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ランボルギーニ・レヴエルトの試乗レビューが一斉解禁、各メディアの評価はいかに?「抑えられない笑い、そして完全な自信を与えてくれるクルマ」【動画】

ランボルギーニ・レヴエルトの試乗レビューが一斉解禁、各メディアの評価はいかに?「抑えられない笑い、そして完全な自信を与えてくれるクルマ」【動画】

| ついついレヴエルトのデザイン、「1,000馬力」にばかり目がゆきがちではあるが、真に驚くべきはその「デジタル制御」であるようだ |

それにしても、よくこのようなデザインを考えたものだと改めて驚かされる

さて、ランボルギーニのフラッグシップたるスーパーカー、レヴエルトの試乗イベントが欧州複数箇所にて開催され、各メディアからのレビューが続々登場しています。

ただ、ひとくちにレビューといっても様々な切り口があり、内外装のデザインに焦点を当てるもの、エアロダイナミクスなど機能に焦点を当てるもの、採用されるテクノロジーに焦点を当てるもの、装備や使い勝手に焦点を当てるもの、運動性能に焦点を当てるもの、ドライブトレインの特徴に焦点を当てるもの、はたまた運転した時の”エクスペリエンス”に焦点を当てるものなど様々です。

つまりは各メディア、そしてレビュワーによって全く異なる視点や角度からランボルギーニ・レヴエルトを評価しているわけですが、いくつかの動画の中からぼくが注意を惹かれた点をピックアップしてみたいと思います。

ランボルギーニ・レヴエルトの質感、デザイン性は非常に高い

そこでまずはレヴエルトの外観から。

すでにおなじみとなった「Y」アローを用いたフロント、そしてバッキバキにエッジが立ったボディ表面が印象的ですが、よく見ると、アヴェンタドールで採用されていた「折り紙モチーフ」、つまり直線と平面で構成されていた面に加え、明確なエッジを持たない”なめらかな曲面”も取り入れられています。

これは近代のランボルギーニでは「ウラカンEVO RWD」のフロントバンパー中央にも見られるもので、現在のチーフデザイナーであるミッチャ・ボルカート氏が取り入れた手法です(前任のフィリッポ・ペリーニ時代には見られない)。

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こういった「三角」「ギザギザ」も同氏が好むモチーフですね。

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ヘッドライト周辺、フロントフード先端、Yアロー周辺を見るに、複数の素材が複雑に組み合わせられ、かつその精度が非常に高いことがわかります。

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テールパイプはジェット戦闘機のアフターバーナーがモチーフ。

そしてこちらも複数の素材が高い精度にて組み込まれていることがわかり・・・。

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ウイングがリフトした「内側」の作り込みもしっかりしており、整流のためのリブも見られます。

正直、このあたりは「フェラーリよりもずっと高いクオリティを持つ」という印象。

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ランボルギーニのレギュラーモデル史上、はじめて「エンジンが露出する」デザインを持ちますが、これはブガッティから復帰したCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏の意向なのかもしれません(ブガッティもやはりエンジンが露出している)。※ワンオフモデルのアヴェンタドールJはエンジンが露出する構造を採用

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推定価値15億円、1台のみ製造のランボルギーニ・アヴェンタドールJ、そして15台限定のレヴェントン・ロードスターがイベント会場へ。この2台が並ぶ機会はそうそうない【動画】
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リアディフューザーは縦方向のフィンが横方向のパネルを「貫通」するデザイン。

これはリアディフューザーを一体成型とせず、あえてこういった構造を採用したのだと思われます。

チェンテナリオ以降、ランボルギーニではこういった「パーツを貫通する」デザインがいくつか見られますが、チェンテナリオは前任デザイナーの作品であり、しかしミッチャ・ボルカート氏は”自分の主張にこだわらず”前任者、もしくはそのさらに前のデザイナーの考えたディティールであっても、それがランボルギーニらしいと考えれば積極的に取り入れるという考え方を持っているようですね。

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そしてこちらもランボルギーニ初採用の「ヒドゥンピラー」。

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テールランプもまたチェンテナリオから取り入れたデザインではあるものの、その周囲や内部構造がいっそう複雑化しているもよう。

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ちなみに充電ポートはフロントトランク内。

つまりはフードを開いていないと充電ができず、よって出先で数日間滞在する際など、公共の駐車場では(たとえコンセントがあったとしても)様々な観点から充電が難しいということを意味します。

ただ、裏を返せば、「自宅以外では充電しにくい」位置に充電ポートがあるということは、「外出先では充電する必要がない」ということを示しているのかもしれません。

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実際にランボルギーニ・レヴエルトを運転してみてどうなのか

ランボルギーニ・レヴエルトはV12エンジン+プラグインハイブリッドというパッケージングを採用していますが、そのほかにもいくつかのトピックがあり、カウンタック以降はじめてエンジンの「前後」の向きが変わったこと(トランスミッションがエンジンの後ろに搭載された)、前輪を駆動するのがV12ガソリンエンジンではなくエレクトリックモーターとなったこと、リアアクスルステアリングが標準装備化されたこと、全高が2センチほど高くなったこと(新しく採用したフロアの構造による変化が大きな理由かもしれない)など。

