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新型レクサスLS発表!RXやISに通じるデザイン言語を採用し、さらに日本の伝統工芸、美意識を反映。各部はダーク仕上げになってシックなイメージに

| ボディカラーには和名の「銀影ラスター」が新設定 |

レクサスがマイナーチェンジ版となる「新型レクサスLS」を公開。

今回のマイナーチェンジについては、レクサスLSの美点でもある静粛性や乗り心地を大幅に向上させ、運転支援システムの充実、さらには日本の伝統工芸を取り入れるなど、欧州の高級車にはない独自の価値観向上に努めてきたように思います。

なお、ここ数年のレクサスは大きなブランドシフトを行い、「和」そして「匠」という要素を取り入れることで欧州車コンプレックスから脱し、レクサスならではの世界観を追求しているという印象。

そして新型レクサスLSは現時点における「新しいレクサスの集大成」とも言える内容を持ったクルマへと進化したようにも感じます。

新型レクサスLSはこう進化した

まずは新型レクサスLSのエクステリアから見てゆきたいと思いますが、レクサスいわく、「日本独自の美意識に由来した”Time in Design”という考え方を追求」。

これは「時の移ろいや環境の変化の中で、その時々の美しさを感じられる日本ならではの美意識を表した考え方」だとしており、レクサスLC500コンバーチブル発表時にも触れられていましたね。

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新型LSでは「月の道」なる情景をモチーフにした内外装の仕立てを行ったそうですが、月の道とは「満月の前後数日間にだけ見ることができる神秘的な自然現象で、月明りが海面上で細長い道となり、照らされた波の揺らぎによて登場した繊細なグラデーション」だと紹介されています。

そして、この「月の道」を体現するボディカラーが新しく設定された” 銀影(ぎんえい)ラスター”。

トヨタはセンチュリーにて「神威(エターナルブラック)」のほか、「摩周(シリーンブルーマイカ)」、「飛鳥(ブラキッシュレッドマイカ)」、「精華(レイディエントシルバーメタリック)」といった”漢字”を用いたボディカラーを設定していますが、ついにこれがレクサスにも採用された、ということに。

2020.03.26

この銀影ラスターはアルミフレークを含んだ高輝度塗装で、レクサスでは「ソニック工法」と呼ぶそうですが、マツダの「ソウルレッドクリスタルメタリック」同様の仕組みを持つものと思われます。※”バリオクロム”はじめ、塗料メーカーや各自動車メーカーが同様のボディカラーを開発している

新型レクサスLSにおいて、外観上の変更だと「フロントバンパーコーナー部に縦基調のキャラクターラインを配置することで、スタンスの良さを表現」、そして「フロントバンパー下端のメッキモールがサイドまで回り込む造形とすることで、伸びやかさを表現」したと述べられており、これは最近のレクサス各モデルにおいて反映されているデザイン的特徴。

2020.03.26

スピンドルグリルの内部構造は(グレードによって)複数あるようですが、バンパーサイドのグリル内部も(スピンドルグリルと)シンクロしたデザインが与えられているようですね。

なお、メッシュのカラーはダークメタリックへと変更され、シックな印象に。

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ヘッドライトはRCやRX、ISのマイナーチェンジ同様、デイライトランニングランプ一体となった小型デザインとなり、レクサス独自の「ブレードスキャンAHS」を装備。

3眼ヘッドライトそれぞれのユニットには、よりシャープなハウジングが与えられ、メカニカルな印象も演出されています。

2020.03.26

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リアだとコンビネーションランプ内のメッキモールがピアノブラックへと変更され、今回のマイナーチェンジにおけるデザイン的キーワード、「厚み」が演出されています。

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ドアミラーも新型ISで採用された、細長いウインカーを内蔵した新デザイン。

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横から見ると、フロントバンパー下端のメッキモールがサイドにまでつながるラインを持ち、デザイン的連続性を持つことがわかりますが、これはマイナーチェンジ後のRXやISでも採用されている手法であり、今後しばらくはレクサスにおいて継続されることになりそう。

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こちらはレクサスLS F Sport。

フロントバンパー内のグリルガーニッシュが大型化し、サイドまで回り込んでいます。

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新型レクサスLSのインテリアはこう進化した

もともとレクサスLSは「折り紙」「切子細工」といった日本らしさをモチーフとしたインテリアのフィニッシュを持っていたものの、今回は新たに「西陣&箔」を設定。

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西陣織の銀意図、プラチナ箔によって、ボディカラー同様の「月の道」を示しているようですね。

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加えてステアリングホイールやセンターコンソールのスイッチ類をブラックで統一しており、外装同様に「シック」な印象を演出しているほか、使用頻度の高いスイッチ類をセンターコンソールに追加することで操作性を向上させた、とのこと。

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レクサスLSはその乗り心地も大きく進化

レクサスLSは1989年に初代が発表され、その乗り心地の良さ、静粛性をして、当時ポルシェが「これこそが本当に作りたかったクルマ」とこぼしたほどのクルマ(後にパナメーラで実現)。

それまでは「自動車だから音や振動が出るのは高級セダンであっても当たり前」と考えていたメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWといったジャーマンスリーの考え方をも根本からひっくり返すことになり、「高級車革命」を起こしたと言っても過言ではないレベルです。※メーカー側はクルマを静かにする必要はないと考えていたが、多くの消費者がレクサスを選んだことで、「静かな」クルマを求める人々が潜在的に多くいたということが明らかになった

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ただ、その後「乗り心地の良さ」については、ほかメーカーがレクサスを「追いつけ追い越せ」として研究に取り組んだ結果、レクサスだけの武器ではなくなってしまうものの、現行LS(5代目)は大きく方向性の変更を行い、これまでの快適性や静粛性に加え、日本の「匠」を押し出した内装の加飾、クーペ風シルエットや「エモーショナルな走り」といった要素にて高級車のあり方を再び世に問うたクルマです。

そして今回の新型LSにおいては「LEXUS独自の乗り味である“Lexus Driving Signature”の深化を目指し、DNAである静粛性と乗り心地の大幅な向上を追求した」とも主張しており、パワートレーンやサスペンションからシート縫い位置などの細部に至るまで徹底的な作りこみを実施した、と述べています。

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加えて高度運転支援技術「Lexus Teammate」の充実も機能面におけるひとつの目玉であり、これはディープラーニング含むAI技術によって、運転中に遭遇しうる様々な状況を予測し対応すること、熟練ドライバーの運転技術を再現したシステム制御を行うことで”人の感性に寄り添った安全/安心な移動体験の提供”を目指した、としています。

これら内容を見るに、新型レクサスLSは、これまでのレクサスが追求してきた方向性をあらゆる方面で高め、昇華させてきたクルマだと言えそうで、高級車市場に対し、再び大きなインパクトを与えるかもしれませんね。

現時点で価格について公表はなく、発売は「2020年冬から」とアナウンスされています。

参照:TOYOTA

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