| ロータスには他よりも遅くサプライチェーン問題が襲いかかり、エミーラの生産ができなくなる |
さらにタイミングの悪いことに、既存モデルを生産終了としたのちにこの問題が発生
さて、ロータスは2021年にエリーゼ、エキシージ、エヴォーラの生産を終了し、「現行モデル」として2022年にロータスが生産したのはエミーラのみ(エレトレは2023年の生産開始)。
そして今回驚くべき報道がなされていて、2022年にロータスが生産できたのはなんとわずか576台のみで、これは2021年の1,566台に比較して1/3程度の水準にまで落ち込んだということを意味しており、2022年には1億4510万ポンドの損失を出すこととなったもよう(2021年は8660万ポンドの赤字)。
-
さよならロータス・エリーゼ、エキシージ、エヴォーラ!それぞれ最後の一台が工場から送り出され、26年間で5万1000台の生産を終える
| それぞれ3台はロータスのヒストリックコレクションへと収蔵され、売りに出されることはない | 今後、同工場はエミーラ生産のために設備を整え再稼働することに さて、ロータスがエリーゼ、エキシージ、エヴ ...
続きを見る
一体どうしてこんなことになったのか
日本市場に関して言えば、2021年には通年で305台を納車しており、しかし2022年にはエリーゼ、エキシージ、エヴォーラが新規生産されなかったため、すでに生産された車両を納車するにとどまったために179台へと大幅減。
そして2023年だと6月末までに納車されたのはわずか12台しか納車されていないという状況です。
-
6月の輸入車登録台数が公開。VWの販売が下がり続け、このままではミニに抜かれそうに。そのほか「アメ車が弱い」「EVへと転換しているブランドが苦戦」といった傾向も
| 輸入車の場合、高価格になればなるほど「安定」した動きを見せるようだ | そしてやはり、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの強さは圧倒的 さて、日本自動車輸入組合による、2023年6月の輸入車登録 ...
続きを見る
報道によると、これは「2022年にロータスを襲ったサプライチェーンの問題により、車両の生産ができなかったため」だと報じられており、よってロータスは現在200人もの人員削減を検討している最中だとも報じられ、組織構造を大幅にスリム化することを考えているのだそう。
そしてこの最大200人の人員削減はヘセルとウォリックシャーの拠点に関わるもので、人員削減の対象は主に技術職と管理職だとされ、生産に関わる人員については「対象外」。
もちろんこの決定はロータスの英国事業に影響を与えることになり、今後の開発スケジュールにもなんらかの影響が出てくるものと思われます。
なお、この件に関係しているのかどうかは不明ではありますが、ロータスはアルピーヌと締結していた「共同にてピュアエレクトリックスポーツカーを開発する」という計画を白紙撤回しており、すでに計画に狂いが生じ始めているのかもしれませんね。
-
アルピーヌとロータスとが「提携破棄」との報道!友好的に決断がなされたようだが、親会社同士の関係性が気になるところ
| アルピーヌとロータスは同じく「パフォーマンス志向のピュアエレクトリック総合ブランド」となるべく、同じ志を持っていたが | もしかするとロータス側にはあまりメリットが無かったのかも さて、ロータスと ...
続きを見る
ロータスの苦難はすぐに終わりそうにない
そしてロータスは4年越しでようやくピュアエレクトリックハイパーカー「エヴァイヤ」の納車をこの夏から始めるとしていますが、こちらも生産開始が2年ほど遅れており、ここ1−2年のロータスは(予想外に)苦しい時期を過ごすことになったものと思われます。
-
中国だとロータスは商標の関係で「ロータス」を名乗れず「ロータスニョ(LOTUS NYO)」を名乗っていた。なお電動ハイパーカー、エヴァイヤの納車はこの夏に開始
| そしてなんと「完売」とされたはずのエヴァイヤはまだ完売していなかった | ピュアエレクトリックカーはほんの数年という短い期間にて、その性能が陳腐化してしまう さて、ロータス初のピュアエレクトリック ...
続きを見る
ただ、現在の(日本市場での)納車状況を見る限り、エミーラの生産が順調に進んでいると捉えることは難しく、よって(最低でも)ここ数ヶ月はこの状況が続くものと考えられ、この暗く長いトンネルを抜け出すにはもう少し時間がかかるのかもしれません。
なお、ここでちょっと気になるのは日本のロータスのディーラーで、つまりは「売るものがない」状態で1年近く(もしくはそれ以上)を過ごしており、当然ながら経営はかなり苦しいと考えていいのかも。
そしてこれは「売れない」ために業績が悪化しているのではなく、「受注したぶんのクルマが入ってこないので登録できない」というもどかしい状況となっていて、当然ながらこの期間は「赤字」となるはずであり、ちょっと心配になったりするわけですね。
あわせて読みたい、ロータス関連投稿
-
ロータス・エレトレのスペック詳細、価格が発表。トップレンジのエレトレRは905馬力、2035万円。日常性と快適性も重視され「人生のあらゆるステージにロータスを」
| 思ったよりもロータス・エレトレの内容は「濃く」、そして排他性と競争力があるようだ | もしかするとエレトレは予想外のヒットになるかもしれない(ただし販売現場が追いつかない可能性も) さて、今年はじ ...
続きを見る
-
ロータスの新型セダンは900馬力を発生してポルシェを狙い撃ち。さらには3台「以上」の新型車投入も待ち受ける。なぜロータスはここまでの攻勢に転じることができたのか?
| ロータスは電動化の波に乗って「一つの神話」を形作るブランドになるかもしれない | ボクはロータスに対して非常に高い期待を寄せている さて、ロータスはすでにピュアエレクトリック・パフォーマンスブラン ...
続きを見る
-
ロータスが「第二のSUV」、タイプ134について語る。「マカンEVのライバル」「将来的には販売の半分がこのモデルに」。車名はエチュードもしくはエンヴィアか
| ロータスはこれから3つのEVを発売する計画を持っている | ひとつはこのSUV、そして4ドアクーペにスポーツカー さて、ロータスは初のエレクトリックSUV「エレトレ(未だにこの名前には慣れないな) ...
続きを見る
参照:Top Gear