| やはりポルシェは隠し玉を持っていた。今後のサルーンはエレクトリック化によってパワー戦争に突入 |
ポルシェはブランド初のEV、「タイカン」のバリエーションとして、ワゴンボディを持つクロスツーリスモを投入する予定であったものの、それが延期になる、という報道。
これはポルシェ社CEO、オリバー・ブルーメ氏がブルームバーグに対して語ったもので、その理由として「タイカンの需要が予想したよりも高く、それに対応する必要がある」ということを挙げ、そして延期する時期としては「2021年初頭」。
なお、これにはもちろんコロナウイルスの影響もあるようで、タイカンの生産がしばらくストップしていたためにその分を取り戻す必要があるということ、そしてタイカン・クロスツーリスモの開発が遅れたことも影響しているのだと思われます。
ポルシェ・タイカンの生産キャパシティは4万台以上
ポルシェはタイカンの発売前に「年間生産予定台数は2万台」と公表していたものの、いざ予約を開始してみると欧州だけで3万件を突破し、その直後に「生産台数を年間4万台に引き上げる」ともコメント。
つまりタイカンを生産するために新設した工場の生産キャパシティは「年間4万台以上」ということになりそうですが、最大でどれくらいの台数を生産できるのかは不明です。
ただし今回、「タイカンの生産を先に行うためにタイカン・クロスツーリスモの発表を先送りにする」というコメントを出したところを見るに、現時点でのタイカンの生産可能台数は年間4万台あたりが上限なのかも。
しかしながら、ポルシェの2019年におけるグローバル販売は280,800台なので、それを考えると「1車種あたり4万台」はちょっと少なく(今後エレクトリック化を進めるのであればなおのこと)、よって人さえ雇えばもっと作ることができるのだろう、とは考えています。
参照:Bloomberg
ポルシェは「さらにパワフルなパナメーラ」を用意?
ポルシェは先日「新型パナメーラ」を発表したところですが、このトップレンジである「パナメーラ・ターボS」は620馬力を発生し、ニュルブルクリンクにおける”エグゼクティブカー”の最速ラップタイムを記録しています。
そして今回、パナメーラのプロダクトライン担当者、トーマス・フリーマス氏の弁として「新型パナメーラも3台のハイブリッドモデルをラインアップするだろう」というコメントがメディアを賑わせているわけですが、つまり今回発表された「パナメーラ4S Eハイブリッド」のほか、ベースモデルのハイブリッド版、そしてターボSのハイブリッド版が早晩発売されるということになりそうです。
さらにトーマス・フリーマス氏は「数週間か、数ヶ月」以内にそれが発表されるとも述べており、つまり年内には新型パナメーラ・ターボS Eハイブリッドが追加されるということに。
ちなみに同氏は新型パナメーラ・ハイブリッドいずれのモデルに搭載されるモーターの出力も136HPだということも認めていて、となると今回発表されたパナメーラ・ターボSの620HPにプラスして「最大でシステム合計756HP」を発生する可能性も。
ただしガソリンエンジンのピークパワー発生のタイミング、エレクトリックモーターのピークパワー発生のタイミングは必ずしも同じではなく、よってこれよりもちょっと低い数値となる可能性もありますが、逆にガソリンエンジンをさらにチューンしたとすれば、もっと高い出力も発揮できるのかもしれません。
なお、サルーンやSUVは一般に車体サイズに余裕があり、かつスポーツカーほど重量にシビアではないため、より大きなバッテリーを積んで出力を飛躍的に向上させることが可能だと思われ、そのため今後「スポーツカーを超えるパワーを持つサルーン」が大量に登場するのかもしれません。
これもエレクトリック化が進むことで起きるパラダイムシフトということになりそうですが、実際にメルセデスAMG GT 4ドア、新型メルセデス・ベンツSクラスには800馬力級のハイパフォーマンスモデルが追加される、というウワサも。
そして新型パナメーラ・ターボS Eハイブリッドもこれにパワーをもって対抗するということになりそうですが、これこそが「パナメーラ820」「ライオン」と呼ばれていたモデルの正体なのかもしれませんね。
参照:whichcar AU