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アウディが中国EVメーカーから技術とプラットフォームを購入する可能性が報じられる。自社での開発遅れが原因だと言われるが、まさか「立場の逆転」が起きるとは

2023/07/22

アウディ

| わずか1年前であったとしても、まさかEV先行メーカーであるアウディが中国メーカーから車体の提供を受けるとは考えられなかった |

しかし、これが「紛れもない現実」であるのかも

アウディがEVの開発ペースを向上させるため、中国の自動車メーカーへと協力を仰ぎ、技術のみではなくEV用プラットフォームを購入する可能性すらある、との報道。

これはアウディの地元ドイツから発せられたもので、すでにアウディの親会社であるフォルクスワーゲングループの幹部によってEVプラットフォーム購入計画が承認されているといい、この後アウディの取締役会にてこの提案を審議され、そこで許可を得ることになる、と報じられています。

参考までに、フォルクスワーゲングループ全体にてEVの開発が遅れているのは周知の事実であり、前フォルクスワーゲンCEOであるヘルベルト・ディース氏はソフトウエアの開発遅れを主要因として解任されたうえ、前アウディCEO、マルクス・デュースマン氏はEVプラットフォームの開発遅れの責任を負う形で解任されることとなっています。※アウディCEOは2023年9月からゲルノート・ドールナー氏へと交代している

フォルクスワーゲン
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ただしアウディはこの報道を否定

ただしアウディはこの「アウディが中国メーカーから車体の供給を受ける可能性」についての報道を完全に否定しており、しかしいくつかの情報筋が報じているのが「すでにアウディは中国を拠点とする複数の企業と交渉中である」。

現時点ではどの企業と交渉中なのかは明かされておらず、しかし候補としてはGAC、吉利汽車、BYD、上海汽車などが挙げられており、この中でもっとも注目すべきはウォーレン・バフェットが支援するBYD。

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BYDはすでに米国市場への参入を計画しており、テスラ・モデル3に対抗するために設計された同社のEV「Han」は、アウディのEVとして魅力的な要素を備えているとも言われます。

そのほかの有力な候補は吉利汽車だとされ、同社はロータスとボルボを所有し、サステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー(SEA)プラットフォームを持っていますが、これをオープンソースプラットフォームとして提供し、サードパーティが利用できるようにすることにもアナウンス済み。

アウディは開発中のプラットフォームをどう扱う?

なお、この報道でちょっと引っかかるのはアウディの開発している既存プラットフォーム。

フォルクスワーゲン・グループは、2026年に登場予定のスケーラブル・システム・プラットフォーム(SSP)を持ち、アウディは2024年にプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)をベースにした2車種(Q6 e-tronとA6 e-tron)を中国で販売する予定だとされています。

もちろん「時は金なり」であることも間違いなく、少しでも早くEVを発売したほうが何かと有利ではあるのですが、発売期間を「ほんの数年」短縮するためにこれらのプラットフォームを捨てるとは思えず、SSPとPPEを予定通り発売するにしても、追加のコストを支払って予定外のEVを発売するという可能性は低いのでは、とも考えられます。

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これらを総合するに、アウディがが本当に中国製プラットフォームの導入を計画しているのであれば、それは現在のラインナップのギャップに対応するための地域限定モデルである可能性が高く、それはプレミアムクラスではなく、価格戦略が重要となるコンパクトクラスなのかもしれません。

現在、中国のEVメーカーは相当に幅広い車種そして価格帯のEVを発売しており、アウディが得意とするプレミアムクラスも「競争過多」。

実際のところ、中国市場においてメルセデス・ベンツはEQEとEQSの値下げを行っており、いかにブランドバリューが高くとも「安泰ではない」という状況も明らかに。

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よって、アウディとしては全体の販売台数を確保するために「予定外にて、中国市場限定の」比較的安価なEVを(中国EVメーカーからの供給にて)発売するのでは、と考えているわけですね。

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参照:Automobilwoche

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