Image:Mercedes-Benz
| クロームパーツやハンズフリーテールゲートなど「コンフォート、ラグジュアリー系」装備も |
一方、後輪駆動化、そして軽量なエンジンによって軽快な走りを楽しめそうだ
さて、メルセデス・ベンツが「4気筒エンジン搭載の」AMG GT、”GT43”を発表。
メルセデス・ベンツはすでに4リッターV8エンジンを搭載する「メルセデスAMG GT63クーペ」「メルセデスAMG GT55クーペ」を発表していますが、その半分のシリンダー、そして排気量も半分の2リッターというのがちょっとした驚きです(なかなか慣れない)。
なお、駆動方式はV8モデルが採用する4MATIC(全輪駆動)から、この4気筒モデルでは後輪駆動へと変更されています。
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搭載されるのは4気筒エンジン史上最高の出力を発生するというAMG製2リッターターボ(421馬力 / 500Nm)、そしてこのエンジンの大きな特徴はF1由来のテクノロジー、電動排気ガスターボチャージャーを持つこと。
これによってあらゆる速度範囲全体にわたるシャープでリニアなレスポンスが約束され、 さらにダイナミックなドライビングエクスペリエンスと同時に効率性をも獲得することに。
ターボチャージャーは48ボルトのオンボードエレクトリックシステムを介して動作し、ベルト駆動のスタータージェネレーターにも電力を供給しますが、これによって一時的に10kW (14馬力) の追加ブーストを獲得可能。
このスタータージェネレーターシステムは第2世代に進化しており、一時的なパフォーマンスの向上を実現するマイルドハイブリッドとしても機能するほか、コースティングや回生などの機能も有効になるそうですが、メルセデス・ベンツいわく「始動停止機能とコースティング機能の間の移行がほとんど知覚できないため快適性も向上している」。
メルセデスAMGにてCEOを務めるミハエル・シーベ氏によると、AMG GT43は以下の性質を持っており、GT55、GT63とは異なるキャラクターがその特徴である、とのこと。
当社のAMG GTファミリーはAMGポートフォリオの最上位に位置し、当社ブランドの精神であるドライビングパフォーマンスを体現しています。 したがって、このファミリーにGT43が加わることを嬉しく思います。GT43は明らかにGTと認識できますが、他のGTモデルとは明らかに異なります。 デザインを好み、エレガンスを重視するが、運転の楽しさとドライビングダイナミクスには妥協したくないという顧客にアピールします。 後輪駆動コンセプトにより、GT43は非常に機敏な車両となり、曲がりくねった道で笑顔を浮かべることができます。
パフォーマンス面について触れておくと、0−100 km/hは4.6秒、最高速度は280km/hです。
GT55では3.8秒、GT63では3.1秒をマークするので、その性能面では大きな隔たりがあるということになりますが、価格面においても(本国だと)ポルシェ911カレラよりもちょっと上の値付がなされるなど「お求めやすい」車両となっているようですね。
このエンジンに組み合わせられるのはAMG SPEEDSHIFT MCT (MCT = マルチクラッチ トランスミッション) 9G トランスミッションで、これはトルクコンバータの代わりに湿式始動クラッチが使用され、そのため重量が軽減されるほか、質量慣性が低いため、特にスプリント加速時や荷重変化時のアクセルペダルの操作に対する応答が最適化されることに。
このほかパフォーマンスに関する機能だと、空力を改善するためのアクティブ エア コントロール システム「エアパネル」が挙げられ、これは電子制御によってスラットが開閉することで冷却性能と高いエアロダイナミクス性能とを両立させるもの(いわゆるアクティブシャッター)。
さらにリアにはアクティブスポイラーが内蔵され、これは車両のシルエットにシームレスに統合されつつも走行状況に応じてポジションが変化し、運転速度、前後方向および横方向の加速度、ステアリング操作等のパラメーターによって最適な角度が算出され、5段階の角度に設定されることで走行安定性と空気抵抗を最適化します。
足回りだと特に高性能アルミニウム製ショックアブソーバーと軽量コイルスプリング(1本あたり200グラム軽い)を備えた”AMGスチールスプリングサスペンション”に触れておく必要があり、前後車軸のサスペンションアーム、ステアリングナックル、ホイールキャリアをすべて鍛造アルミニウム製とすることで「わずかな弾性の動きでも」正確かつ迅速な反応を示すのだそう(サスアームは5リンク構造)。
ブレーキシステムには「AMGコンポジット」が採用され、フロントには6ポッドキャリパーに390x36mmサイズのクロスドリルベンチレーテッドディスク、リアにはシングルピストン・フローティングキャリパーに360x26mmサイズのディスクが組み合わせられます。
デザイン面に目を移すと、新しい意匠を持つフロントバンパー、フロントフェンダー上の専用トリムパーツ、やはり専用デザインのリアエプロンに加え(台形ではなく)丸型となった左右のダブルテールパイプがGT43の視覚的な差別点。
一方で長いホイールベース、短いオーバーハング、ロングボンネット、緩やかなラインを描くルーフ、力強いリアセクションといったGTファミリーの特徴はそのまま継承しており、ダイナミックな印象も「GTならでは」。
装着されるホイールは標準だと19インチ、オプションだと20インチサイズも用意されています。
なお、車体後部にはハンズフリーアクセス機能を備えた大型の”イージーパック”テールゲートが備わり、オプションでは2+2シートが用意されるほか、オプションパックとして「AMG エクステリア クローム パッケージ」「AMGナイトパッケージ」「AMG ナイト パッケージ II 」が提供される、とのこと。
全体的に見ると、やはり「イージー、コンフォート、ラグジュアリー」方面のベクトルが(GT55、GT63同様に)強化されており、先代GTの持つ「ピュアスポーツ」的側面がやや薄められ、しかしこれは「顧客の求めに応じた変化」なのでしょうね(メルセデスAMGの顧客は安定志向が強いとされる)。
新型メルセデスAMG GT 43はこんなインテリアを持っている
新型メルセデスAMG GT 43のコクピットは「アナログジオメトリとデジタルワールドのエキサイティングな組み合わせ」を特徴としており、メルセデスAMGでははこれを「ハイパーアナログ」と呼んでいます。
センターコンソールはインパネ下部に流れ込む形状を持ち、機能的かつ視覚的な中心となるのは11.9 インチのマルチメディア タッチスクリーン。
ポートレート形式は人間工学に基づいた自由度だけでなく、特にナビゲーションにおいて明らかな利点を提供し、 MBUX (メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス) インフォテインメント システムは直感的に使用できるうえ、学習機能も備えており、 5つの表示スタイルによるAMG固有のコンテンツも提供可能。
標準にて装備されるのはナッパレザー製のスポーツシート、そしてオプションではMG パフォーマンス シートの選択ができ、インテリアのトリムは標準ではハイグロスブラック、オプションではアルミニウムやカーボン、ブラッククローム、ウッドなどを選べるようですね。
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