｜ ポルシェ928 S4は928の中でも生産数がとりわけ少なく、高い人気を誇る ｜
928は現在人気急上昇中、多くのコレクターの注目を集める
さて、79台しか製造されなかったというポルシェ928 S4のうちの1台がRMサザビーズ開催のオークションに登場予定。
この928 S4は1986年から1992年にかけて生産された「928 GTS」が登場する直前のモデルですが、「XX8」と呼ばれるオプション（のちの928 GTSに採用されるワイドボディ）を持ち、ポルシェのパーソナリゼーション部門であるポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥーアによって作られたことが大きな特徴です。
ポルシェ928はこんなクルマ
そこでこのポルシェ928について、最初の登場は1977年であり、その使命は「911の後継モデルとしてのフラッグシップたること」。
今となっては信じられないものの、当時911は販売不振に陥っており、メインマーケットの北米の嗜好にあわせ、（911を販売終了として）より豪華なGTカーを911のかわりに据えようとポルシェは考えたわけですね。
かくして928はV8エンジン、トランスアクスルレイアウト、豪華なキャビン、さらにはヴァイザッハアクスル（リアアクスルステアリング）等の画期的な装備を持って世に送り出されたわけですが、価格があまりに高く911とはかけ離れていたこと、そしてポルシェファンが「911の後継」と認めなかったことによって911は結果的に存続することに。
ただし928は928でまた別のファンを獲得することになり、様々なバリエーションを展開しつつ、18年間のライフタイム中に61,000台もが生産されることとなっています。
そして今回出品されるポルシェ928 S4は新車時に日本へと納車された個体だといい、ボディカラーはミッドナイトブルーメタリック、そしてそこにグレーとネイビーブルーのレザーインテリアを組みあわせた一台。
その後は日本からドイツへと輸出され、2015年から2022年にかけてドイツのフランクフルト・アム・マインにあるポルシェ・ツェントラム・ホフハイムとPSクラシークにてメンテナンスを受け、新しいオルタネーター、タイミングチェーン、衛星ナビゲーションと電話付きのポルシェ・クラシック・ラジオが取り付けられ、同時に各部の点検を受けています。
走行距離は133,753kmを記録しているものの、マッチングナンバーのシャシーとエンジンを持っており（つまりエンジンが載せ替えられていない）、コレクション価値が非常に高い一台となっています。
搭載されるエンジンは5リッター自然吸気V8、最高出力は320馬力というスペックです。
ちなみに928が現代に蘇るというウワサも過去に何度か出ていますが、今のところは「まだ実現しないまま」ですね。
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このポルシェ928 S4のインテリアはこうなっている
そしてこちらはこの928 S4のインテリア。
年式なり、走行距離なりの劣化はあるものの、けっこういい状態なんじゃないかと思います。
レザーにはシワが見られるものの、擦り切れたりひび割れたりしておらず、ポルシェはなかなかいいレザーを（当時から）使用していたのでしょうね。
ステアリングホイールもかなりきれいです。
メーターパネルにも剥がれなどなく、ポルシェの高い耐久性が伺えるところ（さすがは生産したクルマの70％が現役と言われるだけのことはある）。
クロックはアナログ。
ちなみにこれくらいの年式の欧州車（メルセデス・ベンツなど）だとウッドパネルにひび割れが生じていることが多いのですが、この928には劣化が見られず、レザー同様に高い品質をもって仕上げられていたということがわかりますね。
スイッチ類も美しい状態。
ちなみにこれがポルシェのクラシック部門による、昔のポルシェの内装にもフィットするカーナビゲーションシステム（1DINサイズなのでモニターは非常に小さい）。
イタリア車のように樹脂パーツの表面にもべたつきが生じていないように見え、やはりどんな小さなところであっても「ポルシェ品質」。
マニュアル類も完備するそうですが、もともと日本に納車されたクルマなので、一部は日本語で記されている、とのこと。
後部座席はかなり囲まれ感が強く、座り心地が良さそうですね。
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参照：RM Sotheby’s