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まったく「ブレない」スーパーカーメーカー、ランボルギーニ。そのモデル名、ボディカラー名、ホイール名などは神話や星座に関係し、こういった由来を持っている

2021/11/12

ランボルギーニ・エッセンツァSCV12

| ランボルギーニのエンブレム自体が「牡牛座」を表している |

設立以降、何度オーナーが変われども星座や神話に由来する名称を一貫して採用してきた

さて、現在様々な自動車メーカーがその「命名」について見直しているところで、マクラーレンはこれまでの「アルファベットと数字」から「名前」にシフトすると発表し、ボルボもこれに続く意向を示しています。

ポルシェについては少し前にボクスターとケイマンのシリーズ名を「718」へと変更し、これによって「スポーツモデルは数字3桁、セダンやSUVは(マカンやパナメーラ、カイエンのように)名前を持つという統一性を確保しています。

マクラーレン・アルトゥーラ
マクラーレンはやはり今後車名に数字ではなく「名前」を用いるようだ!「Solus」「Aeron」「Aonic」が商標登録される

| 確かにマクラーレンは以前にもそうコメントし、以降のクルマには「名前」がついている | ただし今のところは具体的なニューモデルの話はない さて、マクラーレンが「Solus」、「Aeron」、「Aon ...

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ただし一部の自動車メーカーは一切ブレてない

その一方、設立当初から統一された命名法則を持ち、当時「ブランディング」という概念がなかった時代から無意識にそれを実行していた自動車メーカーもあり、その一つがランボルギーニ。

もともとの設立の意図が「フェラーリに対抗する」というものですが、これすらも「フェラーリを引き合いに出すことで、無名の新しい会社が巨人に戦いを挑む」という構図をつくりあげることを考慮した(それによって多くの人々の共感を得ようとした)とも言われています。

そして「猛牛」を用いたエンブレムについても「ランボルギーニ創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニの星座がおうし座だったから」ということのほか、フェラーリの跳ね馬に対し、荒々しい牛を用いることでそのむき出しの対抗心をあらわしたとも(このあたりは諸説あり、しかし本人の口からは語られてないので永遠の謎となっている)。

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ランボルギーニはその命名の多くが「闘牛」由来

そしてランボルギーニはその名称の多くに闘牛、とくに「牛」に関するものを採用していますが、ここで各モデルの命名の由来を見てみましょう。

  • 350GT(1964-1966) 131台・・・おそらくは「3500ccのGT」
  • 400GT(1966-968) 247台・・・おそらくは「4000ccのGT」
  • ミウラ(1966-1973) 765台・・・闘牛牧場「ミウラ」に由来
ランボルギーニ・ミウラ

ランボルギーニがミウラの50周年を記念しミウラとともにミウラ牧場を訪問

| ランボルギーニは常々「闘牛由来」のネーミングを採用してきた | ランボルギーニがミウラ50周年を祝い、そのネーミングの元となったミウラ牧場をミウラSVはじめ現行ランボルギーニで訪問。ランボルギーニ ...

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  • イスレロ(Islero、1968-1969) 225台・・・闘牛の名前
  • ハラマ(Jarama、1970-1976) 328台・・・スペインの「ハラマサーキット」から
ランボルギーニ・ハラマ
ランボルギーニ・ハラマは今年で50周年!このハラマを最後にランボルギーニは「フロントエンジンGT」を製造していない

| ハラマは当時、「快適で信頼性の高い」グランツーリスモだった | さて、ランボルギーニが「ハラマが今年で50周年を迎えた」と発表。このハラマは最初のランボルギーニ市販車である350GT、その次の40 ...

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  • エスパーダ(Espada、1968-1978) 1,217台・・・スペイン語で「剣(闘牛に使う)」という意味
ランボルギーニがイスレロ、エスパーダの50周年を記念し、レストアを行い公開へ。その意図を考える

| ランボルギーニはイスレロ、エスパーダの50周年を祝う | ランボルギーニが1968年に生産を開始した「エスパーダ」「イスレロ」の50周年を祝い、それぞれのレストアした車両をテクノ・クラシケにて公開 ...

