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本家ポルシェが911ダカールを発売したことでレストモッド市場にも変化?カルマーが空冷から997世代までの「911サファリ」カスタムを強化し新作「RS-7」を発表

本家ポルシェが911ダカールを発売したことでレストモッド市場にも変化?カルマーが空冷から997世代までの「911サファリ」カスタムを強化し新作「RS-7」を発表

| 今後、ほかのレスとモッダーからも同様の「911サファリ」が登場するのかも |

比較的安価、そして信頼性の高い997世代の911をベースにするのは賢い選択でもある

さて、何度もお届けしているとおり、現在ポルシェ911のレストモッドには様々な選択肢が存在し、つまりは百花繚乱な状況にあるとも考えられます。

そしてここ最近勢力を伸ばしてきているのがカルマー・オートモーティブであり、同社では様々な方向性を持つレストモッドを展開しているのが特徴で、たとえばシンガー・ヴィークル・デザインやガンサーワークスのように「ブランディングに沿った一定の方向性」の製品を提供するのではなく、自社が提案するレストモッドのほか、顧客との相談のうえ、「顧客が望む形にて」車両を製作するという相違があるように思えます。

ポルシェのスペシャリストが注文した911レストモッド「7-97クラシック」が完成。こう見えてベースは993、アダプティブサスやドライブモードセレクターなど現代的な装備も
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カルマー・オートモーティブでは「911サファリ」に注力

そこで今回カルマー・オートモーティブがいくつか紹介しているレストモッドが「サファリ系」。

そもそもサファリ系レストモッドは「サファリラリーに参戦したポルシェ911」への敬意を捧げたもので、これまでにもいくつかのショップ、そして個人が同様のカスタムを施す傾向が見られたものの、名の知れたレストモッダーがこれを提供する例は珍しいんじゃないかと思います。

なお、この「サファリ系911カスタム」が表舞台に出ることになったのは本家ポルシェが発売した「911ダカール」のヒットが根底にあるのだと考えられ、そこでカルマー・オートモーティブもこの流れに乗ることにしたのだと思われます。

さよならポルシェ911ダカール・・・。ポルシェが「911ダカール最後の1台」を特別仕様へとカスタム。オーナーの要望にて特別なブルーが調合される
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実際のところ、カルマー・オートモーティブはオフロード部門として「カルマー・ビヨンド・アドベンチャー」を設立し、サファリ仕様を本格的にラインアップすることになったとアナウンスしていますが、この部門では今まで「空冷、あるいは996世代の911」のみに限って提供していた911サファリの適用範囲を997世代の911にまで拡大すると述べています。

なお、997世代は先代である996から大きな進化を果たし、信頼性や快適性が大きく向上していて、しかし中古価格が割安であるために消費者にとっても「ありがたい」選択肢なのかもしれません。

カルマー・オートモーティブは997世代の「サファリ」カスタム、RS-7をリリース

今回リリースされた997世代の911サファリ仕様「RS-7」では、これまでカルマーが手掛けてきたサファリスタイルのレストモッドに比較しても大幅な改良が加えられており、フロントおよびリアバンパーは専用設計され、アルミ製の補強バーが装着されることに。

これにより、エアインテークやエアアウトレットが拡大し、冷却性能が向上するとともに、よりアグレッシブで機能的な外観になっています。

サイドにはケブラー製のワイドフェンダーを装着し、オフロード用の大径タイヤでも十分なクリアランスを確保するとともに、ルーフにはスペアタイヤキャリアを標準装備するほか、オプションでカーゴキャリアシステムの追加、フロントフードには補助ライトポッドの追加も可能なのだそう。

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Image:Kalmar Automotive

もちろんメカニカルアップグレードも施され、RS-7にはTracTive製の調整式アダプティブ油圧サスペンションが標準装備されるほか、サブフレームを下げることで最低地上高とサスペンショントラベルを増加させており、標準車高では最低地上高約21cm、リフトアップ時には約24cm(ジープ・ラングラーのベースモデルと同じ)という数値を確保することに。

加えて、オイルクーラーの追加、リミテッドスリップデフ(LSD)、ショックアブソーバートップマウントの補強、そしてアンダーボディ全体をカバーするアルミ製スキッドプレートなど、多くの強化パーツが採用され、「見た目だけの」サファリ仕様ではない、ということですね。

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Image:Kalmar Automotive

インテリアだとレカロ製シートにクラシックな「ペピータ(千鳥格子)柄」のファブリックを採用し、オリジナルのインフォテインメントシステムとオーディオシステムは軽量化のために撤去されるものの、その代わりとしてBluetoothスピーカーとUSB充電ポートが装備され、さらに後部にはロールケージが設置されることで「万が一の際の」安全性を高めています。

なお、カルマー・オートモーティブはこのRS-7のコンバージョン価格についてアナウンスを行っていないものの、996ベースの「サファリ」コンバージョンの価格は約750万円であったので、それよりも(RS-7のほうが内容が充実しているため)高額となるのは間違いなさそう。

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Image:Kalmar Automotive

しかしそれでも、(ベースとなる997の価格を含めても)911ダカールを購入するよりは圧倒的に安価にて911のオフロードバージョンを手にすることができるのかもしれません。

そしてもちろん、その価格は「顧客が指定する内容によって」大きく変わることも間違いないものと思われます。

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