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フェラーリがレッドドットアワードにてプロサングエ、ヴィジョンGT、296GTSがそれぞれ受賞したと発表!現代フェラーリのデザインはピニンファリーナ時代からこう変わった

2023/04/13

フェラーリ

| 時代に合わせてそのデザインが大きく変わりつつも、誰が見ても「フェラーリ」だとわかるデザインを維持していることに驚かされる |

そしてピュアエレクトリック時代のフェラーリのデザインは更に大きく変化してゆくことになりそうだ

さて、フェラーリが「世界的なプロダクトデザインアワードであるレッドドット賞において3つの製品が受賞を果たした」と発表。

まずひとつは「プロダクトデザインカテゴリー」におけるプロサングエ、そして「イノベーティブプロダクツカテゴリ」ではフェラーリ・ヴィジョンGT、3つ目はレッドドット賞を獲得した296GTS。

なお、これらのほかにもフェラーリはデイトナSP3などいくつかの新型車を発表しているものの、それらの受賞については触れられていないので、このアワードに応募していなかったのかもしれません(これらの受賞はエントリーした製品の中から審査が行われる)。

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フェラーリのデザインは近年になって大きな変化を見せている

現在フェラーリにてデザイン部門の指揮を執るのはフラビオ・マンゾーニ(マンツォーニ)氏。

同氏はフェラーリに入る前にはフォルクスワーゲンに在籍しており、ワルター・デ・シルヴァ氏の下でシロッコそしてup!をデザインしていますが、フェラーリに入った後にFF、F12ベルリネッタ、458スペチアーレ、カリフォルニアT、ラ・フェラーリ、488GTB/スパイダー、812スーパーファスト、ポルトフィーノ、モンツァSP1/SP2、SF90ストラダーレ、SF90スパイダー、ポルトフィーノM、F8トリブート/スパイダー、SF90ストラダーレ/SF90スパイダー、296GTB/296GTS、デイトナSP3、ローマ/ローマ・スパイダー等をデザインにしています。

加えてそのデザインの対象が非常に広く、ポルトローナ・フラウとのコラボレーションによる一連のチェア、ウブロとのコラボレーションウォッチである「フェラーリGT」、そしてモンブランとのパートナーシップ契約に基づいた万年筆など、これまでのフェラーリのデザイナーであれば直接関与しなかった(自動車以外の)ジャンルにまで手を伸ばしているのは特筆すべきところでもありますね。

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フラビオ・マンツォーニ氏のデザインには大きな特徴も

なお、フラビオ・マンツォーニ氏のデザインにはいくつか特徴があり、「曲面を多用すること」、そして「複雑なディティールを組み合わせること」、さらに「反復する複数のライン、デザインエレメントを盛り込むこと」。

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ディティール面で言えばSF90ストラダーレに顕著な「ハンマーヘッドシャーク」に・・・。

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プロサングエのフロントフードに見られるような「空気の通り道」を作ることも同氏の特徴(画像は同氏のデザインしたフェラーリのコンセプトカー、”テンソ”)。

この空気の通り道についてはフロントフードのみではなく、デイトナSP3のサイドにも用いられており、さまざまなモデルにおいて、さまざまな手法を用いつつ再現されています。

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さらには「分断されたライン」を複数組み合わせることも同氏が好んで用いる手法であり、カーデザイナー兼ユーチューバーであるスケッチモンキー氏によればピニンファリーナ時代には「各ラインの整合性や連続性が保たれていた」。

たとえばフェラーリ458はピニンファリーナによるデザインですが、フェラーリはピニンファリーナにこのデザインを依頼する際にリアフェンダー上にダクトを設けるように指示したものの、ピニンファリーナは「デザインが台無しになる」としてこれを頑として拒否し、結果的にサイドクォーターウインドウとCピラーとの間に”目立たない”ダクトを設けています(それほどまでにラインが途切れることを嫌っていた)。

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その458の改良版である488はピニンファリーナの手を離れ、フェラーリのインハウスつまりフラビオ・マンゾーニ氏が率いるチェントロ・スティーレがデザインを行うことになり、ここでリアフェンダー上のダクトが登場するわけですね。

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そのほかサイドの「地面と平行な」ライン、そして前後フェンダーの盛り上がりといった「線と円」、そして一筆書きのような流れが分断された複数のラインが入るのもフラビオ・マンゾーニ氏が好むデザイン的特徴で・・・。

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これは499Pや・・・。

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フェラーリ・ヴィジョン・グランツーリスモでも同じです。

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この「膨らみ」もまた現代フェラーリの一つの特徴(過去のフェラーリのレーシングカーの再解釈でもある)。

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そしてこういった複雑なラインはピニンファリーナ時代ではまず考えられなかったものではありますが、よく見るとそれぞれのラインやディティールには整合性があり、非常によく考えられた構造を持つことも見て取れますね。

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こういった感じで、現代のフェラーリに採用されるデザインはピニンファリーナ時代の「流れるような」デザインとは異なり、複数のデザイン的要素や複雑なディティールが組み合わせられているということがわかりますが、今回の受賞はそういったフラビオ・マンゾーニ氏の手腕が評価されたひとつの事例だとも考えて良いかと思います。

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参照:Ferrari(Facebook)

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