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知ってそうで知らないポルシェの事実!「この20年で販売台数が前年割れになったのは2回だけ」「20年で販売は6倍に」etc.

2022/10/09

ポルシェ

| ポルシェはそのポジショニングも独特であり、競合が少なく電動化へのシフトにも向いていた |

フェラーリのようなスーパースポーツとも、ジャーマンスリーのセダンとも競合しない |

さて、ポルシェはIPOを果たし、その後アメリカの株価(NYダウ)が下がり続けているにも関わらずポルシェの株価は上昇を続け(ポルシェが上場しているのはフランクフルトですが)、現在欧州市場ではフォルクスワーゲンを抜いて「もっとも時価総額の高い自動車メーカーに」まで成長しています。

そして今回、ポルシェの成長に焦点を当て、いかにポルシェが成功した自動車メーカーであるかを示す記事が公開されており、その要点を紹介してみたいと思います。

ポルシェ
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ポルシェの年間販売台数は20年で6倍に

そこでまずは販売台数についてですが、1999年には約5万台程度であったものの、2021年には30万台へと増加しており、2002年から2021年の間に販売が「前年割れ」となったのはなんと2008年のリーマンショックと2020年のコロナショックのときだけだったといい(これはさすがに驚きではある)、プレミアムカーセグメントにおいてこれほどの成長を記録した自動車メーカーは他に例を見ない、とのこと。

ポルシェは市場間での価格差が小さい

そしてもうひとつ、「リテール・プライス・ギャップ」という指標が公開されていて、これはあまり耳慣れないものですが、ここではその自動車メーカーの販売実績における「中国市場と、米国市場と、欧州市場との平均価格帯」を示すもので、ポルシェ、テスラ、メルセデス・ベンツだと下記のとおり。

ここからわかるのは、すべての市場においてポルシェの平均価格が他ブランドに比較して高いこと、そして圧倒的と言ってもいいこと(テスラは中国での平均価格が低く、価格競争に巻き込まれているとも考えられる)。

中国(元)米国(ドル)欧州(ユーロ)
ポルシェ1,397,302113,345129,848
メルセデス・ベンツ772,73360,08768,852
テスラ335,87591,19660,757
ポルシェ

ポルシェは世界中の市場でバランス良く販売している

そして次は販売地域。

その内訳は下記のとおりですが、どこかの市場に依存しているわけではなく、よってその市場特有の要因によって販売が大きく左右される可能性が少ない、と考えることも可能です。

なお、一般にスーパーカーメーカーは北米への依存度が大きくなりがちですが、ポルシェはスーパーカーメーカーであると同時に高級車メーカー、高級SUVメーカーでもあるので、フェラーリやランボルギーニのような「スーパーカーオンリー」な自動車メーカーとは異なる事情を持っているわけですね(車種構成が分散していることが市場の分散にも繋がっている)。

  • 中国・・・33%
  • ヨーロッパ・・・27%
  • 北米・・・27%
  • 日本・韓国・・・5.2%
  • 東南アジア・・・2.7%
  • ロシア・・・2.5%
  • ラテンアメリカ・・・1.8%
  • 中東・・・0.7%
  • アフリカ・・・0.5%

ポルシェのポジショニングは「独特」

そしてポルシェは、伝統的なプレミアムブランドとスーパーラグジュアリー/スーパーカーブランドの中間に位置する唯一の自動車メーカーであり、どういうことかというと、ポルシェのクルマはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディのセダンに直接対抗するものではなく、同時にロールス・ロイスのような超高級車とも競合せず、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンのような高級スーパーカーと競合することもないわけですね。

このポルシェのポジションに近い自動車メーカーとしてばマセラティがありますが、販売台数からすると「比較されるポジションではない」と考えて良さそうです。

そしてこのポジションは「憧れの高級ブランドでありながら、ニッチなブランドでもなく」「フェラーリのように、購入できる人がわずかしか存在しない価格帯ではなく(潜在購買層が多い)」「ブランドイメージを損なうことなく、電動化を進めることができる位置にあり」「ポルシェの顧客は、アウディやBMW、メルセデス・ベンツほどEVのコストに敏感ではなく、同時にフェラーリやランボルギーニの顧客ほどガソリン中毒でもなく」スムーズにエレクトリック化を進めることが可能だともされています。

ぼくはポルシェを5台、つごう20年ほど乗っていますが、それでも意外と知らなかった(気づかなかった)事実もあり、なかなかに興味深い考察だと思います。

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参照:Motor1

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