以前はハイブリッド化を明言していたフェラーリが突然の方向転換
フェラーリが「V12エンジン継続」をあらためて表明。
そして驚くべきことにV12エンジンは「自然吸気」そして「ハイブリッドなし」で継続する、と述べています。
これはフェラーリの技術部門責任者、マイケル・レイタース氏が語ったもので、「我々は最新の排ガス規制に対応できるよう、V12エンジンをより効率的で、クリーンなものにする」。
現在、V12エンジンは瀕死の危機
なおV12エンジンは自動車史上、そしていくつかのメーカーにとっては非常に重要な存在であり象徴でもありますが、メルセデス・ベンツとBMWは(環境規制に対応するのが難しいため)これを廃止の意向で動いており、アストンマーティンは(やはり環境規制適応のため)V12エンジンをターボ化。
現在メジャーメーカーで自然吸気V12エンジンを持つのはランボルギーニとフェラーリくらいになってしまいましたが、ランボルギーニは「ハイブリッド化」にて自然吸気V12エンジンを継続させる、と明言。※そのため、812スーパーファストは自然吸気V12エンジンのみで駆動する「最後のフェラーリ」になると考えられていた
そして今回フェラーリは「自然吸気V12エンジンを単独で」存続させると語っているものの、これは以前の決定とは異なるもので、なんらかの変更が社内でもたらされた模様。
ちなみに以前は「V12もハイブリッド化」「2019年以降に発売するニューモデルは全部ハイブリッド」というものでしたが、実際に「F8トリブート」はハイブリッドではなく、かつ今回「V12エンジンはハイブリッド化しない」と語っているので、路線が変更されたということになりますね。
そして前出のマイケル・レイタース氏によると「我々にとってはV12エンジンのハイブリッド化などもってのほかだ。そして我々は自然吸気V12エンジン、つまり我々のブランドの「コア」を守るために全力で戦うつもりだ。ハイブリッドV12?そんなものは見たくもない」。
なお、フェラーリはV12エンジンに対して非常に重きを置いており、エンツォ・フェラーリも「V12エンジンを搭載しないモデルはフェラーリと呼べない」と言い放ったほど。
そしてフェラーリは今後V6ターボ+ハイブリッドを登場させますが、その状況で「V12エンジンまでハイブリッド化してしまうとブランド価値を損ねる」と判断し、V12エンジンを自然吸気のまま残すことで小排気量ターボ+ハイブリッドを投入する「免罪符」としたいのかもしれません。
ちなみにマイケル・レイタース氏が語るには、「大排気量エンジンとハイブリッドとの組み合わせは意味がない」。
ハイブリッドは小排気量エンジンと組み合わせられるべきだと語っており、ただしラ・フェラーリの場合は「パフォーマンス追求」のためにハイブリッド化を行ったのであって、これは環境規制対応のためのV12+ハイブリッドではない(つまりV12生き残りのためのハイブリッド化するのとは意味が異なる)、と主張。
今回の発言は非常に「驚くべきもの」で、ある意味では(V12をハイブリッド化して存続させる意向の)ランボルギーニに対するあてつけのようなものかもしれませんね。
VIA: Top Gear