
Image:Tedsonmotors
| ポルシェ911のレストモッドはまさに「戦国時代」である |
そんな中でもこの「テッドソン」は独自のポジションを構築していると言っていいだろう
ポルシェのレストモッドといえば、シンガー・ヴィークル・デザインが示したように、古き良きクラシックデザインを再現するのが主流です。
しかし、クロアチア発のレストモッドブランド「Tedson(テッドソン)」は、その常識を覆すアプローチで注目を集めています。
なお、このテッドソンはつい先日、ランボルギーニ・ガヤルドのレストモッドを公開したことで大きな話題を呼んだファクトリーでもありますね。
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■ Tedson Daydreamシリーズとは?|レトロじゃなく「未来化」する964型911
通常のレストモッドは、ポルシェ964型911にクラシックな雰囲気を与える手法が一般的ではあるものの、テッドソンの”デイドリーム”シリーズは逆転の発想。
「古いクルマに、最新のディテールやパーツを加え、モダンな美しさを与える」
これがTedsonの哲学です。
Image:Tedsonmotors
■ 最新作「Gulf Blue Dream Edition」|モダンGT2×70年代ル・マンの融合
2025年のニューヨーク国際オートショーで発表された一台がGulf Blue Dream Edition(ガルフ・ブルー・ドリーム・エディション)。
テッドソンが提供する未来志向のレストモッドシリーズ「デイドリーム」の最新作ですが、ポルシェ名物「Paint to Sample」に採用されるカラーパレットと同じ配合を用いて塗装されたブルー×オレンジのツートンカラーは、70年代の耐久レース&スティーブ・マックイーンを彷彿とさせる仕上がりです。
- ベース車両は964型911
- カーボンファイバー製ワイドボディ
- 現代GT2譲りの各種エアロ&ディフューザー
- 手作業で組まれたエンジン
- オレンジのFuchs風ホイール(現代サイズ)
■ 内装は70年代レーサーをオマージュ|木製シフトノブ&レザーバケット
このテッドソン・デイドリーム”ガルフ・ブルー・ドリーム・エディション”の内装写真は非公開。しかし公式によれば以下の仕様とのことで、往年のル・マン用レーシングマシンを思わせるディテールがふんだんに盛り込まれているようですね。
- 木製シフトノブ&ショートストローク
- リベット付き本革シート(織りレザー仕上げ)
- ロールケージ装着
- アルカンターラ内装
- 削り出しアルミパーツ
- Tedson専用カスタムメーター
■ エンジンはなんと4.0L+ハイブリッド仕様も視野?
なお、このテッドソン・デイドリームシリーズに積まれるパワーユニットはポルシェの3.6Lフラット6エンジンを4.0Lまでボアアップしたもの。
また、以前のプロジェクトでは以下のハイブリッド仕様も示されており、顧客はその仕様を選択できることについても言及されています。※ガルフ・ブルー・ドリーム・エディションのパワートレーン詳細は非公開
Image:Tedsonmotors
- エンジン単体:385馬力/315lb-ft
- ハイブリッドシステム合計:533馬力/465lb-ft
- 排気系だとにはチタン製デュアルマフラーを採用しており、リアディフューザーの下から覗くスタイリングがまた魅力的。
■ プロアクティブ製のアダプティブサスペンション搭載
足回りには、最新の911 GT2から流用したアダプティブサスペンションをベースに、軽量な964のボディと合わせて専用チューニング。コーナリング性能も見た目に負けないレベルに仕上がっています。
ちなみにドアミラーも「レトロ」ではなく最新世代の911から流用されており、他社のレストモッドとは一線を画すコンセプトを持つようですね。
Image:Tedsonmotors
【まとめ】Tedsonは未来のレストモッドを創る
テッドソン「デイドリーム」シリーズは、従来の「クラシック再現型レストモッド」とは異なる“モダン進化型”レストモッドという新ジャンル。
現代の911が(法規制等の様々な、やむを得ない理由で)失ってしまったシンプルさ、そして軽量かつコンパクトな車体を「最新の技術をもって仕上げられたパワートレーンと足回りをとともに」楽しみたいというポルシェファナティックも少なくはないはずで、その哲学は、クルマ好きの心を大きく揺さぶることは間違いなさそうですね(ぼく自身も”テクノロジー指向”なので、このテッドソンのコンセプトには深く共感できる)。
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