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ポルシェが「現在ガルフとは提携していない」として当初拒否したガルフカラーの918スパイダー特別仕様が高額落札。オーナーが直接ガルフと交渉しこの仕様が実現

ポルシェが「現在ガルフとは提携していない」として当初拒否したガルフカラーの918スパイダー特別仕様が高額落札。オーナーが直接ガルフと交渉しこの仕様が実現
Gooding & Company

| どうやらこのオーナーはガルフ仕様のポルシェ918スパイダーを2台注文したもよう |

それにしても自らガルフと交渉を行い、ポルシェすら説き伏せるとは見上げたカーガイっぷりである

さて、ガルフカラーのペイントを持つポルシェ918スパイダーが320万ドル(現在の為替レートにて訳4億8000万円)にて落札されることに。

ポルシェ918スパイダーは2010年のジュネーブ・モーターショーにて発表され、その後2011年に918台限定として受注が開始されていますが、すべての台数を受注し出荷したのは2015年であり、つまりはフェラーリのハイパーカーとは異なって「完売するのにかなりの時間を要した」ということになりますね(その先代であるカレラGTは予定台数を消化できなかった)。

新車当時の価格は90万ドルにて販売がなされ、よって発売開始から10年超が経過した現在ではその価格が3倍以上になったというわけですが、今回の「320万ドル」は予想落札価格を20万ドルも上回る価格であり、ここ数年のポルシェ918スパイダーの人気の高まりを示す新たな例となっています。

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このカラーリングを持つポルシェ918スパイダーは2台しか存在しない

今回このポルシェ918スパイダーの価格が高騰したのにはいくつか理由があり、まずは走行距離がわずか376マイル(605km)にとどまるということ、そしてワンオーナー、さらには230台のみしか存在しないヴァイザッハパッケージ装着車であること。

しかしおそらくはもっとも大きな影響を及ぼしたのがこの「ガルフカラー」だと考えてよく、なぜならばこのカラーを持つ918スパイダーはわずか2台しか製造されていないため。

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なお、近年になって「ワンオフ」仕様もしくはそれに準ずる仕様を持つ918スパイダーがいくつか売りに出されていますが、今回落札された918スパイダーもそのうちの1台だと捉えてよいかと思います。

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この918スパイダーはカナダ市場向けに製造された28台のうちの1台だそうですが、この個体を注文したオーナーはジョン・ワイヤーの名を冠したレーシングチームによって1960年代と1970年代に有名になった「ガルフ・オイルのカラーリング」で車両を仕上げることをポルシェに対し要求することに。

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しかしながら ポルシェはガルフ・オイルとポルシェAGがもはや公式パートナーシップ契約を結んでいないという事実を理由に当初この要望を拒否。

ただしこのオーナーはここで引き下がらず、「ガルフ・オイルの許可を自分で得られれば、自分の求める仕様に合わせて車両を製造する」という約束をポルシェと取り付け、結果的に自身でガルフオイルからの許諾を得ることに成功し、そこでこの仕様を持つ2台の「ガルフカラー918スパイダー」が誕生したと紹介されています(つまり、このオーナーは一人で二台のガルフ仕様を注文している)。

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かくして無事生産されることとなった2台はともに2015年末に完成し、しかし「微妙に異なる」仕様を持つのだそう。

なお、ポルシェは純正オプションとして「ザルツブルグ」「マルティ二」カラーを918スパイダーに設定していましたが、これらは「ラッピング」にて再現されており、しかしこのガルフカラーは「ペイント」にて再現されていることが大きな特徴です。

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このポルシェ918スパイダーはこんなインテリアを持っている

そしてこのポルシェ918スパイダー「ガルフカラー」のインテリアに目を移すと、メインカラーはブラック、そしてそこへオレンジのパイピングとステッチが施されるという仕様を持っています。

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ヘッドレストには「ガルフ」ロゴが片押しされていますが、もちろんこのための金型も専用に製作されており、ガルフ仕様のためにかかったコストは108,505ドルという領収書も添付さているもよう。

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ただしこれらに加え、フロントアクスルリフト、ガルフオレンジのパイピングが施されたカーボンファイバーマット、ガルフオレンジのコントラストを備えたラゲッジ一式、6点式レーシングハーネス、ブルメスターサラウンドサウンドシステムが追加され、現存するポルシェ918スパイダーの中でも「もっともコストのかかった」1台ではないかと見られているようですね。

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出品内容には車両のほか上述のラゲッジ、マニュアル含む付属品一式、スペアキーなども含まれるためコレクションとしての価値は非常に高く、さらにもう一台のガルフ仕様は新車注文したオーナーがずっと保管する予定だというので、「購入できるガルフ仕様の918スパイダー」はこの1台のみということになり、これらを考え合わせると今回の高額落札にも「納得」できようというものです。

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参照:Gooding & Company

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