| 意外とフェラーリは昔から「ユーティリティの高いクルマ」に興味を持っていた |
そしてコーチビルダーはさらにユーティリティの高いフェラーリを作っていた
さて、カーメディア、Jalopnikがオンラインにて「もっとも醜いフェラーリはどれだろう」という記事を公開。
これは同メディアの独断ではなく、読者からの意見も交えた結果だそうですが、中には意外なもの、そして「こんなものもあったのか」というフェラーリも入っています。
フェラーリはなによりもサーキットにおいて速く走ることができるクルマを作ろうとしていますが、それと同じか、それ以上に美しいクルマを作ることに情熱を割いており、しかしその情熱が評価されなかったクルマたち(あくまでカーメディアと読者の見解)も存在するようで、ここでそれらを見てみましょう。
フェラーリが作ったクルマの中で「美しくない」クルマは?
そしてカーメディア、読者の考える美しくないクルマにつき、まず筆頭に挙げられているのは512M。
じゅうぶんに美しいクルマだと思うのですが、「固定式ヘッドライト」と車体とのデザイン的マッチングがよくなかったのかもしれません(当時、デイライト法が導入され、固定式ヘッドライトを採用する必要が生じたが、もともとそれを前提にした車体デザインがなされていない)。
次はフェラーリ400i。
80年代なかばのトヨタ車のように見えるともコメントされていて、「2+2の不格好なルックスに、ちょっと角ばったレーシーなスタイルを持ち込もうとした」ことに無理があり、ピニンファリーナが”自動車らしいフェラーリ”を作ろうとして失敗したと評されていますが、たしかに「普通っぽいクルマに寄せた」という印象がありますね。
612スカリエッティ。
ボンネットの長さを強調しすぎたこと、「ギョロ目」ヘッドライト、間延びしたデザインなどが「ミツオカ車のようだ」と断じられ、けっこうな酷評がなされていますね。
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575マラネロについては、「歯列矯正とメガネをかけた中学生の自分みたいだ」、そして間延びしているというコメント(そこまで言われるゆえんはないと思う・・・)。
288 GTO エボルツィオーネも今回のリストに顔を出していて、これは「美しさよりも機能を最優先させた」からなのかもしれません。
フェラーリだけではありませんが、「機能を最優先させたがために」美しさを残った例としては、ル・マン24時間レース用のLMP1マシンなどが挙げられるかと思います。
1971年のジュネーブ・モーターショーにて発表された365GTC/4。
フィアットがフェラーリの生産車部門を引き継いだ後に発表された「はじめての」フェラーリであり、それまでの「優雅な曲線を持つ」時代から「ウェッジシェイプに」移行しつつあった過渡期にあった一台です(まだピニンファリーナがそれに慣れていなかったのだと思う)。
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フェラーリ・モンディアル。
スタイリング的には「悪くない」と思うのですが、パフォーマンスが高くない(0−100km/h加速が9.2秒)こと、そしてその価格が(高価であった)ポルシェ930ターボの2倍であったと言われます。
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コーチビルダーによってカスタムされたフェラーリ、コンセプトカーもリストに登場
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こちらはサウジアラビアの王子のために作られた特注品、メーラS(Ferrari Meera S by Michelotti)。
1972年モデルのフェラーリ365GT4 2+2をベースに伝説的デザイナーのジョバンニ・ミケロッティがデザインとカスタムを行ったものです。
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1965年式330GT 2+2 ビニャーレ・シューティングブレーク(Vignale Shooting Break)VIN 7963。
元々はチネッティ・モーターズが "スタンダード "の330GT 2+2として米国に輸入したもので、しかし売れ残ってしまい、1967年にカロッツェリア・ヴィニャーレに送られたのち、1968年のトリノモーターショーに向け、「スポーツワゴン」(シューティングブレーク)に仕立て直されたという経歴を持っています。
なんとも奇異な過去をもつものの、現在ではその希少性が高く評価されているようですね。
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フェラーリFZ93 Zagato(Ferrari Formula Zagato 93)。
これはザガートによるコンセプトカーですが、「美しくない」ことについて説明は不要かもしれません。
フェラーリ512TRをベースとし、自然吸気V12/4.9リッター(390馬力)エンジンを積み、1993年のジュネーブ・モーターショーでデビューしています。
オリジナルはレッドとブラックのツートンカラーにて発表され、しかしのちにザガートはこれをレッド一色にペイントし「ES1」と再命名することに。
こちらはフェラーリ「ピニン」。
ピニンファリーナ50周年を記念して1980年に発表された「フェラーリ初の」4ドアボディを持つコンセプトカー(ベースはフェラーリ400)。
ピニンファリーナの父親の名である「ピニン」という名を冠し、プロジェクトPF1000として市販化を前提に開発が進められ、当時エンツォ・フェラーリ、ルカ・ディ・モンテゼーモロCEOともに高い評価を下したと言われるものの、(おそらくは当時のフェラーリの親会社であった)フィアットの賛同を得られず、市販化に至らなかったクルマ。
フェラーリは4ドアこそ(それまで)作っていなかったものの、2+2レイアウトを持つクルマを数多くリリースしており、その後のFFなどを見ても「実用性」に強い興味を持っていたということがわかり、そう考えるとプロサングエの登場は必然であったのかもしれません。
1956年にカロッツェリア・ギアが制作した「フェラーリ・スーペルアメリカ410」。
さすがにこれは「ちょっとヤバいな・・・」という例ですね。
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参照:Jalopnik