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フェラーリ「効率性ではV8ターボに分があるが、感情を揺さぶるという点ではV12以外の選択はない」。2024年デビューとされる812後継にはやはり自然吸気V12搭載か

フェラーリ

| 「感情に訴えかける」にはターボ、ハイブリッドを排除し、自然吸気を貫くしかなさそうだ |

フェラーリとV12エンジンとは切っても切れない関係にある

さて、2024年に行われるであろう発表を前にしてチョコチョコとウワサが出てきているのが「フェラーリ812スーパーファストの後継モデル」。

812スーパーファストはフロントにV12エンジンを搭載するフェラーリの(カタログモデルの)フラッグシップですが、現在は812GTSとともに受注を終了し、その後継モデルの発表が待たれている状況です。

フェラーリ812後継モデルの詳細については一切分かっていない

そしてこの812スーパーファスト後継モデルにつき、ローマの外装パネルを装着してテストを行っている姿が多数目撃されており、よって「ローマ風の外観になるのでは」とも言われているものの、ぼくとしては「全く別のデザインになるのでは」と考えています。

というのも、ローマはフェラーリの中で「ライフスタイル」に分類されるエレガントなモデルラインアップで、しかし812スーパーファストはV8ミドシップシリーズや296GTB/296GTSと同じく「スポーツ」として捉えられているシリーズだから。

よって、ローマ風の外観でテストしているのは「ただ単に、ローマの外装を(同じフロントエンジンということで)流用するのが手っ取り早かったから」だとも考えられ、実際の(812スーパーファスト後継モデルの)デザインはもっとアグレッシブなものになるのではないかと推測しています。※プロサングエも暫くの間、マセラティ・レヴァンテの外板を使用してテストを行っていた

2022-10-08 7.53.22

フェラーリがローマの車体にV12エンジンを搭載した新型車をテスト中!「V12オンリー」なのか「ハイブリッド、もしくはターボ」なのかが気になる
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フェラーリ「我々はV12エンジンのために戦わねばならない」

そこで今回クローズアップされているのが、フェラーリのチーフデザイナーを務めるフラビオ・マンゾーニ氏の発言です。

テクノロジーや効率の観点からすれば、V12エンジンは最も優れているとは言えず、V8ターボのほうがより良い可能性があります。しかしエモーションという観点から言えば、V12エンジンが最高のパワーユニットであり、個人的見地からすると、我々はV12エンジンを残すために戦わなければならないでしょう。

興味深いのは、同氏が「V8ターボのほうがV12よりも優れる可能性」を認めていることで、しかしそれでもV12エンジンを残すべきだと言及していること。

フェラーリはV12エンジンとともにその歴史の歩みを始めたと考えてよく、エンツォ・フェラーリはV12エンジンを「最高のエンジン形式」だと捉え、フェラーリはル・マン24時間レースにおいて、V12エンジンを搭載して初めて優勝した自動車メーカーとしても知られています。

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フェラーリが「V12エンジン」についての情熱を語る。V12エンジンはメリットが多く、しかしその代償はコストではあるが、フェラーリはコストを気にしない
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実際のところ、フェラーリは今後の規制にも対応しうるV12エンジンを開発中だと言われていますが、現時点ではこのV12エンジンが「ハイブリッドなのか、ターボなのか、自然吸気なのか」は一切不明。

過去にフェラーリはターボを否定したものの「V12エンジンがターボ化される」というウワサも聞かれ、よってターボの可能性もゼロではないのかも。

フェラーリのエンブレム
フェラーリがついにV12エンジンをターボ化?なぜハイブリッドではなく「絶対にない」と主張していたターボを選択するのか

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一方でハイブリッドに関しては「小排気量エンジンなど、トルクの薄いエンジンとの組み合わせには向いているが、大排気量V12との組み合わせではあまり意味がない」とコメントしたことがあり、よってV12エンジンにハイブリッドをプラスすることはないのかもしれません(ただしハイブリッドについても日進月歩であり、ハイブリッド装着を前提にガソリンエンジンの出力特性を変化させるという考え方も登場している)。

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さらに「効率性に劣る可能性」を認めながらもV12エンジンを存続させる”必要性”に言及していること、そして「感情に訴えかける」ことを重要視するのであれば、やはりターボとハイブリッドの採用は「もともと眼中にない」のだとも考えられ、812スーパーファスト後継モデルに搭載されるのは「自然吸気V12」なんじゃないかと考えています(そして自然吸気V12エンジンを存続させるため、フェラーリは他のエンジン型式をすべてハイブリッド化し、メーカーとしてのCO2総排出量を下げようとしているのかもしれない)。

参考までに、フェラーリはベネデット・ビーニャCEOのもと、「2026年までに販売台数のうち40%が純粋なガソリンエンジン登載車として残り、2030年までには20%になる」と語っているものの、その後外部的要因としてユーロ7の導入内容が緩和されたり、合成燃料(Eフューエル)の合法化といった新しい動きも出てきており、加えて同氏は合成燃料について歓迎の意向を示しているため、現在のフェラーリでは1年前とは少し違う計画へと「未来をシフト」している可能性もありそうですね。

EUが「ユーロ7導入内容を緩和」。事実上は自動車メーカーの要求を聞き入れた形となるものの、現在の自動車メーカーは頻繁に行われる規制変更に翻弄されることに
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参照:Autocar

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