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  • ウラッコ(Uracco、1973-1979) 607台・・・闘牛の血統のひとつ
ランボルギーニ・ウラッコは今月で発表50周年!ガヤルド/ウラカンの祖先はこんなクルマだった

| このクルマが50年も前に製造されていたというのが信じられない | ランボルギーニが「ウラッコが2020年10月にて、発表20周年を迎えた」と発表。※実際のデリバリーは1973年からウラッコは197 ...

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  • シルエット(Silhouette、1976-1979) 54台・・・闘牛由来ではなく、そのスタイルが「シルエットフォーミュラ」のようであったため
  • カウンタック(Countach、1974-1990) 2,000台・・・これも闘牛由来ではなく、ピエモンテ地方の方言で「びっくりした」という意味
ランボルギーニ・カウンタックは今年で50歳!1971年3月11日、午前10時に公開されたようだ
ランボルギーニ・カウンタックは今年で50歳!1971年3月11日、午前10時に公開されたようだ。なお、ついに公式にて「カウンタック」の名の由来が語られる

| ボクは今までパオロ・スタンツァーニ説を信じていたが | ランボルギーニが「3月11日にて、カウンタックLP500がちょうど50歳を迎えた」と発表。ランボルギーニ・カウンタックLP500は1971年 ...

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  • ジャルパ(Jalpa、1981-1989) 179台・・・闘牛の名に由来
  • LM002(1986-1993) 301台・・・もともと軍用車として開発されたため、「ランボルギーニ・ミリタリー=LM」
ランボルギーニがウルスのルーツ「LM002」を振り返る。カウンタックのエンジン搭載、モンスターSUV

ランボルギーニ・ウルスの先祖、「LM002」を振り返ってみよう ランボルギーニ・ウルスは12/4に公開されることが決まっていますが、その前哨戦としてランボルギーニはその祖先とも言える「LM002」につ ...

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  • ディアブロ(Diablo、1990-2000) 3,282台・・・「悪魔」と呼ばれた闘牛の名前
ランボルギーニ・ディアブロは今年で誕生30周年!ディアブロとはどういったクルマだったのか、その歴史やモデルごと販売台数を見てみよう

| ボクにとって、もっともランボルギーニらしいクルマは今でもディアブロだ | ランボルギーニが「今年でディアブロの発売30周年を迎えた」と発表。ディアブロは1990年1月に発売されていますが、開発が開 ...

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  • ムルシエラゴ(Murcielago、2001-2010) 4,099台・・・スペイン語で「コウモリ」の名を持つ闘牛の名前から
1位はムルシエラゴ!ランボルギーニの歴代モデルを格付けした動画が登場
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| ランボルギーニ・ウラッコの「最下位」は不当だと思う | さて、いつもユニークな動画を届けてくれる米ドーナツメディアですが、今回は「過去に発売されたランボルギーニ各モデルのランキング」を作成していま ...

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  • レヴェントン(Reventon、2007-2009) クーペ20台、ロードスター20台※限定
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  • ガヤルド(Gallardo、2004-2014) 14,022・・・闘牛の血統のひとつで、飼育家のフランシスコ・ガヤルドに由来
  • ヴェネーノ(Veneno、2013-2014) クーペ3台、ロードスター9台※限定・・・「毒」という名を持つ闘牛の名前
  • チェンテナリオ(Centenario・・・2017) クーペ20台、ロードスター20台※限定・・・100周年というイタリア語。ランボルギーニ創業者の生誕100周年に由来
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  • ウラカン(Huracan、2013-)14,022台に到達※2019年6月まで・・・スペインのアリカンテにて活躍した闘牛の名に由来。「ハリケーン」の意味もある
  • アステリオン(Asterion、2014、コンセプトカー)・・・半人半牛の「ミノタウロス」の別名。「ガソリン」と「エレクトリック」との融合に由来すると思われる
  • テルツォミッレニオ(Terzo Millenio、コンセプトカー)・・・「第三の千年紀」を意味するイタリア語で、ランボルギーニの未来を示す意味合いがある
ランボルギーニがボディにバッテリーを織り込んだ”Terzo Millennio(テルツォ・ミッレニオ)”発表。「エレクトリック」「軽量」「空力」を追求

| 未来のランボルギーニはこうなる。次の1000年を示すコンセプトカー | ランボルギーニが予告通り新コンセプトカー、「Terzo Millennio concept(テルツォ・ミッレニオ・コンセプト ...

