メルセデスAMGより「GT2 Pro」発売。レギュレーションを超越したスペックを誇り、購入者には専用ヘルメットやスーツも提供されるコレクターズアイテム

｜　現在、こういった「個人コレクター向けのレーシングカー」が大人気　｜

オーナーに合わせてカスタマイズしたヘルメットやスーツにシューズ、そしてカーカバーも付属

さて、メルセデスAMG GTには競技用モデルとして「AMG GT2」「AMG GT3」「AMG GT4」が存在しますが、今回は1年ほど前に発表されたAMG GT2のエボリューションモデル「メルセデスAMG GT2 Pro」が登場。

なお、GT2カテゴリはGT3よりも小さい数字を持つものの、GT3よりも上のクラスというわけではなく、「ジェントルマンレーサーを対象に」するという性質を持っています。

マシンのスペック的にはGT3とGT4との中間くらいと言われていますが、今回発表されたAMG GT2 ProはFIAの定めるGT2規定に準拠しておらず、「公式競技に出場しないドライバーのためのサーキット走行専用モデル」であり、ランボルギーニ・エッセンツァSCV12やフェラーリ488GTモディフィカータのような「規則にとらわれないことで実現できるようになった」機能を盛り込んだ”よりアグレッシブな”サーキット走行専用車です。

メルセデスAMG GT2 Proはこんなクルマ

そこでこのメルセデスAMG GT2 Proを見てみたいと思いますが、ベースとなるのは新型AMG GTではなく従来型のAMG GT。

最大のトピックは「Push2Pass機能」を搭載したことで一時的に739PSまで出力が増強されること。

パワーアップした4リッターV8ツインターボエンジンと組み合わさせられるのは、ギア比を変更したトランスアクスルレイアウトの6速シーケンシャル・レーシング・トランスミッションで、トルクチューブはカーボンファイバー製、そして駆動輪は後輪のみ。

サスペンションも改良を受けており、AMG GT2 Prodeは3ウェイ調整式ショックから4ウェイ調整式ショックアブソーバーへと変更されています。

その他、新しいリアウィングエンドプレートの採用によるエアロダイナミクス性能の向上、新デザインの18インチホイールの採用（2種類のペイント仕上げが用意されている）などがAMG GT2からGT2 Proへの改良点としてアナウンスされてます。

メルセデスAMG GT2 Proには待望のエアコンも

メルセデスAMG GT2 Proのインテリアについても様々な変更が加えられ、ステアリングホイール上へといくつかのスイッチが追加され、そしておそらくもっともドライバーにとって嬉しいのは「エアコンの追加」。

現在多くの（FIAの規格に準拠したレーシングカーでさえ）エアコンを装備する傾向にありますが、メルセデスAMG GT2 Proでも”遅ればせながら”これを導入したということになりますね。

そのほか、細かいところではあるものの、シートには専用のステッチが施され、ダッシュボードが昨年までのマットグレーからマットカーボンファイバーへと変更されるほか、購入者全員には特製カーカバー、個々にカスタマイズされたベル製ヘルメット、プーマのフルレースアパレルキット（カスタムレーススーツ、グローブ、アンダーウェア、シューズを含む）が贈られる、とのこと。

価格については当然ながら安くはなく、AMG GT2よりも70,000ユーロ（現在の為替レートにて約1120万円）高額に設定されて479,000ユーロ（7680万円くらい）へ。

しかしながらこの価格にはヨーロッパ各地で開催されるサーキット走行会を含むAMGレーシングシリーズに参加することができる権利、そして物流や整備を含む包括的なレーシング・サポートの提供（一部有料）、さらには追加の料金が必要となるもののパーソナル・エンジニアやスペアパーツの供給についても対応してくれる、とのこと。

メルセデスAMG GT2 Proを紹介する動画はこちら

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参照：Mercedes-Benz