つまり、その外観は「ランボルギーニの各世代から、あるいはコンセプトカーから」拝借したという”ある種の馴染みがある”ものではありますが、その中身はこれまでのランボルギーニV12モデルと全く異なる、ということですね。

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V12エンジン、そしてエンジン後方に取り付けられたトランスミッションとの間に組み込まれるエレクトリックモーターは後輪を、そしてフロントに取り付けられた2つのエレクトリックモーターは前輪を駆動することになりますが、これらの制御は「信じられないほど複雑」です。

おそらくレヴエルトのパフォーマンス面における最大の立役者はV12エンジンではなく「V12エンジンとエレクトリックモーターとを統合制御するソフトウエア」にあるようで、これは個々の車輪へのトルク分割、回生ブレーキ、ESC などの複雑なタスクを同時に処理することに。

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たとえばコーナーに入ると、レヴエルトの頭脳を司るコンピューターは前輪の内側モーターを(回生を発生させることで)発電機に変え、バッテリーを充電しながらラインを整えますが、 コーナーを強く攻めすぎた場合だと、リアモーターがセカンダリシャフトに抵抗を与えてホイールスピンを減らし、同時にバッテリーを充電するというアクションをシームレスに行うわけですね。

コーナーを惰性で通過するためにスロットルを離すと、リアモーターがエンジンの勢いを利用してバッテリーを充電するものの、実際に車両を減速させることはなく、レヴエルトはコーナリングや減速、コースティングを効率的に利用して常にバッテリーへのチャージを行い、「1,000馬力オーバー」というポテンシャルをフルに発揮できる状態に保ちます。

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さらにはより高速に反応する磁気ダンパー、最大2.5度の角度で動作するリアアクスル ステアリング、(アヴェンタドール・ウルティメに比較して)フロントアクスルで30パーセント、全体で70パーセント増加しているダウンフォースと相まって、いかなる速度域においても「クルマが路面に張り付いている」状態を体感できるそうですが、多くのレビュワーが言及しているのが「まったく不安や恐怖はなく、どこまででも攻めることができる」ということで、ここは今までのランボルギーニとは大きく異なる部分かもしれませんね(いくつかのレビュワーが、このレヴエルトにて、今まで試乗したどのクルマでも経験したことがない速度域に到達したことに触れている)。

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なお、ブレーキペダルはこれまでのランボルギーニに比較すると「重い」そうですが、これは最近のスーパースポーツに見られる一つの傾向でもあり、なんらかの意図を持ってランボルギーニが「そうしている」のかもしれません。

もちろん制動時には通常の摩擦ブレーキに加えて回生による減速力を発生させ、しかしたとえ意識したとしてもそれらが「どう関わりあっているのか」読み取れないほど自然なフィーリングなのだそう。

そして多くの(あるいはすべての)レビュワーが共通して語っているのが「レヴエルトは明らかに新世代のランボルギーニであり、デジタルで隅々まで制御されたクルマ」であること、しかしそこには「ドライバーを疎外したり冷たく感じさせるような要素は全く無く、むしろ超自然的なつながりさえ感じられ、エモーショナルであること」。

さらには「抑えられない笑い、そして完全な自信を与えてくれるクルマ」と表現するジャーナリストもおり、とにかく楽しく、そして不安なくその性能を引き出すことができるように(デジタルの力を借りて)設計されたのがレヴエルトということになりそうですね。

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加えて、クルマから降りたのちもレヴエルトを運転したという興奮が心地よく尾を引くと語るテスターも少なくはなく、こういったクルマはかなり珍しいかもしれません(多くのクルマは、降りた瞬間にそのクルマのことなど忘れて次の話題に移ってしまう。そのクルマが与えてくれた感触を忘れず、それを誰かに伝えたいと感じさせるクルマは非常に少ない)。

あるジャーナリストはランボルギーニ・レヴエルトをして「小さな子供たちが大好きなスーパーカーのすべてと、排出ガス削減および安定性向上の技術を組み合わせた近代化のマスターピース」と語っていますが、この表現がまさにぴったりであるかもしれず、レヴエルトがランボルギーニの新しい、そして輝かしい歴史を構築することは間違い無さそう。

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一方でちょっと気になることもあったといい、装着されるタイヤ(ブリジストン製ポテンザ)だとブレーキング時と加速時にジャダーが出るようで、しかしレヴエルトは現在ほかメーカーのタイヤを選択できないので「これがタイヤのせいかどうかは断言できない」ようですね(ランボルギーニは、ウラカンSTOにてブリジストンをオプション採用し、その後のモデルでは「ブリジストンのみ」に切り替えている)。

ランボルギーニ・レヴエルトのレビュー動画はこちら

参照:AutoTrader, Top Gear, Shmee150, Automoto.it, LOVECARS!TV!, Motor1, Ride Now

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