｜ BMWのデザインはここへ来て大きく変革を遂げ、新しい時代へと向かう ｜
シンプルでありながら強い存在感をアピールする姿は「さすがBMW」である
さて、BMWが予告していた「ビジョン ノイエ クラッセ X」を正式発表。
BMWによれば「ノイエ クラッセの美学、テクノロジー、持続可能性、哲学をスポーツ アクティビティ ビークルの分野にもたらす」クルマであり、もちろんノイエクラッセ専用プラットフォームを持ち、2025年からデブレツェン工場 (ハンガリー) で量産される予定であることについても触れられています。
ビジョン ノイエ クラッセ Xは、ビジョン ノイエ クラッセとともに、当社の将来のモデルラインナップの幅広さを示しています。 ノイエ クラッセ シリーズは、スポーティなセダンとそのすべての派生モデルから、最新のSAV ファミリーに至るまで、現在および将来顧客が望むあらゆるモデルの多様性を反映しています。このようにして、私たちはノイエ クラッセが単なるクルマや特定のコンセプトをはるかに超えたものであることを強調しているのです。 これはBMWブランドを再定義するものであり、同時にこれまで以上にBMWらしくなるでしょう。
BMW AG 取締役会会長 オリバー ツィプセ
BMW ビジョン ノイエ クラッセ Xはこんなクルマ
このビジョン ノイエ クラッセ Xは文字通り「ヴィジョン・ノイエクラッセのSUVバージョン」であり、BMWが示す”Xモデルの未来”。
BMWグループ デザイン責任者のエイドリアン ヴァン ホーイドンク氏は「Xモデルは常に強い個性を持ち続けます。モノリシックでクリーン」だと述べており、「アクティブなライフスタイル、効率的なダイナミクス、そして自信に満ちたスタンスを象徴しており、刷新された明確なデザイン言語、そして明るく広々とした内装を組み合わせている」とも。
BMWの「Xモデル」において顕著な2ボックス デザインは再解釈され、電気自動車専用アーキテクチャと組み合わせることで長いホイールベース、短いオーバーハングを実現しており、大きなウインドウエリアとパノラマガラスを通じて自然光が室内に降り注ぐようにデザインされ、これによって温かみのある（内装の）テキスタイルが引き立てられ、風通しの良い広々とした空間が作り出されることに。
LEDデイタイムランニングランプは「縦」に配置され（これはノイエクラッセシリーズ共通の特徴だと思われる）、キドニーグリルは垂直そして驚くべきことに「コンパクト」。
なお、キドニーグリルは発光機能を備え、ヘッドライトとともに「ドライバーが車両に近づくと」ウエルカムシークエンスを開始するのだそう。
テールランプ内部にも「垂直」発光エレメントが内蔵され、おもしろいのはリアハッチの凹凸がボンネットと対を成していることで、この形状はリアスポイラーとの連続性が持たされています。
ボディカラーはビジョン ノイエ クラッセ X専用の「コーラルシルバー」、そしてBMWの特徴であるホフマイスターキンクはクロームエッジではなく、見る角度に応じて透明または反射面を形成する「反射プリント」によって実現されています。※BMWは「見る角度によって色味の変わる」「意図的にカラー変更ができる」エクステリアに強い興味を持っている
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搭載されるパワートレーンはこれまでよりも効率が向上した第6世代のピュアエレクトリック「BMW eDrive テクノロジー」。
改良された e-ドライブ ユニットに加え、新しい円形のリチウムイオンバッテリー セルも搭載されており、体積エネルギー密度は以前に使用されていた角形セルよりも20%以上高くなったほか、800ボルトシステムへの移行と組み合わせることで、充電速度が最大30パーセント向上しているのだそう（わずか10分で300キロメートルの航続距離ぶんを充電できる）。
さらには現行ラインナップの同等モデルに比べて空気抵抗が20%削減され、これらのおかげで航続距離が最大30%伸長しています。
加えて電気自動車用に設計された新しいタイヤと特別なブレーキシステムにより、車両全体の効率が最大25%向上しているほか、内装材には完全植物・鉱物・石油フリーの表面材「ヴェルダナ」を開発・使用しており、これはドアパネル下部とセンターコンソールに使用されている、とのこと（海洋プラスチックも射出成形部品へと初めて利用されている）。
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BMW ビジョン ノイエ クラッセ Xはこんなインテリアを持っている
そしてビジョン ノイエ クラッセ Xのインテリアを見てみると、最大の特徴は「（フロントガラスの内側全幅にわたって重要な情報を投影する）BMW パノラミック ビジョンとHYPERSONX WHEELによるパーソナライズされたサウンド エクスペリエンスによるカスタム ユーザー エクスペリエンス」。
なお、この”HYPERSONX WHEEL”については今回詳しく紹介されておらず、しかし「乗員それぞれが、個々の音楽を楽しめる」とだけ解説がなされています。
そのほか多機能ボタンを備えた再設計されたステアリング ホイール、直感的なタッチ コントロール機能を備えたセントラル ディスプレイも特徴として掲げられていますが、全体的には非常にシンプルな構成を持ち、市販モデルにおいてどこまでこのコンセプトを貫くことができるのかには要注目です。
BMW AG 取締役会のメンバーであり、このビジョン ノイエ クラッセ Xの開発を担当したフランク・ウェバー氏によれば「このノイエクラッセでは、さらに高いレベルでの運転を可能にします。将来のBMWは、4つのまったく新しいスーパーブレインを搭載することになります。高性能コンピューターは、これまで個別に処理されていたものをスマートに連携して処理します。 初のスーパーブレインを完全に自社で開発したのです。 パワートレイン全体とドライビングダイナミクスを最大10倍のコンピューティング能力で統合します。 2番目のスーパーブレインは、自動運転における次の飛躍を可能にするでしょう。将来的には、4つの主要な制御ユニットを1台の高性能コンピューターに統合する予定です。 その結果、よりダイナミックなパフォーマンス、精度、効率が向上し、運転がさらに楽しくなります」。
インテリアはレトロな雰囲気も感じさせつつモダンな雰囲気もあり、まるで「快適な部屋」のようですが、先日公開されたランチア・イプシロンも同様のコンセプトを持っており、今後の自動車の一つの方向は「多彩なテクノロジーを搭載しつつ、しかしそれを強調しないシンプルな路線」へと向かうのかもしれませんね。
BMW ビジョン ノイエ クラッセ Xを紹介する動画はこちら
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参照：BMW