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豊田章男トヨタ自動車会長がEV販売の伸び悩みを指摘し「ようやく人々はEVに夢を見るのをやめて現実を見るようになった」。確かにその通りかも

2023/10/27

トヨタ

| 豊田章男会長は改めてカーボンニュートラル達成手段は「EVのみではない」と強調 |

結果的にトヨタの勝利となるのは間違いなさそう。2024年のグローバル販売あたりでは数値にてそれが証明されるかも

さて、トヨタ自動車会長、豊田章男氏は一貫して「EVのみが気候変動に対する(自動車業界の)解決策ではない」と明言し、脱炭素に向けて様々なアプローチを行うべきであると主張してきましたが、今回ジャパンモビリティショーのプレスカンファレンスにて、米国記者団に対して「人々はようやくEVに関して現実を見るようになった」とコメントし、自身の説が正しかったと暗に述べたと報じられています。

豊田章男会長「BEVに関する私の考えは、地球温暖化削減に貢献する重要な技術の一つではあるが、唯一の解決策ではないということだ」。トヨタがBEVに集中しないその理由とは
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現在「中国の自動車メーカー以外では」EV販売がスローダウン

豊田章男会長は「EV推進の遅れ」に対する株主や環境団体からの批判を考慮して社長職を退いたとも言われているものの、今回は米国での(自動車市場全体の)EV販売のスローダウンについて言及し、「ようやく皆がEVに関して夢を見るのをやめるようになった」とコメント。※トヨタ自動車社長在任中、トヨタはエクソンモービル、シェブロンに次いで3番目に”環境対策に妨害的な企業”としてランクされたことがある

そして改めて「カーボンニュートラルの達成という山を登る方法はたくさんある」と主張したもよう。

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正確に言うならばEV市場自体は2022年には63%の伸びを示し、2023年にはその成長に陰りが見えつつも(現時点までで)49%の伸びを示しています。

ただ、問題は「市場にEVの選択肢が増えたにもかかわらず伸びが鈍化した」ことで、つまり自動車メーカーあたり、そして車種あたりの利益が大幅に減っていることを意味しており、たとえばフォードは「EVは販売すればするだけ赤字なのでハイブリッド注力の方向へとシフトする」と述べ、GMについては新型EVの発売を延期したり既存EVの生産を減速させるとも報じられています。

フォード「EVを売るのに1台あたり450万の赤字。今後はEVよりもハイブリッドの生産を増加させる」。結果的にトヨタの「EVよりもHV」戦略が正しかった?
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急激な電動化に際して被害を受けるのはユーザーである

こういった状況について、豊田章男氏は「理想に基づいて規制が作られた場合、被害を受けるのは一般ユーザーである」とも述べており、たしかにこれは「そのとおり」。

たとえば「ガソリン車販売禁止」になったとして、ガソリン車よりも高額なEVの購入に際し、実際の金銭的負担を強いられるのは一般ユーザーであり、ユーロ7達成のために自動車メーカーが高いコストをかけて排ガスをクリーンにするためのコストを負担するのもまた消費者です(自動車メーカーはもちろんそういったコストを車両価格に転化する)。

EUが「ユーロ7導入内容を緩和」。事実上は自動車メーカーの要求を聞き入れた形となるものの、現在の自動車メーカーは頻繁に行われる規制変更に翻弄されることに
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| 規制の内容が変わってしまうことで、自動車メーカーの行ってきた投資や努力が無駄になる場合も | 場合によっては、ある自動車メーカーが築いてきたアドバンテージが消失してしまうケースもある さて、先日は ...

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一方ハイブリッドカーであれば、EVほど車両価格が高額にならず、自動車メーカーにとっても販売台数と収益性を維持しつつ、そして消費者としても「程々の価格で高い経済性能を持つクルマ」を入手できるために”バランスがいい”のかもしれません。

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ちなみに今回の豊田章男会長のコメントは(上述の通り)アメリカの記者団に対して語ったものですが、欧州だとおそらく「もっと」状況が悪化しているのだと思われ、というのもよく報じられるように「中国製EVに販売現場を圧迫されているから」。

そのため、EVシフトを見込んでガソリンエンジンの開発を終了させたり、ガソリン車の工場をEV用にトランスフォームしたり、それによって従業員を解雇したりしたいくつかの自動車メーカーは全く目論見が狂ってしまったということになっているのだと思われ、トヨタのように「ハイブリッドを推進していればこんなことにならなかったのに」と悔やんでも悔やみきれない状況なのかもしれません。

8月の欧州自動車市場は20%増、その中でもEVは102%増。1-2はテスラが占めるも中国資本となったMGの販売が伸び、MGは欧州で販売された中国車の69%を占める
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参照: Wall Street Journal, etc.

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