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ポルシェがガソリンエンジンを存続させることができる合成燃料、「eフューエル」にさらなる投資!2022年中に生産を開始し、まずは自社の施設内で走行するクルマに使用するようだ

2022/04/09

ポルシェ

| 現時点ではガソリンの倍ほどのコストがかかるそうだが、ここまで原油価格が上がってしまうとその差が一気に縮小しそうだ |

日本に導入された場合、どれくらい課税されるのかがちょっと気になる

さて、ポルシェは合成燃料「eフューエル」の実用化に向けて多大なる投資を行っていますが、今回さらにその投資を拡大する、と発表。

現在このeフューエルを開発・生産している会社は複数あるそうで、今回ポルシェはそれら複数の会社を保有する持株会社、HIFグローバルLLCに対して7500万ドルを投資することになります。

このHIFグローバルLCCは(昨年9月に報じられた)チリのプンタアレナスにeフューエル生産のためのパイロットプラントを建設中であり、シーメンス・エナジーとエクソンモービルもパートナーとして参加しているようですね。

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石油会社もeフューエルに着目?

なお、「(石油会社の)エクソンモービルが参加している」というのは興味深い事実であり、想像するに、将来的に電気自動車が増えるとガソリンが売れなくなり、それでは困るのでガソリンに代わる燃料を開発し、従来のガソリン流通網や小売施設をそのまま利用する形でeフューエルを販売したい考えなのかも。

もちろんeフューエルの開発には相当なコストがかかるかと思いますが、これまで築いてきた流通網(さらには雇用も)が「お荷物」になるよりはずっとマシであり、それらを活用することを考えればeフューエルの開発コストなぞは「安いモノ」かもしれません。

ちなみにこのHIFグローバルLCCには、チリの「アンデス・マイニング&エナジー(AME)社、米国のEIG社やベイカー・ヒューズ・カンパニー社、ジェムストーン・インベストメント社などが出資しているといい、やはりエネルギー関連会社が「新たなる収入源」としてeフューエルに注目しているようですね。

今回の追加投資はチリ、オーストラリア、米国など、再生可能エネルギーが豊富な国々でのeフューエル生産設備への投資に充てられるといい、つまりはこれらの国々で合成燃料工場が建設されるということになりそうです。

ポルシェ・タイカンのインテリア

ポルシェは2022年中にeフューエルの使用を自社で開始

ポルシェAGの調達担当執行役員であるバーバラ・フレンケル氏によれば、「eフューエルは気候変動保護に重要な貢献をするほか、当社のエレクトロモビリティを有意義に補完するものとなります。ポルシェは、eフューエルの生産設備に投資することで、持続可能なモビリティへのコミットメントをさらに拡大してゆきます。この革新的なテクノロジーの開発と提供に対する私達の投資額は、合計で1億米ドル以上にも上ります」とのこと。

ポルシェは以前から再生可能燃料の研究に取り組んでいることで知られますが、これは従来のガソリンエンジンに何ら手を加えることなくガソリンと同じように使用でき、しかしCO2排出量をほぼゼロに抑えることができるとされ、すでに多くの実験やレースにおけるテストに成功し、その技術はすでに実用化の段階にある、とも。

そして現在はこの合成燃料を製造するための投資を行っているわけですが、これら工場は風力発電によって駆動する電解槽を使用して水を水素と酸素に分解させ、さらにはこの水素を空気中のCO2と結合させて合成メタノールを作り、eフューエルに変換する、とのこと。

今回のチリ工場にて生産されるeフューエルは、まずポルシェのモータースポーツ活動で使用され、その後、ポルシェの工場やポルシェ・エクスペリエンスセンターでの初期燃料補給に使用される予定だといい、ポルシェはこの燃料の生産開始を2022年中頃と見込んでいるようですね。

この合成燃料が実用化でき普及すれば今クルマに搭載されているガソリンエンジンもそのまま使用できることになるわけですが、それぞれの国において「どういった扱いになるのか(課税対象になるのか)」など多くの課題があり、普及までにはもうちょっと時間がかかるのかもしれません。

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