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| 少し前に発表した通り、メルセデス・ベンツは計画を変更し「ガソリン車にも注力」 |
さらにはEVとガソリン車との共通性を強化
さて、現在徐々にそのプレゼンスを失いつつあるメルセデス・ベンツが「今後の業績を回復させるための」プランを発表。
メルセデス・ベンツは2025年に大きな収益減少を予想しており、今回「今後2年間で生産コストを削減しながら、約40台の新型車または大幅に改良されたモデルを投入する」計画をアナウンスしつつ、さらには伝統的な内燃エンジン(ICE)への再注力が業績悪化を食い止める手助けになると考えている、と説明しています。
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メルセデス・ベンツは方針の見直しを迫られる
まず、メルセデス・ベンツは少し前に2030年までに主要市場においてEVのみのラインナップへとに移行する計画を発表したものの、多くの電動車の販売成績が不振であったことからこの方針の見直しを迫られているというのが今の状況。
しかしメルセデス・ベンツはけしてEVを諦めたわけではなく、2027年までに投入予定となっている新モデルのうち17台はバッテリー駆動車(BEV)となることにも言及しています(しかし残りの23台は内燃エンジン車となり、これら内燃機関搭載車は2030年代にも引き続き販売される予定である)。
そして興味深いのは、「コスト削減」の一環として「EVと内燃機関搭載車」との共通化が図られるという計画で、とくにコンパクトクラスにおいては両方のパワートレーンにおいて共通のアーキテクチャを使用することとなるもよう(大型モデルではEVと内燃機関搭載車とで異なるプラットフォームを採用するものの、それでも共通化が図られる)。
この計画に従い、今年登場する新製品には「EVと内燃エンジン搭載車」両方が提供され、両者の価格も近くなると言われていますが、この第一弾はCLAセダンを含むCLAファミリーだといい、SUVやワゴンを含むさまざまなボディスタイルが展開されるようですね。
加えてメルセデス・ベンツはピュアエレクトリック版のGLCおよびCクラスについても予告しており、BMW i5に対抗するEクラスのEV番を開発中であることも確認しています。
メルセデス・ベンツはコスト削減を計画
2024年は同社にとって非常に厳しい年となっていて、乗用車部門の収益は39%減少して87億ユーロへ。
上述の通り2025年はさらに厳しくなる(具体的な数値は示されていない)と予想され、メルセデス・ベンツはこれに対応すべく2027年までに10%のコスト削減を約束し、2030年までにはさらにコストを削減する計画を示していて、しかしメルセデス・ベンツはドイツ本国の工場を閉鎖することはなく、しかし少なくとも1つのモデルラインの生産をドイツからハンガリーに移転する計画を示しています(ハンガリーでは生産コストが70%安いため)。
このほか、メルセデス・ベンツはアメリカと中国市場向けのモデル生産を現地にて強化し、将来的な関税の脅威から身を守るとともにコスト削減を狙うようですね。
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参照:Mercedes-Benz