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ステランティスが研究所を開設し「バッテリー重量を半分にする」と発表。数年後に発表される新型アルファロメオ・ジュリアEVから順次採用の予定

アルファロメオ

| ステランティスは現在、中国製EVの侵略という大きな問題にさらされている |

なんとかして優位性を見つけなければ生き残ることが難しい状態に

さて、現在欧州では中国製EVの進出が問題となっていると連日報じられている状況ですが、その中でも最も大きな影響を受けており、さらに中国市場でもいちばんシェアを落としていると言われるのがフランス車。

実際のところ、プジョーやシトロエン、DSを抱えるステランティスグループのカルロス・タバレスCEOは以前から「中国からやって来る脅威に備えねばならない」とも語っており、中国車の製造コストの低さには警鐘を鳴らし続けていたわけですね。

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ステランティスは「バッテリー重量を半分にする」

そして今回、ステランティスはイタリアのトリノに建設したステランティス・ミラフィオーリ・バッテリー・テクノロジー・センターの開所式の場にて「バッテリー重量を50%削減する」と発表。

これについては直接の製造コスト削減にはならないものの、重量を半分にできればその分クルマを軽くでき、軽くできれば一回の満充電あたり航続可能距離も長くなり、となれば「コストパフォーマンスに優れるEV」を作ることができる可能性も出てきます(航続距離をそのままにしておけば、バッテリー容量を少なくできるので生産コストが下がる)。

ステランティスによれば「現在のバッテリーは重すぎる」とのことで、新しいバッテリー技術とより効率的なセルパッケージングを導入し、2030年までに重量を半分に減らすことについて言及していますが、もしかするとバッテリーの製造原価を引き下げることは難しく、しかしその代わりの(間接的なコスト引き下げ)手段として採用したのがこの「重量削減」なのかもしれません。

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軽量化計画の一部には、最近ステランティスが買収したシリコンバレーのリッテン社が開発中だとされる「より軽量で安価なリチウム硫黄電池の使用」が含まれており、現在のスタンダードであるリチウムイオン電池よりも希少希土類の使用量が少ないために二酸化炭素排出量の削減も期待されています。

このステランティスの新工場では、バッテリーパック、高電圧セル、モジュール、ソフトウェアの設計、開発、テストが行われ、その結果として恩恵は、数年後に高性能EVととして登場する予定のスポーツセダン、アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオをはじめとし、その後ステランティスすべてのクルマへと拡大されることとなるもよう。

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なお、バッテリー密度の増加、製造コストの引き下げについて言及する自動車メーカーは多いものの、このバッテリー重量の削減をトッププライオリティに掲げる例はけっこう珍しく(バッテリー密度の向上も結果的に軽量化にには繋がるが)、しかし軽量化は車両そのものの効率性の向上、さらには道路に対する攻撃性の低減、立体駐車場はじめ様々な設備に対する負荷の小ささなど様々なメリットがあり、ある意味これは最も先に追求する問題なのかもしれませんね。

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参照:Autocar

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