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ポルシェが自社で開催するワンメイクレース「スーパーカップ」に合成燃料(Eフューエル)を採用すると発表。ポルシェは燃料においてもイノベーションを目指す

ポルシェが自社で開催するワンメイクレース「スーパーカップ」に合成燃料(Eフューエル)を採用すると発表。ポルシェは燃料においてもイノベーションを目指す

| ただしガソリンエンジン許容の風潮が拡大したのち、あまり合成燃料に関する話題を聞かなくなったように思う |

現時点では合成燃料に理解を示す自動車メーカーや政府は非常に少ない数にとどまっている

さて、ポルシェが自社で開催する「ポルシェ モービル1 スーパーカップ」にて、参加する32台全ての車両が「従来の燃料源に代わる、カーボンニュートラルに極めて近い代替燃料であるEフューエル」を使用することになる、と発表。

ポルシェはこの合成燃料の主要な支持者の1つであり、内燃機関によるスポーツカーを将来にわたって存続させるために合成燃料を普及させようとしていますが、そのためには自社による生産設備を複数開設し、これまでにもヒストリックレースにて合成燃料を使用するなどの試みを実施しています。

今回の発表に際し、ポルシェAGにて研究開発担当取締役を務めるミハエル・シュタイナー氏は「スーパーカップは、Eフューエルに関しては私たちにとってひとつの指標でもあります。 モータースポーツは常にイノベーションの原動力であり、現在は燃料の面でもイノベーションを推進しており、このプロジェクトを通じることで、私たちは脱炭素化目標の達成に向けてさらなる一歩を踏み出します」とコメント。

ポルシェ
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なお、ポルシェ モービル1 スーパーカップで使用される燃料は全てポルシェが運営するチリのハロオニ・パイロットプラントから供給されるものだといい(ポルシェはほかにテキサスにもプラントを持っている)、特別な混合プロセスを経てモータースポーツへと供されるのだそう。

今年のポルシェ モービル 1 スーパーカップ シーズンは、ヨーロッパで開催される8つのF1イベントのサポートプログラムとして実施され、初戦は5月19日のエミリア・ロマーニャGP、そして最後は9月1日のイタリアGPだとアナウンスされており、ポルシェはシーズンを通じ、全チームに約5万リットルのEフューエルを供給することとなるようですね。

Porsche-E-Fuel (2)

なお、今シーズン初めてレースにEフューエルが使用されるといえど、このチャンピオンシップに出場する車両は2021年から部分合成燃料混合物を使用していて、その中に占めるEフューエルの割合を年々高め、そして今年には「ほぼ100%」の割合を持つEフューエルを使用することとなりますが、それでも「完全に100%」ではないことには注意を要し、その理由についても知りたいところ(これについてはポルシェからの言及はない)。

ポルシェは再生可能な水素と二酸化炭素を組み合わせたプロセスを通じてEフューエルを生成しており、現在使用されている二酸化炭素は生物起源のものですが、将来的には大気中から直接抽出されるようになることにも言及済み。

Porsche-E-Fuel (1)

加えてポルシェは生成段階においても極力CO2の排出を行わないように配慮していて、 チリにある同社の工場は風力タービンによって工場を稼働させるための電力が供給されています(そのため、ポルシェは年間通じて風が強い地域にプラントを建設している)。

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ポルシェはEフューエルプログラムに1億ドル以上を投資しており、最終的にはチリ、ウルグアイ、米国、オーストラリアでもEフューエルを生産する意向を示しているものの、Eフューエルは(精製にコストがかかるので)非常に高価であり、そして電力と異なって物理的な輸送を要するため、その段階でCO2を発生させたり、そもそもの生産量が少ない等の問題が指摘され、かつ国や地域によって課税方法が決められていないなどの課題が残されており、まだまだ「今後どうなるのかわからない」ソリューションの一つです。

少し前であれば、全世界的に「ガソリンエンジンを完全に禁止する」という風潮が強かったため、これを回避するためのソリューションとしてのEフューエルに価値を見出すブランドも存在したものの、今では「ガソリンエンジン容認」の雰囲気が色濃くなっているため、以前に比較するとEフューエルへの注目度がやや低くなっているようにも感じます。

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参照:Porsche

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