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  • ウルス(2018-)15,000台に到達※2021年7月まで・・・闘牛由来ではないものの、ヨーロッパ大陸にかつて存在した、最大の体躯を持つ牛の種類
  • シアン(2020)クーペ63台、ロードスター19台が生産予定・・・イタリア語で「電光」を意味。エレクトリックをイメージしたものと思われる
ランボルギーニのハイパーカー「シアンFKP37」「シアン・ロードスター」の限定台数はなぜ63台と19台?なお「SCV12」のパテント画像が一般公開に

| シアン・ロードスターの「19」は1963年の「19」だった | さて、ランボルギーニはつい先日、少量限定モデル「シアン・ロードスター」を発表しましたが、これは「19台のみ」の限定モデル。そしてクー ...

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  • エッセンツァSCV12(2020)40台限定、サーキット走行専用・・・イタリア語で「エッセンス」、そしてSCはランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラコルセ」、そしてもちろんV12との組み合わせ
ランボルギーニ史上最強!830馬力を発生する自然吸気V12エンジンを積むハイパーカー、”ESSENZA(エッセンツァ) SCV12”発表

| 購入者は”専用ガレージ”を利用可能 | ランボルギーニが先日より予告していたニューモデル、”ESSENZA”SCV12をついに発表。これは行動走行不可、サーキット走行オンリーの限定ハイパーカーで、 ...

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  • レヴエルト・・・スペイン語で「手に終えない」という意味を持ち、しかしこのスーパーカーの場合はランボルギーニの伝統に則って「1880年にバルセロナで戦った闘牛」から
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  • ランザドール・・・スペイン語で「投手」「発射台」という意味があるが、おそらくは闘牛の名だと思われる

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ランボルギーニ初の電気自動車「ランザドール(Lanzador)」正式発表。新セグメント「ウルトラGT」の創出を標榜し、そのデザインは宇宙船からインスピレーションを受ける

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ランボルギーニについて、そのほかにはこんな名称も

ランボルギーニのエンブレムが「牡牛座」由来ということについて述べましたが、ランボルギーニは星座や、それと関連するギリシア神話に由来するネーミングを多数持っており、つい最近発表された今後の事業計画名については「ディレッツォーネ・コル・タウリ」。

これは「コル・タウリに向けて」ということになりますが、このコル・タウリは牡牛座のなかではもっとも明るい星を指しており、ある意味ではランボルギーニの原点へと回帰するという意味も持ち合わせています。

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そしてボディカラーについても神話由来のものが多く、ヴェルデ・マンティス(カマキリの意味もあるが、神話上では預言者)、ブルー・アイゲウス(アテネの設立者でエーゲ海を意味)、ジアッロ・ベレヌス(ケルト神話に登場する神の一人)、ジアッロ・ミダス(触るものすべてを黄金に変える神)、ビアンコ・イカルス(自ら翼をつくり空に飛びたったという神話上の青年)、ロッソ・マルス(闘神)、アランチョ・ボレアリス(かんむり座)、ヴェルデ・イサカ(オデュッセウスの故郷)など、その多くがギリシア神話と星座に関連したもので(体感的には80%以上?)、そのほかには「ブルー・ル・マン」「ビアンコ・フジ」のようにサーキット由来のもの、「ヴィオラ30」「グリージョ・エストーケ」のようにディアブロ30周年記念モデルやコンセプトカーにちなんだものも存在します。

ランボルギーニ・エッセンツァSCV12

さらにはホイール名も星座や神話関連が多く、ミマス(ギリシア神話の巨人族)、アポロ(太陽神)、カシオペア(星座)、ダイアンサス(なでしこの意味もあるが、ジュピターの花という意味も)、ニレオ(ポセイドンの息子)といったものもあり、こういった例を見るに、ランボルギーニは7回もそのオーナー企業が変わったにもかかわらず(現在のアウディで8社め)、まったくブレていないということがわかりますね。

ランボルギーニ・ウラカンEVO RWDのホイール

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