ポルシェCEOが911ハイブリッドについて言及！「非PHEVで、919の後継とも言える構成を持つ」。運動、熱、エネルギー回生を搭載か

｜ ポルシェ911へのハイブリッド搭載は2017年あたりから様々なウワサが出ているが ｜

おそらくは「軽量コンパクトなスポーツHV」でまとまりそう

さて、長らくウワサされてきたポルシェ911の「ハイブリッドモデル」ですが、今回カーメディアのインタビューにて、おぼろげながらもその輪郭が明らかに。

なお、ポルシェがかねてより「我々の最後のピュアエレクトリックカーは911」と言及しているとおり、完全に電動化された911の登場は2030年あたりまで待たねばなりませんが、それまでに登場するであろうハイブリッドモデルについての言及がなされています。

911ハイブリッドは「非PHEV」

まず、今回得られた情報でもっとも重要なのは、新型ポルシェ911ハイブリッドが「非PHEV」であること。

現在ポルシェはカイエンやパナメーラにPHEVを用意しており、これらの販売が好調だと言われ、しかし911ハイブリッドではこれらのレシピを使用せず、全く別のハイブリッドシステムを採用することになりそうです。

ちなみにマカンには「PHEVがなく」、これはスペース上の問題、そして重量が重くなってしまってポルシェの求めるバランスが崩れるからだとも言われていますが（公式コメントはなされていない）、マカンですら「重量」を気にしているくらいなので、911にPHEVを採用して「重くなってしまう」ことを懸念するのは当然なのかもしれません。※カイエン、パナメーラはもともと重いクルマであり、PHEV化によるメリットが重量増加というデメリットを上回る

よって新型911ハイブリッドは「プラグを差し込んで充電しない」ということになり、これは「バッテリーのサイズが小さい」そして「電動化による重量増が最小限」ということも意味します。

そしてオリバー・ブルーメCEOはこの911ハイブリッドをして「とてもスポーティーなハイブリッド」と表現しており、「燃費」よりも「スポーツ走行性能」を重視していることも明らかにしています。

もちろん現時点のテクノロジーでは「ハイブリッド化しない」ほうが速く走れるのかもしれませんが、なんといっても年々厳しくなる排ガス規制をクリアしないと車両の販売そのものができなくなり、そしてハイブリッド化するのであれば、なんらかの「（走行性能にとっての）プラス」に転化させようというのがポルシェの考えるところなのかもしれません。

911に積まれるハイブリッドシステムは「919ハイブリッド直系」

そして同氏は「911ハイブリッドに搭載されるハイブリッドシステムは、ル・マン24時間レースで3連覇を成し遂げた919ハイブリッドに由来するもの」だとも続けており、しかし具体的な構造が示されたわけではないために現時点ではその詳細につき「謎」のまま。

参考までに、この919ハイブリッドは2リッターV4エンジンを搭載して（ブレーキによる）運動エネルギー回生、エンジンの排気による熱回生、さらにはウエイストゲートに取り付けられるタービンによるエネルギー回生が採用され、ここで発電した電力はリチウムイオン電池に蓄えられることになります。

ポルシェがこれらのいずれか（運動エネルギー回生のみでは電力が足りないと思われる）、もしくはどれを組み合わせるのかはわかりませんが、高回転を常用するレーシングカーと市販車とではまったく性質が異なるため、ここをどう解決するのかは要注目です。※過去には何度か熱エネルギー回生を市販車に搭載しようという試みが他社でもあったが、まだ（AMG One含め）実現していない

なお、911GT3系の「ハイブリッド化」については、いくつかのサプライズが用意されていると回答するにとどまり、イエスともノーとも言及していないようですね。

いずれにせよ、ひとくちに「ハイブリッド」といえど、ポルシェはそのクルマの性質や使い方にマッチした複数の方式を採用することになり、かつ電動化に際してはハイブリッドのほかピュアエレクトリック化についても推進していて、さらに内燃機関に関しても合成燃料の開発など、あらゆる方面において「環境性能とパフォーマンス」を両立させるための取り組みを行っている、ということになりそうです。※一時は、911にも「燃費追求型」ハイブリッドと「性能追求型」ハイブリッドの二種が投入されると言われたこともある

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参照：Porsche, Car and Driver