【新時代の幕開け】ブガッティ、新開発V16自然吸気エンジンを搭載したハイブリッドパワートレインの開発秘話を公開【動画】

｜　他者と比較されるようであれば、それはブガッティではない　｜

トゥールビヨンほどブガッティの真髄を体現したクルマはほかにないだろう

ブガッティは「トゥールビヨン」に自動車業界としては（量産車で）わずかに4例めとなるV16エンジンを搭載していますが、これは文字通り「狂気の産物」。

そして今回、ブガッティはそのV16エンジンがどのように開発されたのか、その舞台の裏側を紹介するコンテンツを公開しています。

■ 通常とは異なるアプローチで開発が始まったV16プロジェクト

2021年、ブガッティは“完璧”を追求するための新たな開発プロジェクトをスタート。

ブガッティ・リマックCEO、メイト・リマック氏の指揮のもと、伝統あるブガッティは次世代ハイパースポーツカーのため、コスワース社の高性能内燃エンジン開発チームとのコラボレーションを開始させています。

多くのメーカーが開発初期段階で単気筒のテストエンジンを使うのに対し、ブガッティは4気筒ミュールエンジンからスタート。

「我々はブガッティを作っている。だからこそ、気筒数と排気量も“本物”でなければならないのです。」
— ブガッティ・リマック パワートレイン主任技術者 マルコ・アルノレッティ

この新エンジンは、まさに次世代ブガッティの中核を担う存在。しかもその正体は、自然吸気のV16エンジンという現代では前代未聞のパワーユニットでした。

■ 2023年、ついにV16エンジンの試験運転がスタート

コスワースとブガッティの合同開発によって、2023年に初のフルスペックV16試作エンジンが完成し、この後間もなくダイノマシンでのテストが開始されることに。

この新型V16は、8.3リッター自然吸気で、最大出力は1,000馬力（9,000rpm）を発生。さらにハイブリッドシステムとの統合により、システム合計出力は1,800馬力にも達します。

「このV16エンジンは、全長1メートル近くもある巨大なユニット。クランクシャフトの大きさは想像を絶するレベルです。まさにブガッティらしい、唯一無二の挑戦なのです。」
— ブガッティ・リマック CTO エミリオ・スケルボ

■ V16＋ハイブリッド＝Tourbillon（トゥールビヨン）の誕生

この革新的なパワートレインが初めて搭載されるモデルが、ブガッティ・トゥールビヨン（Tourbillon）。

自然吸気V16エンジンの官能的なサウンドとリニアなレスポンス、そこに電動モーターの瞬時トルクが加わることで、これまでにない感情に訴える走行体験を実現しています。

• 内燃エンジン：8.3L V16 自然吸気（1,000 HP / 900 Nm）
• 電動モーター：3基合計で800 HP
• システム合計出力：1,800 HP
• 0-100km/h加速：2.0秒
• 最高速度：445km/h（276mph）
  

■ V16エンジンがもたらす、未体験の走りと芸術性

自然吸気エンジンの心臓部であるプレナム（吸気室）も、性能と美の両立を追求し、何度も試作と調整が繰り返されました。

「ブガッティは常に常識にとらわれず、新しい挑戦に取り組んできました。このV16は、その精神を完璧に体現する芸術作品です。」
— エミリオ・スケルボ

このV16は単なるエンジンではなく、機械芸術の粋。ツールビヨンは市販車として唯一、V16自然吸気エンジンを搭載するハイパースポーツカーであり、ブガッティの次なる時代の象徴でもあります。

ブガッティ・トゥールビヨンに積まれる「V16」エンジンの開発過程を紹介する動画はこちら

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参照：Bugatti