ポルシェはエレクトリックに対し、他のどのメーカーよりも大きな可能性を見出している
ポルシェが公式に「次期マカンはフルエレクトリックになる」とアナウンス。
以前からこういったウワサはあったものの、ポルシェ自身が公的に認めるのはこれがはじめてで、けっこう衝撃的な事実でもありますね。
なお、ポルシェはフルエレクトリックモデルとしては「タイカン」を発売する予定ですが、これは「911とパナメーラとの中間」。
その後タイカンのワゴン版(タイカン・クロスツーリスモ?)も投入されることが決定していて、そこにマカンのEV版が加わると「サルーン、ワゴン、SUV」というエレクトリックモデルのラインナップが完成することに。
ポルシェ「エレクトリックとポルシェの考える方向性は完璧にマッチ」
ポルシェは今回のアナウンスにあわせて「ポルシェの思想とエレクトリック化とは完璧にマッチする。高い効率を追求するということ、そしてスポーティーな性格という点で、ポルシェの方向性とエレクトリックは一致しているのだ」と公言(ポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏)。
たしかにポルシェ創業者、フェルディナント・ポルシェが最初につくったのはインホイール式の電気自動車で(1899年、ポルシェ創業前)、その後ポルシェ社を創業するきっかけとなったのも「 最初に周囲を見渡した時、自分が夢見てきた”小型で軽量、高効率なスポーツカーはどこにもなかった。だから自分で作ることにした 」から。
よって、「エレクトリック」「効率」「スポーツカー」はポルシェの根幹にある考え方だと言っても良く、ポルシェが「その方向で」進もうとするのも納得がゆきます。
今後まだ10年はガソリンエンジンが存続
ポルシェはエレクトリック化に際して60億ユーロの投資を行い、2025年には販売の50%をエレクトリックモデル(ハイブリッド含む)にすると発表していますが、「この先10年は」ガソリンエンジンとエレクトリックとのコンビネーション、つまりハイブリッドもしくはプラグインハイブリッドに集中する、とも公表。
もちろん同時にピュアエレクトリックモデルの開発も進めることになり、来る「10年後」に備えることになり、さらにポルシェは「メイド・イン・ジャーマニー」にこだわるということも主張していて、この「エレクトリック・マカン」はポルシェのライプツィヒ工場(2002年から稼働している)で製造されるようですね。
「自国での生産にこだわる」というところは、エレクトリックモデル生産のために中国の自動車メーカーと手を組む他メーカーとは大きく異なり、”さすがポルシェ”という安心を感じる部分でもありますね(ポルシェはリマックと手を組んで次世代バッテリーの研究を進めるなど、”安く造る”よりも”より効率的なバッテリーを造る”ことにフォーカス)。
マカンを「エレクトリック」へとシフトする危険性
なお、2018年においてポルシェは全世界で256,255台の車両を販売し、内訳としては マカン86,031台、カイエン71,458台を販売し、パナメーラ38,443台、911で35,573台、718ボクスター/ケイマンが24,760台 。
つまり、現在のポルシェにおいて、マカンは1/3を占めているということがわかります。
よって現在ポルシェの屋台骨を支えるのはマカンだと言っても過言ではなく、そしてポルシェは今回そのマカンを「完全に別のクルマに(現在、マカンにはハイブリッドモデルも存在しない)する」と発表したことになり、これは相当に大きな賭けであるかもしれません。