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マツダが「どの角度からどう見ても、そしてどう光が当たっても」レッドに見える新しい塗装の特許を出願。マツダのレッドに対するこだわりは凄まじい

2023/12/31

マツダ

| この新しいレッドは複数の層を持ち、様々な光の入力に対し、様々なレッドの出力を返すようだ |

おそらくは目をみはるような美しさを持つレッドとなることだろう

さて、マツダは「ボディカラーもデザインの一部」だと宣言しており、つまりその色がもたらす印象もまた、自動車のボディラインやディティールがもたらす印象と同様に重要だと考えています。

そうした思想はソウルレッドプレミアムメタリックにはじまる高輝度塗装(現在はソウルレッドクリスタルメタリックに進化)、さらにはマシーングレープレミアムメタリック、ロジウムホワイトプレミアムメタリック、アーティザンレッドプレミアムメタリックといった具合に拡大し続ける匠塗(TAKUMINURI)にも見て取ることができると思います。

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マツダはさらに進化した「レッド」の特許を出願

なお、マツダは「レッド」を非常に特別な色だと位置づけており、しかしそれが「いつから」なのか、「なぜなのか」については今のところ語られず(参考までに、はじめて日本でレッドのクルマを販売したのはホンダである)。

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しかしぼくとしては、おそらく1989年のシカゴ・モーターショーに展示した初代(NA)ロードスターがレッドであったことに端を発するのだと考えていて、というのもこの初代ロードスターのレッドをイメージした特別仕様車が過去にデビューしたり、先日発表された「アイコニックSPコンセプト」ではこの初代ロードスターを思わせるディティールとともにレッドが使用されているため。

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そして今回、マツダはそのレッドを「より輝かせるべく」米国特許商標庁にパテントを提出したことが明らかになっており、そのための理想的な配合と応用技術を申請しています。

届け出られた内容では「どれだけその輝きが美しいのか」を知ることはできないものの、特許は「発明レベル」でないと登録できないので、これまでのレッドとは根本から異なる発色や深みを持つと考えていいのかもしれません。

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マツダの新色は「どれだけ赤く見えるか」「どれだけレッドに多彩な表情をもたせることができるか」が焦点となる

マツダは今回の特許出願に際し、成分の質量濃度の変化率がどのような影響を与えるかを5つの表で文書化しており、光が吸収されたりする場合において、レッドがより多くの時間見えるよう「コーティング全体の特定の層をどの角度でどう塗布するか」を考え出し、そしてそれぞれの層があらゆる角度で屈折するわけですね。

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ここまでレッドの見え方にこだわるメーカーは(フェラーリを含めたとしても)他にないと言ってよく、マツダのレッドに対する情熱というか執念のようなものすら感じざるを得ませんが、この新しいボディカラーは「いかなる光の入力に対しても」各層がレッドに見えるように反応するのだと思われ、かつそれぞれの「光の出力」が異なる色味を持つレッドとなるのだと思われ、いわば「レッドからレッドへのカラーシフト」と言い換えてもよさそうです。

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ただ、ちょっと気になるのは「この新色につき、塗装コストが非常に高くなりそう」ということで、オプション選択時はまだいいとして、もしクルマをぶつけたりして板金塗装を行うこととなった場合、対応できる工場が少なかったり、その修理費用が非常に高価になる場合も考えられます(現在の匠塗でも同様の問題が指摘されている)。

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そしてもう一つ気になるのは「このレッドがどのクルマに採用されるのか」。

おそらく最終的にすべてのモデルで選択できるようになるのだと考えられますが、願わくば最初に採用するのは次期ロードスターもしくは新しいスポーツカーであってほしいと思います。

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参照:CARBUZZ

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