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フェラーリが「初のエレクトリックハイパーカーは完全にユニークで、真のフェラーリとなるだろう」。ボクはもはやこのコメントには疑う余地がないと考えている

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| フェラーリは数日前にも「SUVであっても真のフェラーリ」を作ることができると証明したばかり |

ガソリンエンジンがないと楽しいクルマができないと多くの自動車メーカーは考えているが

フェラーリは先ごろ発表された新しい中期計画にて「2025年を目処にピュアエレクトリックハイパーカーを発売する」とコメントしていますが、今回そのピュアEVについて新フェラーリCEO、ベネデット・ビーニャ氏が「独自性を持ち、真のフェラーリとなるだろう」とコメント。

同氏はこれまでにも「増加する重量に対しても(ドライビングダイナミクスを維持するために)適切に対処できる」「ファン・トゥ・ドライブを達成するためにあらゆる努力を行っている」とコメントしており、そのバックボーンにあるのはフェラーリがこれまでに培ってきた技術だとも述べています。

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なぜフェラーリは急速に電動化へと向かうのか?

なお、フェラーリは「もっとも優れたガソリンエンジンを作る自動車メーカー」のひとつではあるものの、かなり早い段階から電動化を行い、ラフェラーリ、SF90ストラダーレ/SF90スパイダー、296GTB/296GTSといったハイブリッドカーを市場投入しています。

(少量限定モデルではない)量産スポーツカーというくくりではポルシェ、ランボルギーニ、マクラーレンよりも電動化への対応が早く、「なぜそんなに電動化を急ぐのか」といぶかる人も多いかもしれません。※CEO含む経営陣についても、自動車業界からではなく、エレクトロニクス業界から新しく招き入れるなど電動化に対応できる体制を構築している

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そこまで急激に電動化を進める理由については公式に語られているわけではありませんが、ぼくが思うのは「今後ガソリンエンジンにこだわり続けると、楽しいクルマを作ることができなくなるから」。

実際のところ、フェラーリは株主総会にて「ユーロ7が導入されれば、サウンドやドライビングプレジャーが失われてしまうだろう」とも語っており、逃れられないユーロ7にガソリンエンジンを無理やり対応させ、触媒で重量を増加させたりサウンドを抑え込むよりも、スパっと見切りをつけて「電動化から逃れられないのであれば、電動化されていても楽しめるクルマを開発する方に動いたほうが建設的である」と考えたんじゃないかと推測しているわけですね。

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どうやってフェラーリは電動化で「楽しいクルマ」を?

なお、フェラーリがSF90ストラダーレを発表した際にコメントしたのが「環境に対する妥協としてこのクルマを作ったのではなく、より速く走るために電動化を活用した」「重量増加を補ってあまりあるパフォーマンスを(エレクトリック化によって)獲得している」。

これについては疑う余地が(わずかなりとも)ないものの、フェラーリは数字のみの速さを追求しているわけではなく、ここ最近になって「ファン・トゥ・ドライブ」という言葉を多用することに。

文字通り運転する楽しさということですが、フェラーリはこれを5つの項目に分け、それぞれ指標をもって計測し、開発に活用しているといいます。

その5つとは「ハンドル操作に対する反応、ハンドル操作に対するリアアクスルの反応、ひいては扱いやすさを決定する横加速度(G)」「アクセルペダルに対する反応の速さと滑らかさを示す縦加速度」「変速時間やギアチェンジのフィーリング」「ブレーキペダルの踏み込み量と反応」「車室内の音の大きさや質感、回転数の上昇に伴うエンジン音の変化」。

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もちろんEVに直接当てはまらないものもありますが、ちょっとしたアレンジにて(EVにも)適用することができ、フェラーリはガソリンエンジンだろうがハイブリッドだろうがEVだろうが「同じ」指標を用いて開発することにより、電動化車両であってもガソリン車と同じドライビングダイナミクスを実現する事が可能だと考えているのかもしれませんね。

ただ、達成すべき指標が同じだとしてもその手法はガソリン、PHEV、EVで全く異なるはずで、それについては「早くから手を付け、ノウハウを積んだものが勝つ」のは他の業界同様であり、これもまたフェラーリが早々に電動化に向けて動いている理由なのだと思われます。

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ちなみにですが、フェラーリはいくつかEVに関する特許を出願していて、中には「バッテリーを小分けして積む」というものも。

もちろんこれは重量配分、そして上述の指標クリアを考慮してのことだと思われますが、こういったレイアウトを実現するには車体とバッテリーとの緊密な関係性が求められ、だからこそフェラーリはバッテリーを「サプライヤーから仕入れる」のではなく自社にて生産することにしたのかもしれません。

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参照:Top Gear

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