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BMWが2024年第1四半期の販売状況を公開。なぜかEVが売れてしまい構成比率が12%超に、そしてセダン/クーペの販売が増加するもSUVが減るという他社とは真逆の結果に

BMW

| BMWは独自の戦略を採用しているぶん、その販売面においても「独自の」数値が現れることが多い |

今回の結果を見るに、SUVラインアップの刷新が急務であろう

さて、他社が続々2024年の北米における第1四半期の自動車販売状況を発表する中、BMWもその状況について速報値を公開しています。

まずはその概況については以下のとおり。

  • EVの販売台数が62%増加、今年の米国販売台数全体の13%を占めるようになった
  • 2024年第1四半期において、全電気自動車(BEV)のi4、i5、i7、iXを10,713台販売した
  • X5のスタートが厳しいものとなったため、SUV販売では苦戦した
  • MINIブランドは苦戦しており、どの車両も販売台数が 1年前よりも減少した

BMWは電動化を急いでいないブランドではあるが

なお、BMWはメルセデス・ベンツやアウディといったジャーマンスリーのほか2ブランドとは異なり「ラインアップの完全電動化への移行期限を定めていない」ことで知られます。

加えて、電動化モデルに注力しつつも、新規ガソリンエンジンを開発するなど、「時代がどう転んでもいいように」EVオンリーではなくマルチパワートレーン戦略を採用する会社の一つですが(トヨタも同様ですが、BEVに対しては”様子見”で、しかしBMWはBEVを積極投入しているところで事情が異なる)、それでも発売するEVが「良く売れて」おり、自ずとEVの販売比率が高くなっているという不思議な自動車メーカーです。

トヨタ
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ちなみにi5のデビューによって、米国市場で入手が可能なBMWの電気自動車は4モデルに拡大しており、この戦略的取り組みは見事に功を奏し、BMWのEV販売は前年同期比で62.3%という驚異的な伸びを記録することに。

Fabian Kirchbauer Photography

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2024年第1四半期には合計10,713台のi4、i5、i7、iXを販売し、これによってBMWの総売上における12.7%を電気自動車が占めるまでに成長していますが、このEV販売比率は既存自動車メーカーとしては「かなり高い」数字です。

BMW全体としては(ガソリン車など全てひっくるめて)2.4%増の82,466台を販売していて、これに大きく貢献したのがEVであり、もしEVラインアップの拡充がなければ「前年割れ」に陥っていたのかもしれません。

実際のところ、BMW北米にてCEOを務めるセバスチャン・マッケンセン氏は「この成功は EV、ハイブリッド、内燃機関車を含む多様なラインナップのおかげである」と評価しているので、やはり多様性が重要であったということもわかりますね。

なぜかBMWのSUVは「不調」である

ただ、そこにはちょっとだけ暗い影もあり、というのも(セダンやクーペなど)乗用車の販売が好調ではあったものの、SUV(XXシリーズ)の販売が不調であったこと(ただしBMWはX1とX2を”乗用車”に分類している)。

数値的なものだと、乗用車は8.2%増加し、しかしSUVは2.4%減少しているそうなので、SUVの人気が高い北米市場において、Xシリーズは今ひとつ存在感を発揮できていない、という事実が見えています。

L1500757

しかしながらこの傾向は2023年通年の販売を通じても見え隠れし、BMWはSUVの販売が奮わず、一方アウディはSUVの販売を大きく伸ばすという相違も示されており、BMWが今後販売を伸ばそうとするならば、SUVのテコ入れを行う必要があるのかもしれません(SUV市場はまだ拡大しているが、BMWのSUVが消費者に選ばれていない)。

なお、BMWは早い段階からSUVを拡充している自動車メーカーで(実際にX5はプレミアムSUVの元祖とも言える存在である)、そのラインアップに不足はないと思われるものの、X3が9.1%増加した以外、X4、X5、X6の販売が減少しており、相対的な魅力が薄れてきている可能性もありそうですね。

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