| シロン・プロフィレはその希少性からとんでもなく価格が上昇するとは思ったが、まさかここまで上がるとは |
「競売」であれば通常の新車購入のように審査もなかったのだと思われ、これも価格上昇の一要因か
さて、ブガッティ・シロン・プロフィレ(Chiron Profilée)がRMサザビーズ主催のオークションにおいて9,792,500ユーロ(現在の為替レートにて約13億8700万円)で落札され、オークションにおいて落札された”新車”では最高額を記録したと報じられています(クラシックカーでは、もっと高価な落札の例がいくつかある)。
なお、このシロン・プロフィレ(プロフィール)はたった1台のみが生産されたクルマであり、しかしコンセプトカーのたぐいではなく、実際に世界中の公道を走行できるだけの法的要件を満たした、ロードリーガルなハイパーカーだと紹介されています。
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ブガッティ・シロン・プロフィレとはどういったハイパーカーなのか
そこでブガッティ・シロン・プロフィレについてもう一度触れておくと、「市販化を前提に開発されつつも、市販されなかった」という悲運のクルマ。
ブガッティは究極のハンドリングをもつハイパーカーとして「シロン・ピュールスポール(ピュアスポーツ)」を発売していますが、これは見てのとおり、全幅1,800ミリもの巨大なリアウイングを持つイカついスタイリングを持っています。
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さらにはその外観に見合った、もしくはそれ以上のパフォーマンスを誇ることがこのクルマの魅力なのですが、ブガッティの顧客の一部からは「もっと大人しい外観にできないものか・・・」「派手すぎて乗りにくい」といった声があがり、そこで開発が開始されたのがこのシロン・プロフィレ。
ただ、開発中に出てきた問題が「シロン・プロフィレの生産枠がなくなってしまった」という事実であり、どういうことかというと、もともとシロンは500台のみの限定生産と定められていて、これまでには「シロンスポーツ」「シロン・スーパースポーツ」「シロン・スーパースポーツ300+」「シロン・ピュールスポール」、そしてそのほかにもテーマを持たせた特別仕様車を発表しているものの、これらは(シロンと名がつくものであれば)この500台の中に含まれており、そしてシロン・プロフィレの開発を進めてゆくうち、ベースモデルのシロンの販売台数もどんどん伸び、そしてついには(シロン・プロフィレの開発完了前に)500台すべてを受注してしまったため、どこにもシロン・プロフィレのための生産枠がなくなってしまったわけですね。
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こういった経緯もあり、シロン・プロフィレは発売を目標に開発を進めつつ、しかし完成したときにはその生産枠が埋まってしまって確保できなかったということになりますが、ブガッティとしては、シロン・プロフィレを「このまま埋もれさせてしまうにはあまりに惜しい」と考え、(おそらくは501台目のシロンとして)今回オークションに出品することになった、とアナウンスされています。
シロン・プロフィレは専用のエアロパッケージ、そして専用のボディカラー「アルジャン・アトランティック」を有しており、搭載されるのは8リッターW16エンジン(1,500PS)、そしてギアレシオはシロンに比較して15%も短縮され、これによってシロン・プロフィレは0-100km/h加速2.3秒、200km/h加速5.5秒を誇るうえ、最高速度はなんと380km/h。
シャシーチューニングでは、前後車軸のホイールのキャンバー角を変更してフロントヘビーなバランスへとシフトし、さらに硬めのスプリングを採用しているそうですが、このスプリングはシロンスポーツに比べて10%硬く、リアアクスルのネガティブキャンバーを50%増やし、快適性を損なうことなく、カーブでのグリップを向上させている、とアナウンスされています。
こういった経緯を持つシロン・プロフィレですが、その生い立ち、そして何もかもが特別な仕様、さらに存在するのは1台のみという希少さもあって今回の高額落札に結びついたのだと思われ、このシロン・プロフィレがまた売りに出されるようなことがあれば、そのときはまた記録を上書きすることになるのは間違いなさそう。※現在、加速や最高速でブガッティを超えるクルマがいくつか存在するが、それらであってもブガッティの”価値”を超えることはできず、そこがブガッティのブガッティたるゆえんなのだと思われる
シロン・プロフィレは出品直前にパリ市内でも目撃される
なお、今回のオークション出品に際し、このシロン・プロフィレはパリ市内にて撮影が行われ、その様子がユーチューバーらによって収められており、かつ一部ユーチューバーには独占でのレビューの機会が与えられたようですね。
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