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カルロス・ゴーンが日産に対して宣戦布告、1400億円超の支払いを求める訴訟を起こす。「最後まで戦う。日産はこれまでのツケを払わねばならないだろう」

2023/06/21

カルロス・ゴーンが日産に対して宣戦布告、1400億円超の支払いを求める訴訟を起こす。「最後まで戦う。日産はこれまでのツケを払わねばならないだろう」

| こういった争いでは、声が大きい方が信用される場合が往々にしてある |

本件はおそらく白黒では判断ができないだろう

さて、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏が、レバノンにて、「日産自動車、そして2つの関連企業、さらに12人の特定の個人を対象に、名誉毀損、中傷、名誉毀損、証拠の捏造、その他の犯罪を理由に10億8000万ドル(現在の為替レートにて1415億円相当)の訴訟を起こした」との報道。※損害賠償と訴訟費用として5億8800万ドル、さらに懲罰的措置として5億ドル

カルロス・ゴーン氏は2018年末に日本で逮捕され、自宅軟禁状態にあったものの、自宅での演奏を行うバンドが帰り支度を行う際、楽器(トロンボーン)を入れるためのケースの中に隠れてみごと脱出に成功し(人間を入れるために特別に改造されていた)、そのままローカル空港からトルコのイスタンブール行きの自家用飛行機に乗った後、別の飛行機に乗り換え、故郷のレバノンにたどり着いています。※レバノンはカルロス・ゴーン氏の身柄を引き渡さないという決定を下しているため、カルロス・ゴーン氏がレバノンに居る限りは日本も手出しをできず、カルロス・ゴーン氏も出国=逮捕となるためにレバノンを出ることはできない

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カルロス・ゴーン「最後まで戦う」

今回の訴状はレバノンのカセーション裁判所へと5月18日に提出されたものですが、カルロス・ゴーン氏は「私たちの前には長い戦いが待っている。最後まで戦うつもりだ」とメディアに対して語っており、現時点では(日産自動車との提携を主導した)ルノーに対する訴訟は考えていない、とのこと(ただし日産との問題が片付けば、ルノーに対しても何か行動を起こす可能性がないとは言えない)。

なお、逮捕直後からカルロス・ゴーン氏の主張は一貫しており、逮捕自体について「自分に対する告発は、自分が主導するルノーとの合併を阻止するための日産上層部による計画である」、そして日本脱出についても「不正操作され、人類の最も基本的な原則に違反している日本の司法制度から逃れるため」だと主張しています。

実際のところ(日産とカルロス・ゴーン氏との)どちらについても善悪で語れる問題ではないかと認識していますが、カルロス・ゴーン氏は自身の正義そして身の潔白を信じており、「有罪が確定すれば、日産はその代償を支払わなければならないだろう」「日産が、何が起こっているのか、なぜこのようなことが起こっているのか、株主に話すことを望みむ」とコメントし、(逮捕直後からそうですが)すべてを明るみに引っ張り出したいという意向を持っているもよう。

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加えて、カルロス・ゴーン氏の弁護団は、「(ゴーン氏に向けられた)深刻かつ繊細な非難は、何年も人々の心に残るでしょう。たとえ単なる疑惑に基づくものであっても、その影響は持続的かつ長引くため、ゴーン氏は残りの人生においてその影響に苦しむことになるのはまちがいあません」ともコメントしており、本件についてはカルロス・ゴーン氏ともども、徹底して争う構えを見せています。

ただし日産側の態度は今ひとつはっきりしない

この問題はまだまだ尾を引くことは間違いなく、双方の主張が真っ向からぶつかることになることはも容易に想像できますが、こういった事件はえてして「声の大きなほう」に世論が傾く傾向があり、かつカルロス・ゴーン氏の「すべてを明らかに」という姿勢、さらにその堂々とした態度は人々の共感を得ることができるかもしれません。

一方、本件に対する日産の主張は強いものではなく、ともすると「都合の悪い部分を隠そうとしている」という印象が見え隠れするという印象も受け(全容を明かそうとする意思が見えない)、さらには2020年、国連の委員会が「カルロス・ゴーン氏を日本の拘置所に100日以上拘留したことは必要でも合理的でもなく、権利を侵害するものであった」と認定したことも、日産および日本の司法にとってはマイナスだと多くの人の目に映るかもしれません。※国連人権理事会の恣意的拘禁に関する作業部会によれば、勾留を延長するためにカルロス・ゴーン氏を4回続けて逮捕した決定は「基本的に不公正」であったとのこと

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参照:Auto News

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