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なぜV12エンジンはフェラーリにとってDNAそのものなのか?V12エンジンのルーツ、変遷、F1での終焉、そして現在、さらにはその未来

2022/11/26

フェラーリ

| やはりV12エンジン搭載フェラーリはどこかで手に入れておかねばならないだろう |

ひとくちにフェラーリのV12といえど、様々な世代や形式がある

さて、フェラーリがそのDNAともいえる「V12」エンジンに関するコンテンツを公開。

フェラーリは創業以来75年にわたってV12エンジンを製造しており、このV12エンジンはF1グランプリはじめ各モータースポーツでも大きな功績を残していて、そして言うまでもなくその素晴らしいサウンドによってそのオーナーを魅了し続けています。

ただ、驚かされるのは、フェラーリがこのご時世におよんで「プロサングエに自然吸気V12エンジンを搭載してきたこと」で、これは多くの自動車メーカーがV12エンジンをターボ化してなんとか生き残らせ、しかしそれでも排ガス規制を満たせずに廃止し、もしくは廃止を宣言している現状に「真っ向から対抗する」ものであり、いかにフェラーリがV12エンジンに対して強い思い入れを持つかを表す事象だと言えそうです。

ちなみにですが、スティーブ・ジョブズは「何を捨てるかで誇りが問われ、何を守るかで愛情が問われる」という名言を残していますが、フェラーリにとってV12エンジンとは「なんとしても守り抜かなければならないもの」なのでしょうね。

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なぜフェラーリはV12エンジンを選んだのか

V12エンジンは、2バンクの6気筒エンジンを共通のクランクシャフトでV字型に配置したもので、通常60度(またはそれに近い角度)に配置されており、レーシングボートに採用された後、スピットファイアやメッサーシュミットなどの戦闘機に搭載され、大戦前には、ロールス・ロイスやキャデラックなど、さまざまな高級車メーカーに採用されています。

戦後、エンツォ・フェラーリは(自らの名を冠した)最初のフェラーリの製作に取り掛かかることになりますが、ここで選ばれたのがV型12気筒。

「なぜV12なのか?」という問いに対する答えは「V12は完璧なバランスを保っているため、振動が少ない」というもので、そのほかにはパワーデリバリーが非常にスムーズ、かつシリンダーサイズが小さいために高回転が可能になるというメリットも。

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そしてもちろん必然的に大排気量となるため、より多くの空気と燃料を取り込むことができ、結果的にパワーを高めることができるわけですね。

一方で「高価で複雑」という問題もあり、現代では(その排気量の大きさに起因して)排ガス規制をクリアすることが非常に困難であるというデメリットも存在します。

ただ、エンツォ・フェラーリは、V12エンジンが一レーシングカーに適していること、そしてグランドツアラーに最適であることを理解していたといい、しかし創業したばかりのフェラーリにとって自社による独自のV12エンジンを開発することは非常に困難。

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しかしそれでも、エンツォ・フェラーリは「新型V12エンジン」の開発を、1950年と1951年のF1世界選手権で優勝したアルファロメオの直8 / 1.5リッターエンジンを設計したジョアキーノ・コロンボに依頼することに。

このV12エンジンは当時のF1レギュレーションに合わせて1.5リッターの排気量を持っていますが、1947年にはフェラーリ初のスポーツカー、125Sに搭載されてデビューするやいなや13戦中6勝を挙げています。

その後にはスーパーチャージャーでパワーアップしたフェラーリ初のF1マシン、125F1(948年型)が登場して初戦のイタリアGPで3位入賞を果たし、翌年にはダブルオーバーヘッドカムシャフト版が導入されるなど数々の改良が加えられています。

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フェラーリのV12エンジンは多様化の時代を迎える

その後、1989年に4.9リッターに達するまで、コロンボV12エンジンはフェラーリに搭載され続け、とくに1959年のショートホイールベース250GTベルリネッタ、1962年のフェラーリ250GTO、1968年の365GTB4デイトナなど、フェラーリの名車はいずれもコロンボV12を搭載していることで知られ、歴史上、最も有名、かつ最も長寿なV12であるとも言われています。

1950年になるとジョアキーノ・コロンボはアルファロメオに戻り、後任のテクニカルディレクターとしてアウレリオ・ランプレディが就任しますが、ランプレディが開発したV12エンジンは、フェラーリのF1初優勝(1951年イギリスGP)、スクーデリア・フェラーリにとって初の2連続世界スポーツカー選手権(1953年と1954年)の獲得に貢献し、1956年の410スーパーアメリカ含むエレガントなグランドツアラーに搭載されることに。

次の新型V12は1930年代のアルファロメオを成功に導いたエンジニアであり、エンツォ・フェラーリの友人でもあったヴィットリオ・ヤーノによるもので、こちらは1956年と1957年の2回にわたり、フェラーリの世界スポーツカー選手権を制覇しています。

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そしてフェラーリが次に開発した12気筒エンジンは、V型12気筒ではなくフラット12ボクサーエンジン。

新テクニカルディレクター、マウロ・フォルギエリによって設計され、ニキ・ラウダの世界チャンピオンマシンを含む、70年代のフェラーリのF1マシンに搭載されることになり、このフラット12のロードバージョンは、365GT4ベルリネッタボクサーやテスタロッサにも搭載されています。

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1989年になるとF1用として3.5リッターV12エンジンが登場して優勝を記録した後、「公道を走るF1」というコンセプトのもと、このエンジンは4.7リッターに拡大されてF50に搭載。

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フェラーリのF1用V12エンジンはついに終焉を迎える

一方、F1用としては1995年に導入されたF1の新しいレギュレーションによって3.0リッターに縮小されることとなりますが、これがフェラーリにとって最後のF1用V12エンジンとなっています。

ロードカーにおいては、長寿を誇ったコロンボV12が(1992年に)F116/F133へと置き換わり、456 GT、550マラネロ、612スカリエッティに搭載。

2002年には新型のF140 V12が導入されてエンツォフェラーリへと搭載され、現在では最新の6.5リッターV12エンジンとして、812スーパーファスト/GTS、デイトナSP3、そして新型プロサングエに搭載されています。

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なお、フェラーリのV12エンジンについては今後どうなるのかわかりませんが、フェラーリは「新型V12エンジンを開発中」というコメントも出しており、通常ラインナップに関しては電動化を進めつつ、一方でコレクター向けの少量限定モデルについては自然吸気V12エンジンを継続する可能性がありそうですね。

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参照:Ferrari

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