| ポルシェはその豊かなモータースポーツ、そしてスポーツカーの歴史を活用してラインアップを最大化 |
ここまでオンロード/オフロード両方でのヘリテージを持つスポーツカーブランドも他にないだろう
さて、ポルシェはずっと911シリーズのラインアップを拡大し続けてきましたが、昨年に「911ダカール」を発表し、ついに”オフロード”というこれまでにないジャンルへの道を切り開いています。
そして今回、ロサンゼルスオートショーの会場にて、ポルシェCEOであるオリバー・ブルーメ氏がカーメディアに対して語ったのが「911のオフロードバージョンがさらに登場する可能性」、そして「1970年代、1980年代を意識した”レトロな”911の登場」について。
ポルシェは911シリーズをひたすら拡充してきた
ポルシェはこれまでひらすら911シリーズの拡充を図っており、現在ではなんと「(特別仕様車や限定車含め)26車種」ものラインアップが存在します。
ちょっと前までは「911カレラ」「911カレラS」「911ターボ」「911GT3」あたりを主軸にしていたものの、その後「911GTS」「911T」といった新メンバーが加わることとなっていて、年々その規模を拡大しているわけですね。
ひとまずここで(ぼくもよくわからなくなってきたので)現行ラインナップを整理してみると以下の通り。
ポルシェ911のラインアップ
- 911カレラ
- 911カレラ・カブリオレ
- 911カレラT
- 911カレラ4
- 911カレラ4カブリオレ
- 911カレラS
- 911カレラSカブリオレ
- 911カレラ4S
- 911カレラ4Sカブリオレ
- 911タルガ4
- 911タルガ4S
- 911カレラGTS
- 911カレラGTSカブリオレ
- 911カレラ4 GTS
- 911カレラ4 GTSカブリオレ
- 911タルガ4 GTS
- 911エディション50イヤーズ・ポルシェデザイン
- 911ターボ
- 911ターボ・カブリオレ
- 911ターボS
- 911ターボS カブリオレ
- 911GT3
- 911GT3 ツーリングパッケージ
- 911GT3 RS
- 911スポーツクラシック
- 911ダカール
ポルシェCEOはこう語る
そこでポルシェがここまでラインアップを拡充し、そして今後「オフロード」「60-70年代オマージュ」モデルを投入する理由についてですが、その根幹は当然ながら「消費者の選択肢を最大化し、同時に利益も最大化するため」。
オリバー・ブルーメCEOはさらに「過去に成功したアイテムを現代のテクノロジーと結びつけることができるグローバルブランドは、ごくわずかです。しかし、ポルシェにはそれが可能なのです。そして、スポーティなGTとヘリテージモデルのほかに、第3の柱があってもいいのではないか、と我々は考えました。そこで出てきたのが911ダカールのようなオフロードモデルです。あとは、911ダカールの市場での成功がどうなるか。それ次第ではもっといろいろなものが出てくるかもしれません。ドアは今、我々に対し開かれているのです」と語っています。※ポルシェはサーキットのみではなく、ダカールラリーなどオフロードにおけるモータースポーツ上の成功体験を持っている
つまりは911ダカールの成功次第でオフロードモデルが続々登場する可能性が考えられ、これを「新しい柱」とすることを(ポルシェが)検討しているということになり、もしかするとこのオフロードモデルについても「ベース」「S」「GTS」、さらにクーペとオフロード版が登場することになるのかも。
なお、この911ダカールについては賛否両論あるようですが、「特定地域(おそらくは中東などの路面が整備されてない地域)のバイヤーからの反響が大きい」といい、さらにオリバー・ブルーメCEOは”若い顧客の911に対する考え方が変わってきている”とも述べています。
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加えて、(上述の通り)ポルシェは1970年代や1980年代にインスパイアされたモデルを投入する可能性について触れており、これはやはり「911スポーツクラシック」の成功によるところが大きい、とのこと。
現時点ではこれらがどういったモデルになるのかはわからないものの、ウワサされる「911ST」のリバイバルなのかもしれませんし、より「ナナサンカレラ(911カレラRS 2.7)」を意識したモデルなのかもしれません。
もしくは「930ターボ」「フラットノーズ」といったアイコニックなモデルの要素を取り入れる可能性もあり、しかし豊かな歴史を持つポルシェだけに、そのネタには事欠かないのは間違いなさそうですね。
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加えてですが、オリバー・ブルーメCEOは911の誕生60周年、ポルシェブランドの車両を生産開始から75周年、そしてヴォルフガング・ポルシェの生誕80周年ということに触れており、ここで「わざわざ言及する」ということは、今年には何かが起きると考えていいのかもしれません。
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参照:Car Magazine