| マツダにおいてロータリーエンジン開発グループが発足するのは6年ぶり |
おそらくはアイコニックSPの市販化を視野に入れているものと思われる
さて、マツダが先日述べたように「2月1日付けでロータリーエンジンの開発グループを正式に発足させた」と発表。
なお、このロータリーエンジン開発グループが組織されるのは「6年ぶり」だそうで、つまり6年前まではロータリーエンジンを開発する部署が存在したということに(その部署がMX-30用のレンジエクステンダーを開発したのかもしれない)。
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マツダは「新しい時代に適合したロータリーエンジンを開発」
ただし注意を要するのは「ロータリエンジン(RE)を開発する」といってもこれを動力源とするわけではなく、あくまでも「発電機用として」。
今回の発表によれば「カーボンニュートラル社会の実現に向け、時代に適したソリューションによってクルマが持つ楽しさをお届けし続けるため、新しい時代に適合したロータリーエンジンの研究開発を加速させる」とされ、あくまでもエレクトリックモーターとの組み合わせによる、そしてモータ駆動 / バッテリー充電のための発電用として使用するロータリーエンジンであることが明言されています。
実際のところ、この「RE開発グループ」は主要市場での規制対応やカーボンニュートラル燃料対応などの研究開発に取り組むとされ、マツダにしかできない方法にて環境対策を進めてゆくことになりそうですね。
なお、現在は消費者の「EV離れ」が度々報じられていますが、その大きな理由は「価格の高さ」「航続距離の短さ(それをカバーする充電インフラ不足)」にあるものと思われ、しかしロータリーエンジンを最初から組み込むことにより「バッテリー容量を小さくできるので、より安価なEVを作ることができ」「より充電インターバルを長くできるEV」を実現可能に。
これはすでに日産が「e-Power」で実現していることではありますが(同時にその威力も実証済み)、ロータリーエンジンはシリンダーとピストンを持つエンジンに比較して軽量かつコンパクトに、そしてより騒音や振動を小さく作れるというメリットがあり、そして駆動用に使用しないため「トルクが細い」というロータリーエンジンのデメリットも「デメリットにならず」、よってロータリーエンジンは発電機としては非常に優れる内燃機関だとも考えられます。
ただしアペックスシールの劣化があったり「エミッションコントロールが困難」という問題もあり、今回のRE開発グループはそのあたりを解決した「新世代ロータリーエンジン」の開発を行うことになるのかもしれません。
ロータリーエンジンはマツダの「挑戦」をあらわす象徴である
今回の発表に際し、マツダの取締役専務執行役員兼CTO(最高技術責任者)、廣瀬一郎氏はロータリーエンジンにつき「マツダの歴史において、ロータリーエンジンはマツダの”飽くなき挑戦”という姿勢を象徴する特別な存在」だと述べ、RE開発グループは36人の技術者で構成されることについても言及しています。
そしてここから新しい「挑戦」を行い、これによって電動化時代に即したブレイクスルーを起こすということになりますが、このRE開発グループ立ち上げのきっかけは東京オートサロンに展示された「アイコニックSP(ICONIC SP)に対する大きな反響」であったというので、当然ながらこのRE開発グループはアイコニックSPの市販化を視野に居入れた研究を行うと捉えて良いかと思われます。
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なお、マツダは(メジャーメーカーでは)唯一ロータリエンジンを市販車に搭載することに成功した自動車会社ですが、この実現は1967年に発売された「コスモスポーツ」によってなされています。
その際、ロータリーエンジンの開発に携わったのは「ロータリー47士」と呼ばれる熱き魂を持ったエンジニアで、ぼくとしては今回のRE開発グループも「47人」にしてほしかったなあ、と思ったりするわけですね。
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参照:MAZDA