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マツダがカーボンファイバーを使用した車体構造に関する特許を出願。「部分的に」使用することでコストを抑えつつ軽量化を実現か

マツダ

| マツダは「軽量化」を武器に電動化時代の厳しい競争を乗り切るものと思われる |

今回の特許に加え、「ロータリーエンジン」によるレンジエクステンダーは大きな武器である

さて、つい先日マツダのチーフデザイナーが「アイコニックSPを、RX-7の後継モデルとして開発を進めたい」という意向を語ったばかりですが、このアイコニックSPは(EVでありながらも)軽量化を追求するためにバッテリー容量を縮小し、かわりに発電用のロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして採用するという構成を持っています。

つまりマツダはほかの自動車メーカーとは異なる手法により、そして異なる方向性にてエレクトリックスポーツを開発するということになりますが、その思想とは「パワー重視」ではなく「軽量化」ということに。

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マツダはありとあらゆる方法にて軽量化を追求

そして今回報じられたのが「カーボンファイバーを使用して車体を軽くする方法をマツダが出願した」というもの。

ただしカーボンファイバーを使用した車体はとくに珍しいわけではなく、現在多くの自動車メーカーがこれを基本構造やボディパネルに採用していますが、マツダの場合はその方向性が少し変わっていて、サイドシルやピラーなどに「部分的に」採用することとなるもよう。

その意図としては「カーボンファイバーを広範にわたって使用したり、バスタブシャシーとして使用すると高価になりすぎるため、部分的な使用にとどめてコストパフォーマンスを最大化する(つまりスーパーカーではなく、普及価格帯のクルマに採用する)ということなのだと思われます。

実際のところ、出願の際に用いられた図面には「4ドアセダン」のイラストが用いられており、マツダはこの技術を幅広く用いることになりそうですね。

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マツダが出願した特許はこうなっている

そして今回マツダが出願した特許を見てみると、「カーボンファイバーの積層をさまざまな方向に交差させ、いわゆる「準等方性」材料、つまり負荷がかかるあらゆる方向に強い材料(つまりカーボンファイバー)を使用する」というもの。

マツダの特許では、この素材を作成する方法を定義するだけでなく、車体のさまざまな部分に使用する方法を示しており、たとえばルーフを支えるピラー、フレームの一部、バンパー等に採用されるものの、いずれも部位にあわせた構造を持ち、それぞれの部位に合わせた最適化が考慮されているようですね。

さらに興味深いのは、マツダはこのシャシーの開発を単独で行うわけではなく、この特許の名義はマツダ、そして新日鉄ケミカル&マテリアル株式会社との共同となっており、マツダは炭素繊維構造の開発経験を持つ企業と協力している、ということを意味します。

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なお、マツダがこの技術をどういった車種、どういった場合に用いるのかは不明ではあるものの、上述の通り「量販車に」用いる可能性があり、かつ将来の(ハイブリッドやPHEV、EVなどの)電動化車両に採用することで車体重量を低減するものと考えていいのかも。

そしてマツダは上述の通り「軽量化」を非常に重視する自動車メーカーで、それはNDロードスターを見ても明らかですが、今回の特許しかり、他社が持ち得ない「ロータリーエンジンを使用したレンジエクステンダー」しかり、ここへ来てマツダらしい手法を用いた、マツダにしかできない方法によるクルマの開発が可能となる予兆が見えてきたように思います。

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参照:Motor1

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