0.005ミリ単位で計測できる3Dスキャナを使用している!「問題があれば究明し、同じミスは犯しません」

| 時速400キロオーバーの世界では、ミリ単位の狂いが危険な状況を生むことがある |

どうりでブガッティのクルマは完成までに長い時間を要するわけだ

さて、ブガッティが「いかに自社が製造する車両の精度にこだわっているか」というコンテンツを公開。

ブガッティの送り出す車両はおおよそ7ヶ月、長ければ数年という時間をかけて製造されますが、ブガッティの計測技師を務めるグレゴワール・アラーマイヤー氏によれば「すべての部品は、技術的、光学的に完璧でなければなりません。そして何よりも、ブガッティの外観は完璧な調和を保っていなければならないのです。外装も内装も、美観、快適性、品質が完璧なバランスで保たれていなければなりません」。

わずか1ミリの誤差でもその性能に重大な問題をもたらすことも

グレゴワール・アラーマイヤー氏の仕事は、すべてのコンポーネントの計測と分析を行い、ブガッティのクルマにとって最適な配置を行い、完璧にフィットするようにすること。

また、ブガッティが要求する技術的・審美的な公差を正確に満たしていないコンポーネントを調査することもあるのだそう。

同氏によれば、「例えば、2つの部品の隙間が1ミリでも許容範囲から外れていたら、その原因を突き止めなければならないのです。ブガッティのハイパースポーツカーが高速で走ると、この隙間から望ましくない不確定要素が発生する可能性があるのです」とのこと。

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計測学は物理学の一分野であり、特に計測の科学的研究、寸法の正確な測定、完全な測定を行うために必要なさまざまな測定器や方法に関するものだとされ、グレゴワール・アラーマイヤー氏は従来の手作業による工具に加え、最大0.005ミリメートルの精度を持つ高精度な最新鋭の3Dスキャナーを使用して計測を行っているそうですが、さらには航空宇宙産業から導入した最新かつ非常に複雑なソフトウェアを使って部品の品質、等級、公差、寸法を分析するための精密なデータを作成している、と紹介されています。

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ブガッティは同じ問題を二度と発生させない

その計測の段階において、極端に小さいものからドアパネルのような大きなものまで、部品の構造や配置が厳密に定められた寸法から外れると、グレゴワール・アラーマイヤー氏はその根本原因を徹底的に分析し始めることになりますが、まずクルマ全体とその組み立て方を分析し、どこに狂いが生じているかを特定することに。

アトリエ(工房)チームと常に連絡を取り合っているため、ブガッティの常識からほんのわずかでも外れていればすぐに対応することができると説明していますが、この段階ではアトリエのエンジニアや職人たちと密接に連携し、緻密な分析手法で個々のケースに対応し、最終的な結論を導き出し、その分析が終わると、今度はブガッティのエンジニアとその結果を話し合い、社内のスペシャリストや外部のサプライヤーと協力し、特定の部品の交換や適合を含む解決策を見つけるそうですが、その後に不具合が解消され、二度と発生していないことを確認するまでがグレゴワール・アラーマイヤー氏の仕事となるようですね。

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さらにグレゴワール・アラーマイヤー氏は「しかし、部品や公差の測定は、私の仕事の一部でしかありません。もうひとつの仕事は、品質基準を保証し、継続的に改善するためのデータ分析であり、私たちがつくるハイパースポーツカーの絶対的な高級感を保証することです」と続け、「このように複雑なレベルの寸法解析を行うには、まず幾何学と数学の基本的な知識が必要です。さらに、生産手順や組み立て工程、高級車における職人技、素材感などに関する深い理解も必要です」と続けます。

このような精密測定における専門知識を持つ人材は自動車業界では非常に珍しいとされ、グレゴワール・アラーマイヤー氏の能力は「シロン」のような連続生産モデル、「チェントディエチ」 のようなコーチビルドプロジェクト、「ラ ヴォワチュール ノワール」 のようなワンオフモデルなど、それぞれのブガッティ製ハイパーカーの製造に役立っているといいますが、ブガッティにおけるグレゴワール・アラーマイヤー氏の役割は、モルツハイム(ブガッティの本拠地)のチーム全体が車両の開発と生産に適用している、完璧さの継続的な追求の一端を担うもの。

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エンジニアリング、デザイン、そしてクラフツマンシップへの究極のこだわりによって、ブガッティは常に自動車史における比類なき存在であり続け、精度の頂点に君臨し続けることになりますが、ブガッティのハイパーカーは、類まれなる専門知識、そしてテクノロジー、たゆまぬ探究心によって形作られていると考えてよく、そして小規模生産自動車メーカーならではのメリットを生かしたチームワークによってその性能や機能が担保されているようですね。

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参照:Bugatti

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