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ポルシェが「356の75周年」を記念しヴィジョン357コンセプトを発表!過去と現在、そして未来を結びつけ、今後のポルシェに採用されるディティールも

ポルシェが「356の75周年」を記念しヴィジョン357コンセプトを発表!過去と現在、そして未来を結びつけ、今後のポルシェに採用されるディティールも

| 今年は356生産75周年、911登場60周年、ヴォルフガング・ポルシェの生誕80周年というポルシェにとって記念すべき年である |

ボディカラーは当時流行した「デュアルカラー」を再現

さて、ポルシェが「75年前にデビューした」ポルシェ356へのオマージュとなるコンセプトカー、ヴィジョン357を発表。

なお、ポルシェは今年ル・マン24時間レースに復帰するに際し、そのレーシングカーに対して(大きな成功を収めたレーシングカー「962」を意識したネーミングである)「963」を付与しており、今後は過去のモデルを強く意識した路線に転向する可能性もありそうです(少し前から、実際にそういったウワサも出ていた)。

ちなみにこの傾向はポルシェだけではなくフェラーリも同様で、過去の豊かな歴史を生かした展開を行うことにより、過去と現在、そして未来を結びつけ、自社の歴史を風化させず、かつ「どんどん出てくる新興スーパーカー/ハイパーカーメーカー」に対抗しようとしているのだと思われます。

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ポルシェ・ヴィジョン357は単なるコンセプトにとどまらない

このポルシェ・ヴィジョン357は「展示用モックアップ」ではなく、718ケイマンGT4 RSのパワートレインが搭載されている「実動車」であり、つまり4.0リッターフラット6エンジンが車体にミッドマウントされています(トランスミッションについては不明だが、ケイマンGT4 RSと同じ7速PDKだと考えられる)。

さらにこのエンジンはポルシェが現在積極的に推し進めている代替燃料「Eフューエル」でも走ることができるように調整されている、とのこと。

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なお、エンジンだけではなく車体そのものも718ケイマンGT4 RSをベースにしている可能性が高く、リアサイドウインドウには718ケイマンGT4 RS同様の吸気口が見られ、つまり「ドライバーの耳元から」吸気を行い、そのスペクタクルなサウンドを聞かせてくれることになりそうです。

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スタイルポルシェ副社長、そしてポルシェとフォルクスワーゲンのチーフデザイナーを務めるミヒャエル・マウアー氏によれば「私たちは、356をベースに、私たちのデザインDNAの重要性を強調した、”ポルシェビジョン357という特別な誕生日プレゼント”を作りました。このコンセプトカーは、過去、現在、未来を首尾一貫して結びつける試みであり、歴史的なオリジナルモデルを彷彿とさせるプロポーション、そして未来への展望を視覚化するディテールを特徴としています」。

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ポルシェ ヴィジョン357には、今後のポルシェを予感させるデザインも

実際のところ、このポルシェ・ヴィジョン357には「356を連想させる」部分も数多くあり、たとえばリアだと356のエンジンフードを想起させるスラットも。

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フロントだと、ボンネットを固定するレザーストラップを現代風に解釈したディティールも見られます。

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その一方では「ヘルメットルーフ」「かつてのレーシングカー風のテールパイプ」など、最近のポルシェが限定モデルやコンセプトカーにて好んで用いるデザインも採用され、つまりこれらは今後のポルシェに採用されてゆくと考えるのが妥当なのかもしれません。

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このヴィジョン357は、1950年代に流行したツートンカラーの塗装をイメージしており、フロントではグリヴォラグレー・メタリックにアイス グレー・メタリックを配したカラーリングを採用。

ホイールは20インチ、そしてセンターロック構造とエアロディスクが採用され、さらにはドアミラーの代わりにはブレード状のカメラ、加えてドアハンドルをリアサイドウインドウ内に格納するなどフラッシュサーフェスを強く意識したデザインを持っています。

フロントフードは「クラムシェル」、そして前後ランプはボディパネル内に統合されるなど未来的なデザインも印象的ですね。

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前出のミヒャエル・マウアー氏は「"未来について声を大にして主張する "ことは、スタイルポルシェのコアミッションのひとつです。コンセプトスタディは、明日のデザインの糧となるアイデアのプールなのです。私たちは、モビリティの未来に向けたコンセプトの旅を続けているのです。ブランドの歴史は、何度も何度もインスピレーションの源となってきました。未来のコンセプトカーで伝統を振り返るというのは、それほど逆説的なことではありません。私たちの一貫したデザイン哲学を、革新的な新しい方向へと導いてくれる貴重なアイディアが、自由な発想で生み出されるのですから」。

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もちろんこのヴィジョン357が生産されることはないものの、これまでの例を見てもわかるとおり、ここに採用されたディティールが将来のポルシェの各モデルに反映されることは間違いないと考えていいのかも。

なお、ポルシェ・ヴィジョン357はベルリンで開催されるフォルクスワーゲングループ「DRIVE」フォーラムにおいて、「75 Years of Porsche sports cars」の展示の一部として公開され、イベント自体は2023年1月27日から2月中旬まで開催されるそうですが、ポルシェはこの後、ほかの国際的なイベントにもこのヴィジョン357を展示する計画を持っている、とのこと。

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ちなみに2023年は911の誕生60周年、ポルシェブランドの車両を生産開始から75周年、そしてヴォルフガング・ポルシェの生誕80周年という記念の年でもあり、このほかにも様々なコンセプトカー、そして限定車が発表される機会があるかもしれません。

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参照:Porsche

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